2019年11月30日土曜日

香港学生と特攻隊

香港デモを行っている学生や若者、そしてそれに同意し始めた香港市民の親たち。それが今回の区民選挙の結果として現れました。

その直後にアメリカでは「香港人権民主法」がトランプ大統領の署名によって成立し、さらに現在はイタリアの議会でも同じような法律が審議されているそうです。
英国もブレグジットが完了したらこのような法案を準備していますし、フランスも同調してきたようです。親中国家ドイツでも、その流れが出来始めています。もちろんオーストラリアも同調するでしょう。

「香港に生きる」という産経の特集で、香港の勇武派の女性の話が掲載されていました。小柄でえくぼのかわいい女性だそうですが、顔写真は絶対にダメ。
28歳の女性で昼間は事務職員をしているとか。

「区議会選で民主派が圧勝しました。選挙も抗議手法として有効だと思いませんか」と質問すると、「選挙? 確かに美しい。でも民意が(政策に)反映されなければ無意味です」と寂しく笑ったそうです。

香港のデモは「和理非(平和、理性、非暴力)派」と「勇武(武闘)派」の2系統あるそうです。
彼女は勇武派の女性で、恋人は和理非派の男性だったそうで、政府(親中)を支持する両親とは口を利いていないそうです。

和理非派の恋人とは別れたそうで、その理由は「彼を守るためです。私が警察に逮捕されてしまい、彼に累が及ぶといけないので…」と語っています。

そして「怖くないのですか?」という質問には「怖くても前線に出なければならない。私たちが怖がるのを喜ぶのは政府だけ」「前線に何度も出たら覚悟はできる。私たちが戦わなければ誰が戦いますか」と答えたそうです。
そして警察官がデモ隊参加者の頭を狙ってゴム弾を撃っているそうで、「明らかに警察は頭を狙っている。つまり、やるかやられるか、戦場なのです」と答えていました。

なんだか大東亜戦争の特攻隊と重なり合ってきますね。
絶望的な戦いの中で、それでも命を懸けて抵抗を示さないと、香港が無くなったのは住民がだらしなかったからだ・・と後世の歴史家が伝えてしまうでしょう。
まさに今の日本が無くなったのは「日本国民に戦う意思が無かったからだ」・・と後世の歴史家に言われてしまう(であろう)ように。

世界が日本に対しリスペクトを示すのは、大東亜戦争でのあの特攻隊の「国家を守るために死の攻撃を行った兵士」が居たからでしょう。
現在の日本人の持つ「今だけ、金だけ、自分だけ」という常識が、世界中から嫌悪されることは間違いないと思います。

香港の戦いが絶望的なのは、香港という地域が中共側の「水」と「電気」に頼っているからで、それを切られたら生きることが出来なくなるからです。
「電気」はともかく「水」を止められたらひとたまりもありません。

それでも学生たちが戦うのは、大陸側から入って来た中国人に経済も職場も大学も奪われてしまったからでしょう。
中国人はその子弟を賄賂を使って大学に入れ、卒業すると香港企業に入社し、そして大陸との関係を強化していくようです。
香港人の学生たちは上場企業への就職が出来なくなり、希望を失っていると言うことです。しかも自由の無い香港は、もはや香港ではないということも念頭にあるのでしょう。

習主席は、香港の区議会選挙に大敗したことを知って、「そんなに中共は嫌われているのか」と言ったとかいう噂も流れています。
上位下達の共産主義など、どの世界に好きな人が居るのでしょうか・・・

トランプ大統領の始めた関税戦争は功を奏しているようです。金回りの悪くなってきた中共からあちこちで裏切者が出始めています。
オーストラリアに滞在していた中共の情報員が重要資料をオーストラリア保安情報機構(ASIO)へ渡し、スパイであったことを告白しました。

そして彼は、中共がどのように金銭で買収工作を行っていたか、甘い誘惑と威嚇脅迫などを使い民主社会に対して大規模に入り込んでいたかを暴露し始めています。
もしかしたら自民党議員の中に、このような手法で中共に協力させられている議員も居るかと思われますね。

この絶望的な香港に対してアメリカは香港人権民主法を成立させました。お空器今後多くの国が同じような法律を通し始めるでしょう。
しかし我が国はまったく知らん顔です。野党は「桜を見る会」の参加者がどうのこうのと、どうでもいい審議にうつつを抜かしているだけです。

