2018年7月8日日曜日

国際分業体制の危機って?

米中経済戦争で、国際分業体制の危機が来るという記事が産経に出ておりました。
日本、韓国などから中共に部品を送って、ハイテク製品を組み立てアメリカなど世界の最終消費地へ輸出するのが「国際分業体制」なのだそうです。

この「国際分業体制」の意味するところは、人件費の安い地域に高度技術部品を送って、一番人件費のかかる「最終組み立て」を行わせることで、製品コストを安くし、デリバリーを上手く行うことで利益を最大化するという、いかにも「国際金融資本」が考えそうな体制です。

これを中共が逆手に取りました。本来は国際金融資本が得るはずだった利益を中共の体制が奪ってしまったのです。
ですから中共には莫大な利益が転がり込みました。これが中共の経済を発展させ、世界第二位の経済大国(?)へ伸し上げたわけです。

しかし世界の工場と言われた中共が、単なる組立工場だったことが、今回のトランプ大統領が行った「部品供給のストップ」指示で露わになりました。

そしてトランプ政権は、対中懲罰関税を掛けます。その追加関税の対象は自動車や産業用ロボット、半導体など818品目に及び、さらに対象拡大としてスマートフォンなどが新たに含まれる可能性もあると言う訳です。

習政権も報復関税を掛けるでしょう。しかし中共側が輸入している額は非常に少なく、それも食料系ですからむしろ国内の消費価格が上がって賃金の上がらない物価上昇が始まるのではないかと思います。

今後中共側がやらなければならないのは、アメリカや日本から仕入れていた集積回路部品(CPUチップなど)を自国生産することでしょう。
しかし例えばパソコンのチップなどはすでに出来ているソフトウエアに合わせなければなりませんし、インテルチップが追加機能を入れ、Windowsがそれをサポートすれば、何の情報もなくそれに追従しないと市場競争では勝てません。そしてこれば至難に業です。

中共政府は、Winsdowsとは違うOSを開発してそれを使わせようとしておりますが、マイクロソフトが中共政府の望むように「中共版Windows」を作りますから、なかなかWindows離れは進んでいないようですね。
インターネット関係はしっかりと「Great Firewall」というものがあり、FacebookもYoutubeもGoogleも見られないとか。

スマホ等、通信機器大手の中興通訊(ZTE)は、アメリカからの部品が途絶えたため工場がストップしてしまいました。
今後7年間にわたり、アメリカ企業との取引を禁止されたのですが、トランプ政権は7月2日から8月1日まで、1か月間だけ、ZTEが提供する顧客の社内の通信インフラなど現行業務に支障をきたす場合のみ、制裁が期限付きで一部解除したそうです。

トランプ政権はこのようにして、習政権のどうにもできない弱点を突き揺さぶりをかける戦略に出ているように見えます。
中共はアメリカの支えが無ければ生きていけない脆弱な国家であることを、世界に認識させるつもりかも知れませんね。

北朝鮮を訪問していたポンペイオ国務長官が帰国しました。その報道は一切北朝鮮のメディアでは報道されなかったそうです。
北朝鮮のメディアは日本と同じように中共の支配下にあるのかも知れません。ですから都合の悪い情報は決して報道しないのでしょう。

しかしこれは北朝鮮の金正恩委員長配下のグループとトランプ政権の交渉が少なくとも現在進行中であることを意味します。
目的は核廃棄の手順を決めることだそうで、金委員長の安全を確保しながら進めているのでしょう。日本と同じように北朝鮮の中枢にも多くの中共傀儡の人物が居て、それを牽制しながら核廃棄手順を決める事はなかなか難しいでしょう。
北朝鮮から聞こえてくる「拉致事件は解決済み」などという報道も、おそらくこの連中の小細工ではないかと思います。

そしてこの北朝鮮の核廃棄と経済的支援、北朝鮮を経済発展させることは、対中政策であることに間違いはないでしょう。
拉致問題が解決の後、経済支援を行うと言うことも対中政策の一つですから、敏感に反応する習政権が北朝鮮メディアを使って日本に揺さぶりをかけているように思います。

日本国内の中共傀儡の人物・・・福田元総理などを見れば判りますね。

「国際金融資本」が理想とする「国際分業」は、ただ単に「人件費の安いところで作ればより利益が得られる」というだけの愚策です。
そしてこれがグローバル経済の本質でした。それを実施したことで中共のような「ならず者国家(ローグステート)」を発展させてしまったのです。

「物作り」には「国や民族の歴史の中で培われてきた価値の表明」という側面もあるはずです。それを無視した奴隷労働の強要は行うべきではありません。
これらを慎重に扱うことが本物の「国益」だと思います。私企業の「バランスシート上の利益」は、国益の下にあるべきではないでしょうか。

そこを勘案しながら、もう一度「国際分業はどうあるべきか」を考えたいですね。

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