正義のために果敢に戦った、あの日本人はどこへ行ってしまったのでしょうか・・・

2019年11月29日金曜日

大統領、香港人権民主法案に署名

11月27日、トランプ大統領は「香港人権民主法案」に署名しました。そしてこの法案が完全にアメリカの法律になったわけです。
香港区議選で民主派が圧勝したことが、大統領に決断させた・・という噂もあります。

この法律は、「『一国二制度』を前提に香港に認められている関税や査証(ビザ)に関する優遇措置について、中共が同制度を守っているかどうかを米政府が検証し、措置存続の是非を毎年見直すことを義務づけた法律」であり、また「人権抑圧に関与した中共と香港の当局者に制裁を科す条項も含む」ものです。

さらに「香港警察が抗議デモの制圧に使っている催涙ガスやゴム弾、スタンガンなどの装備を輸出することを禁じる法案」にも署名したそうです。
催涙ガス、ゴム弾、スタンガンは中共製ではなかったのでしょうか?

トランプ大統領は米中関係の貿易交渉での合意を目指していました。せっかく習近平主席との間に大量の農産物の中共への輸出が可能になろうとしていた矢先で、この法案を成立させたことが、大量の農産物の対中輸出にどのような影響が出るか、そしてそれが来年の大統領選にどう影響するかなど、どうも苦しい選択だったようです。
大統領が拒否権を発動しても、上下院ではほぼ全員一致で通っていますから、自然に成立し、中共は怒って制裁をするでしょうから拒否権の意味はほとんどありません。ですから署名したのでしょうけど・・・

しかしこれで中共はアメリカからの農産物の輸入で制裁を掛けるでしょうか。ポーズは取るかも知れませんが、現実に農産物が輸入出来ないと困るのは中共側でもあるわけです。
食料品の価格が暴騰すれば、中共の民衆の怒りは習体制に向けられます。そうすると中共国内では反習政権派(江沢民派など)がそこに乗じて「習近平追い落とし工作」が激化してくるでしょう。
これが中国共産党体制を覆すまで力を持つようなら、その方がいいのですが・・・

つまりこの「香港人権民主法」は米中両首脳にとって、ともに頭の痛い法律であるわけです。
しかし可決成立した法案ですから守らなければなりません。
ただちに香港デモの取り締まりに当たった行政府の人間のアメリカにおける資産が凍結されるかも知れません。また習政権の中で香港デモ弾圧を画策している人物も、アメリカ入国拒否と資産凍結もなされそうです。

これらの処置は香港からの訴えによって、容疑が掛けられただけでも施行されるかも知れません。疑いが晴れたら解除するというやり方です。そして疑いを晴らしたければ「容疑者はアメリカの司法に訴えろ」ということになります。

香港には約8万5000人のアメリカ国民が居住し、アメリカ企業の数は約1300社あるそうです。(国務省発表)
そしてこれらの企業はアメリカで最大の黒字を記録している企業でもあるそうです。

ですから習政権はこれらの企業に圧力を掛けて来る可能性も高いわけです。習政権の面子に掛けても何らかの報復をしなければなりませんし、農産物輸入停止は国内問題を引き起こしかねませんから。

しかし現状は中共の経済は香港経済に依存するようになってしまっています。大統領の対中関税制裁が効いているからです。
そこでアメリカとしては「香港への優遇措置の停止」というカードを切ることも考えられます。この処置は、香港の国際商業都市としての特色を失わせます。すると約1300社の現地に展開するアメリカ企業も打撃を受ける恐れが高いというデメリットもありますから、これも両刃の剣と言う訳ですね。

習政権は、香港デモで来年の台湾の総統選への影響も考慮しなければなりません。日本ではマスコミが中共寄りの放送しかしませんが、台湾では現実の情報を伝えているらしく「反中共」が優勢になっております。

さてどうするか・・トランプ大統領はこれ以上香港問題がこじれるなら、1300社のアメリカ企業を犠牲にしても「香港への優遇措置の停止」カードを切るべきではないでしょうか。
一気に中共の経済が行き詰って行きます。「リーマンショック以上の経済混乱」が発生して日本企業も酷い目に合うでしょうが、これで中共経済は奈落の底へと落ちていくように思います。
すぐに共産主義排除が出来れば、少なくとも民主中国の幕開けまで行くかも知れません。

このような変化を短時間で終結させられれば、トランプ大統領の再選は間違いないでしょう。民主中国はディープステートの手に落ちるかもわかりませんが、アメリカの製造業復活がなされる可能性は高いのではないでしょうか。
これは私の考えなのですけどね。

2019年11月27日水曜日

国家主義と憂国忌

11月25日は三島由紀夫氏が自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決されてから、「憂国忌」の日として受け継がれております。

大正末期の15年1月生まれの三島氏は、終戦の昭和20年8月15日の敗戦の時はちょうど20歳でした。
おそらく同世代の友人が大東亜戦争で散華されたことでしょう。そして彼は日本文学の世界で才能を発揮します。

『仮面の告白』『潮騒』『金閣寺』『憂國』『豊饒の海』などの小説と、『近代能楽集』『鹿鳴館』『サド侯爵夫人』などの戯曲を書いております。
修辞に富んだ絢爛豪華で詩的な文体は、「本物の日本語を学びたければ三島を読め」と言われるほど美しく、近年多くの小説がフランス語に翻訳され、フランスの書店に並べられているそうです。

しかしアメリカナイズされていく日本の現状と、日本国の為に死んでいった友人と、そして自らの美的追及心などから、2・26事件の将校を題材にした「憂國」で、切腹のシーンを強烈なタッチで書き記し、それから9年後に市ヶ谷の駐屯地で割腹自決を遂げております。

最期の叫びは、自衛官達に対して「この憲法に身体をぶつけて行こうと言うやつはいないのか!」と言うものでした。
当然この憲法がアメリカ製であることを知っていた三島氏が、それと戦うこと、つまり精神的にもアメリカに負けることに我慢が出来なかった心情が吐露されています。

もはや有名になった三島氏の言葉(産経新聞への寄稿文)、「このまま行ったら日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済大国が極東の一角に残るのであろう」が、現在の我が日本を的確に示し、さらにこの経済大国もすでに終焉している現実があり、その日本も、今や隣国中共に乗っ取られかねないていたらくなのです。

「これでいいとする人達とは口をきく気にもなれない」という心情、そしてそれが自衛隊での割腹自決に繋がっているのではないでしょうか。

敗戦後に日本にやって来たアメリカは、ディープステートでした。つまり共産主義者であり、日本に共産革命を起こさせることを企んでいたようです。
ただマッカーサーは軍人でしたからそこまでは判らなかったようで、ただ自分をフィリピンから追い出した日本軍に対する復讐心だけがあったようです。

こんな環境の中で、数週間で作られた「日本国憲法」であることは間違いが無く、日本の歴史や国家観は無視され、国連憲章などから寄せ集められた文章で構築されているわけです。
日本側は「天皇」が守られただけで、それ以上は手が出せませんでした。

ディープステートがユダヤ金融(ロスチャイルドなど)の別称であることを考えると、戦後の日本の経済発展は彼等の支援があって実現したようにも思えます。
ソビエト連邦の共産化が、ディープステートの思惑とは違う展開をしてしまったために、日本を防共の砦としてその発展を推し進め、そして日本が稼ぎ出した金と技術を中共に回していったのではないでしょうか。
その時のスローガンが「グローバル経済」でした。しかし中共にも中華思想という砦を築かれてしまい、アメリカ国内からも「国家主義」であるトランプ大統領が現れます。

このような世界の裏を三島氏が知っていたのかどうかは判りませんが、戦っていた相手はいわゆるディープステートだったのでしょう。
彼らが日本のアメリカナイズを進めていったのだと思います。それが「無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済大国」だったのではないでしょうか。

ディープステートに反旗を翻したトランプ大統領は、今もウクライナ問題などでディープステートに訴えられそうですが、敵の牙城である「国連」で「未来はグローバリストのものではない。愛国者のものだ」と演説しました。当然このくらいの報復はあるでしょうね。

三島氏は皇国主義者ですが、これは日本の歴史が皇室を軸にして、そこに日本の美意識が結集しているからでしょう。ですから終戦時、天皇陛下の人間宣言(世俗への降下)は三島氏にとっては「昭和の陛下の裏切り」であったようです。
三島氏の国家観は皇室を軸にした国家であり、「愛国心」という言葉に対しては「自分がのがれようもなく国の内部に居て、国の一員であるにもかかわらず、その国というものを向こう側に対象に置いて、わざわざそれを愛するというのが、わざとらしくて嫌いである」と述べています。

愛国心は英語でパトリオティズムです。三島氏は「われわれはとにかく日本に恋している。これは日本人が日本に対する基本的な心情の在り方である」と述べています。
ここで恋という言葉がどういう意味で使われていたのかは判りません。

もしトランプ大統領と三島由紀夫氏が話をしたら、だいぶ異なる国家観になるような気もしますが、少なくともグローバリズムには反対するでしょうね。

そんなことを考えた、今年の憂国忌でした。

2019年11月26日火曜日

ウイグル弾圧、中共の秘密資料が漏洩

中共の当局による新疆ウイグル自治区のイスラム教徒少数民族ウイグル族らに対する弾圧の実態が記載された中国政府の内部文書が流出したようです。
11月17日付けのニューヨーク・タイムズが伝えました。

流出した文書は24通から成り、全体で計403ページあると言うことです。
これは中共内部のある政治的立場にある関係者が匿名を条件に提供した者と言うことで、真偽の程はまだ判っておりません。

ニューヨークタイムズ紙は「中国共産党の内部にもウイグル族への弾圧を疑問視する声が根強いことを示している」と述べていますが、疑問視という意味が単に「習政権の排除」が目的のフェイクかも知れません。

この文書はおよそ200ページ分が習近平や指導者の内部演説、150ページ分がウイグル人に対する管理コントロールに関する指示と報告になっているそうです。そして、地方のイスラム教制限に関する言及がなされているとか。

ウイグル弾圧の経緯は・・・

習近平政権が極めて過激なウイグル弾圧を始めたのは、2009年7月の「ウルムチ騒乱」や、2014年5月の「ウルムチ市の朝市襲撃事」の対策として行われたところからです。この年の4月にはウルムチ駅で自爆テロ事件が起き、3名が死亡しています。
習近平暗殺の噂も囁かれた頃の出来事で、その後習近平主席は「イデオロギー上の問題を解決して、新疆地域のムスリム少数民族の思想を作り変える努力を展開せよ」と指示しております。

2009年7月のウルムチ騒乱事件の後、当時の胡錦濤政権は、その原因を「当時の自治区書記の王楽泉の腐敗政治によるウイグル人搾取に対する不満と恨みがある」と判断していますから、経済発展によって民族間の格差と不満を解消する比較的融和的な政策を打ち出しました。

ところが習政権になってから「これでは生ぬるい」として、胡錦濤の新疆政策を否定するために必要以上に強硬政策に転じたと考えることが出来るそうです。

2014年頃から作り始めた再教育施設と称する強制収容施設は、当初は数十人から数百人のウイグル人を収容する小型施設が多かったのですが、その再教育の目的が「イスラム教への忠誠を捨てさせ、共産党への感謝の情を植え付けること」だと言う事ですから驚きです。
おそらく同じような強制を今後はカトリック教徒などにもしていくのでしょうね。宗教の意味も信仰の気持ちも理解出来ない野蛮な漢民族・習近平主席の下した結論だったようです。

そして2016年8月、地方官僚に召集をかけて、習近平の秘密講話を引用しながら、新たな安全コントロール措置と強制収容所の拡大を命じた習政権と言うことです。

中共が現在行っている新疆政策は、国際社会に対し説明しているようなウイグル人の再就職支援といった「善意」の目的ではありません。
イスラム共を捨てさせ、共産党への感謝(意味が判りませんけど)を持たせるという人格破壊工作であり、明らかな人権弾圧が行われていることが明白です。

中共が言っているような「多民族国家や人類運命共同体といった理想」などとは関係のない民族・宗教・イデオロギー弾圧で、支配管理強化であり、間違いなく人道の問題であり、漏洩した内部資料はこのようなことを証明する飼料になるのは無いかという期待が持たれています。

共産主義は民主主義にはなり得ません。上位下達が基本構造で、一部少数の階層が全体を管理する発想です。民主主義は今のところ代表民主制が主流で、故に「選挙で政治体制が決まる」やり方になっています。

中共はここを「上位が決めた範囲内での選挙」を認めようとしています。自由選挙ではないわけです。
そして宗教には、「アラーの神の上位の中国共産党があれば良い(イスラムの場合)」という宗教の在り方を示しています。もちろん宗教者がこれを呑むことは出来ないでしょう。(ローマ法王どうか知りませんが)

共産主義の人権問題はこのようなところから発生しています。そしてその結果行きついたのが「強制収容所」と「思想改造」がなされ、テロを生む事になるわけです。

習近平主席が、本人は良いことだと思って行った人権弾圧と臓器売買のようです。
もしかしたらアメリカやカナダが批判している臓器売買など、何故それが悪いことなのか彼等には理解できないのかも知れません。

それが無宗教の怖さ・・・ですね。
漏洩した文書は、これからアメリカで十分精査されて、我々の前に提示され、華人の本質を暴露することになるかも知れません。

我が日本、天皇陛下が居られて、本当に良かったですね。

2019年11月25日月曜日

民主派の圧勝、香港地方選挙

18区から成る香港の地方議会の選挙が11月24日に行われ、中間集計では民主派が253議席を獲得し、親中派は27議席で、民主派が圧勝しています。
香港デモへの中共の悪質な介入もあって、今回の選挙は前回の約147万人の投票者に対して、294万人と二倍に増加したそうです。

そしてこれまで親中派が約7割で民主派が約3割だった議席は、今回の選挙で逆転するでしょう。

1997年に香港が英国から中共に返還されてから始めて民主派が過半数を獲得したと言うことです。そしてこれが香港市民の民意であることがはっきりしました。
この結果を世界の民主主義国はどのように受け止めるでしょうか・・・

アメリカでは「香港人権・民主主義法案」が上下院で可決しています。後はトランプ大統領が署名すれば成立です。

これに対し中共側は、「この香港人権・民主主義法はフェイクであり、これは香港暴力肯定法案だ」などと発言し、「現在香港警察が暴力を取り締まって平常を回復させようと頑張っている」などと述べています。

このアメリカの香港人権・民主主義法を見た欧州でも、例えばオランダの議会で「マグネツキー法」が成立しました。そして英国でもボリス・ジョンソン首相が、ブレグジットが成立した後、すぐにマグネツキー法を成立させると述べています。

マグニツキー法とは、アメリカで成立した法案で「人権の包括的責任に関する法で、人権侵害の疑いのある人物に制裁を科すことを許可する法律」となっています。
ですから欧州各国は、今後これに相当する法を通すということだと思います。

香港デモが収まらないことで、香港行政府が出した「覆面禁止法」が、香港基本法(憲法に相当)に違反するとした香港高裁の判断が出ました。
まだ香港の司法が健在であることを感じさせましたが、その直後に中共の全国人民代表大会(全人代)常務委員会が、「香港の法律が香港基本法に違反していないか判断できるのは全人代常務委だけだ」と、香港司法を否定する声明を出しました。

しかしこれまで中共の韓正副首相は「暴力の制止が香港の行政、立法、司法機関の共同責任だ」などと「三権一体」を言っていたわけですから、御都合主義の中国共産党の、フェイクな法治が露呈されています。

香港デモの暴力化が、香港警察官に化けた人民解放軍兵士によって行われ、それに呼応する形でデモ隊が暴力に走って行ったことは、ネットに上げられた映像で世界が見ております。(もちろん日本のメジャーなマスコミには出てきていません)

中国人の得意とする便衣兵的な警官の暴力を間近に見てきた香港市民は、今回の選挙で民主派に投票したのでしょう。
そしてこのような中国共産党支配に対して「ノー」を突き付けました。

しかしこれは地方議会の選挙です。地方議会はほとんど何の権限も持ちません。中共から指示された法律などを上意下達で市民に伝える役割しか持っていないようです。
あとは生活の細かい取り決めなどをやるだけの議会で、どこまで民主派が香港行政府に対して抵抗できるでしょうか。

「一国二制度」とは、一応香港が中共の領土であることは認めるが、香港の民主主義は向う50年間は守られるものとする・・という取り決めだったはずです。
つまり中華人民共和国は、大陸の共産主義と香港の民主主義の両方を抱え込むことになったわけです。

この時英国は、「中共も豊かになれば民主化する」という神話を信じていたようです。ですから50年経過すれば大丈夫だろう甘い考えだったのだと思います。
しかし結果は、共産主義から中華思想の華夷秩序に流れていきました。アメリカや日本が中共に対し経済援助やら技術支援をした結果、むしろ華夷秩序という人類が退化する方向を中国共産党が取りだしたわけです。

宗教を持てない華人は、金と暴力で世界を支配しようとしています。宗教が無いということは、人肉食も平気で行うことが出来るわけです。その現代版が「中共の臓器移植」です。
アメリカもそのことにやっと気付き、今、ペンス副大統領がウイグル問題として弾劾しています。

「香港人権・民主主義法」が、アメリカの議会をどう動かすか、そしてアメリカ国民がどのような反応を示すか、今後はそこが焦点になってくるでしょう。
また、欧州のどれくらいの国がマグネツキー法を成立させるかも焦点になります。

そして何と言ってもこれからの世界の焦点は、来年1月の「台湾総統選挙」になるでしょう。
台湾の国民も今回の香港地方議会選挙の影響は受けているはずです。
そして今後の中共が香港にどのような対応をするかも注視しているはずです。

その台湾総統選挙は。2020年の1月11日(土曜日)です。

2019年11月24日日曜日

GSOMIA破棄回避

日米韓の連携を象徴する取り決めのGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄を通告していた韓国・文在寅政権は、「協定を終了するとした通告を停止する方針」を伝えてきました。

つまり、日本の輸出管理厳格化に対抗する手段として文政権が取った「GSOMIA破棄通告」を撤回したわけです。(無期限延期?)

それでも韓国は日本に対しては「貿易優遇策」をめぐって交渉を継続すると述べています。
こちらにはアメリカの圧力は掛からないでしょうが、日本が要求している「フッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素」の使途不明量に関する情報開示がなされるまでは、韓国をホワイト国に戻すことは出来ないでしょう。
これは交渉の問題と言うより管理体制の問題だと思うのですけどね。

フッ化水素は半導体だけでなく核兵器開発にも使用されます。そこから文政権の体質(チュチェ思想を信奉していること)から、北朝鮮への密輸がなされたのではないか、あるいは中共の半導体メーカーに密輸したのではないか・・と言う疑いが出てきているのです。

核兵器用には日本製の高純度フッ化水素でなくても、中共製のものでも十分に使えるようですが、半導体となれば高純度フッ化水素でなければ歩留まりが悪くコスト高になってしまいます。そこで、中共への密輸の疑いの方が高いと思われます。

半導体用の部品供給は、ワッセナーアレンジメントからECRAとFIRRMAによって、同盟国である日本にも中共への輸出規制が掛かっています。
高純度フッ化水素はその規制に抵触しますから、韓国からの横流しがあった場合、許すことは出来ません。

その点を日本は韓国側に追及したわけですが、韓国側からは何に使用されたのか明快な資料が出されませんでした。そしてその代わりにGSOMIA破棄を通告してきたわけです。
これによってアメリカは文政権に対して相当の圧力をかけたようです。

ここで文政権はかなり卑怯な駆け引きをしています。
対中外交で先週、韓国と中共との間に「防衛協定」を結んだことです。つまり韓国はアメリカの言う事を聞かずにアメリカと中共を天秤にかけ始めたという点です。
これがあって、アメリカが望むGSOMIAの継続を呑んだ文政権であることは確かなようです。

アメリカと中共を天秤にかけるアジアの国々が今は結構多く、もしかしたら日本もその中に含まれているのではないかと思うような政治の動きも見受けられます。
日本の場合は経団連などがその中心に居るようですが、これでは「自由と繁栄の弧」もあったものではありません。

この背景には民主党・オバマ反米政権の悪影響が十分に考えられますが、ここまでアメリカの影響力が低下したのかと驚くばかりです。
アメリカと中共を天秤にかけている国家は、ある意味においてアメリカと中共のどちらの恫喝になびくかということ・・とも言えると思います。

つまりアメリカの「自由と民主主義」という圧力と、中共の「中華思想の軍門に下れ」という圧力の双方のどちらを選ぶか、という問題です。

最近、「自由と民主主義」を疑う論調も出始めています。しかしまだ「中華思想(究極の差別主義)」を擁護する論調は出てきておりません。
共産主義(グローバリズム)と中華思想は比較的馴染みやすい考え方です。自由と民主主義が「LGBT」などを擁護する動きを生んでいることから、「LGBT」を抹殺できる可能性を持つ中華思想が浮上しているのかも知れませんね。

アメリカは、この天秤に気付き始めています。対中経済戦争が激化すれば、さらにこのような両方からの恫喝がアジア各国に掛かり始めるでしょう。
インフラ基盤を持つ国家なら自由と民主主義で戦えますが、インフラもろくにないアジア各国は、中共の経済協力が欲しいはずです。

ここを日本がどうしていくか、そこが問題になる点ですが、財務省がプライマリバランスとか言いながら日本の整備されていたインフラを壊しています。
その背後に中共の手が無ければいいのですけど。

韓国の経済的衰退も、「助けられるのは中共しかいないよ」という状況を作り出すための文政権の企みなのかも知れません。
だとすれば、高純度フッ化水素の行き先が中共であってもおかしくはないでしょう。

そしてここまで中共に肩を入れる分政権に怒っている北朝鮮の金正恩委員長の姿も理解できるように思います。
北朝鮮は、トランプ大統領によってやっと米中を天秤に掛けられるようになったばかりですから。

GSOMIAの継続受け入れと中共との「防衛協定」が、文政権の命取りになるかも知れません。
トランプ大統領は、「アメリカは、国防と安全保障の問題は日韓関係の他の分野と区別されるべきだと強く信じる」と訴え、GSOMIAの失効は「北東アジアの安全保障環境を脅かしている北朝鮮と中共を利するだけだ」と述べていますが、文政権の取った「中共との防衛協定」が今後の米韓関係をどうしていくか、アメリカの出方が注目ですね。

2019年11月22日金曜日

日米デジタル協定とは・・

対中戦争の最大の戦線がデジタル技術です。それを象徴するのが5G問題のようですが、それに先立ってデジタル情報の貿易上の取り決めをしっかりしておかないとなりません。

そこで日米貿易協定の中で「日米デジタル貿易協定」がクローズアップされてきます。
このデジタル協定とは、概略を示すと次のようになります。

1.データの国外持ち出しは自由、デジタルコンテンツへの関税を課さない。
2.国はソフトウエアの文書(ソースコード)や設計思想、アルゴリズムの開示を求めない。
3.SNSなどのプライバシー侵害があった場合、運営会社がそれを事前に知っていた場合は民事上の責任を負う。
4.暗号を使用するパソコンやソフトウエアの暗号開示を求めない。

これが主な協定の内容です。
このデジタル貿易協定は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)でも議論されていますが、まだ具体的なルールは出来ておりません。
日米は、この「日米デジタル貿易協定」が、今後の世界のひな形になると位置付けております。

中共が乗っ取ってしまったような「WTO(世界貿易機関)」でも電子商取引(EC)をめぐる議論が進んでいるようです。
そこでもまだ標準ルールが定まっておりません。

この協定の内容は中共を強く意識した協定です。中共は、国内産業の保護・育成を目的という理由で、進出企業に秘匿性の高い情報まで開示するよう要求し続けました。
その結果、あらゆるデジタル技術が中共の人権弾圧とか臓器売買などに使われ、現在は人民を監視する映像技術などを作り出してしまいました。

この協定は、このような中共の悪癖から、今後開発されるであろうデジタル技術を守る効果があると思います。

当然、中共側は「開示しない企業は中共国内での活動を認めない」とするでしょうから、デジタル企業は日米共にこの協定には反対のようです。
協定によって、この協定を守らない国家(中共)へのデジタル技術製品の販売は規制されるでしょうから。しかし彼らはこれが「戦争」であることが解っていないようです。戦争中に敵国へ最新技術を提供する企業があれば、それは利敵行為(売国奴)と言われるのは当たり前です。

これらの協定は、やがて貿易決済のデジタルマネー化を目指しているはずです。つまり貿易のやり方が全面的に変えようと言う訳です。
これまでの「船荷証券(B/L)」とか「貿易保険、信用状(L/C)」などのやり方が変わり、輸出入も貿易会社が介在せず、小口直送(個人輸入→直接消費者へ)が可能になってくるはずです。

つまりこの協定が今後どうなっていくかは判りませんが、加盟しないと新しい貿易体制に入れなくなってしまうかもしれません。
こうして中共の国際貿易からの締め出しを画策し、中共に対し「協定に加盟するなら、このルールを守れ」と持っていく作戦だと思います。

中共側は、何とかこの欧米主導の体制から抜け出て中共主導の体制に持っていきたいはずです。中共側の表現としては「ドル基軸体制からの脱却」が悲願なのだそうです。
この意味するところは、「ドル基軸体制だとズルが出来ないから」ということでしょうか・・・

そのための努力がアメリカに先行する5G開発であり、さらに6Gの通信も先行しようと研究開発に着手しているようです。デジタルマネーを中共主導で行いたいのでしょうね。

ただ、「中共主導の体制」には究極の選民思想である「中華思想」からは脱却できないでしょうから、そこに加盟する国家はほとんど無いと思います。
中共はこの中華思想から脱却しない限り、欧米の作る協定と対立する貿易協定を構築することは出来ないでしょう。

日米デジタル協定は、そういう意味で今後のサプライチェーンのひな型になり、それが発展していくにつれて国際問題のいくつかを解決する方向に向かわせる可能性があります。
例えばデジタルマネーは、麻薬などの取引の決済をやりにくくするでしょう。

そして商品の品質保証の在り方も変わるでしょう。メンテナンスの問題をどうするか、このような点も重要になります。
おそらく今後生産される商品は複雑になり、またシステマティックになっていくと思われますから、それに対応する体制が必要になります。

例えば自動運転の自動車は、自動車という商品だけでなくその制御をおこなうインフラストラクチャーが共通化していなければなりません。
完全な共通化の部分と、地域社会における個別な部分をどのように積み分けていくか、これが今後の技術開発の課題になると思います。

日米デジタル協定・・・まだ出来たばかりの協定ですが、未来の希望がここにあるのではないでしょうか。

2019年11月20日水曜日

上院で可決・香港人権法案

2019年11月20日、ついにアメリカは上院でも香港人権・民主主義法案が可決しました。若干の修正が入り、今後は下院とのすり合わせが必要だとのことですが、今後はトランプ大統領の署名がなされれば、成立となります。

さて、中共は「同法案が米議会を通過すれば報復する」という声明を出していますから、どのような報復がなされるのかが注目されます。
日本の尖閣諸島海域での軍事行動もその一つかも知れませんね。このような時、アメリカは手を出さないという論調もありますが、もし対中軍事制裁をアメリカが考えているとしたら、これはそのチャンスにもなるはずです。

中共が一番注視しているのは、香港ではなく何と言っても台湾だそうです。来年1月に行われる総統選挙で、香港の影響があって「蔡英文総統」の支持率が上がっています。
それを恫喝する意味があるのでしょうか、最新鋭の中共新型空母が台湾海峡を通過しました。空母打撃軍2.0だそうですが、南シナ海での訓練が行われるようです。
しかしほとんど戦闘機が搭載されていない空母で、何の訓練を行うのでしょうか?
空母打撃軍の訓練とは、ジェット戦闘機の発着艦の訓練が主な目的だと思うのですけど。

この空母、出航直後から海自の潜水艦にマークされ、いつでも攻撃可能な状態(つまりアメリカ軍と情報共有をしながら)で追尾しているそうです。
通常このような隠密行動が発表されることはありませんが、この事実を台湾政府が発表することによって、中共の台湾に対する空母による威嚇の効果が相当薄められていると見られます。

台湾では、来年の総裁選挙に向けて蔡総統が、次期総統に当選したなら頼清徳元行政院長(元首相)を副総統に任命するとして、さらに選挙戦を有利に進めています。
頼清徳氏は親日派で知られ、台湾で信頼され、人気のある政治家です。

そして、上院でも可決された「香港人権・民主主義法案」はトランプ大統領にとって新たなディールのためのカードにもなりました。

また、世界中の大学関係者2400人が、「大学には学問言論の自由、自治権がある。そこに政治権力は踏み込めないはず。香港大学は学者や学生の交換制度の提携先となっているが、学問の自由を認めず、あらかさまな迫害行為が続くなら香港の大学との提携を見直す」という訴えを起こしました。

また、中共国内の学生の中には、国外のネットサイトにある「品葱」という掲示板に「香港の学生を支援する書き込み」を行っていて、そこにネット版「レノン・ウォール」を開設したようです。
開設直後から数日間に中共内から500人くらいの投稿がなされたそうです。

その中に「中文大学・城市大学、頑張れ!」とか「香港を取り戻そう」「中国共産党は必ず滅びる」などという書き込みがあったとか。
日本には中共の人達はすべて共産党に洗脳されているかと思いきや、こんな大学生もかなり居ることがわかりました。

どうやら中共に完全に洗脳されているのは日本の進出企業とマスコミだけかも知れませんね。

香港の行政長官キャリー・ラム氏は、香港で唯一民意が反映される選挙「地方議会選挙」の実施を延期するかも知れないという話をし始めています。
理由は「香港が今、騒乱状態にあるから」ということのようです。

11月24日に行われるはずの地方議会選挙。中共は「共産党が許可した候補者から選べ」と言っているようですが、そんなことは無視して行われる選挙のようです。

これを延期するとすれば、香港の民衆も黙っていないでしょう。その危険性を合わせ持っている決断が迫っているようです。

来年は台湾の総裁選挙から始まります。トランプ大統領にとっても選挙の年です。投票は再来年の1月ですが、選挙運動は1年間かかりますから、忙しいです。
これから「減税2.0」が始まります。減税1.0でアメリカの経済は見事に回復してきました。税収も上がることでしょう。これがまだ続くのかどうかは判りませんが、減税2.0はこれから議会に提出されるようです。

我が日本は「消費増税3.0」で、ついに消費税10%にしてしまいました。来年はじわじわとこのための不景気がやってきます。
安倍政権は公共投資を行うような発言をしていますが、相当莫大な投資を多方面にしないと消費増税の悪影響から逃れることは出来ないでしょう。

来年は東京と札幌でオリンピックが開催されますが、すでに夏の台風で堤防決壊などが予想されています。これまで財務省の無意味な緊縮財政のおかげで災害対策は何も出来ていません。

アメリカと他の世界が中共と対峙する中、日本だけが国賓来日などで親中になって行けばどういうことが起きるかは誰でも解っています。

野党は「桜を見る会問題」で国会を空転させ、マスコミは「沢尻エリカのMDMA」で国民の目を塞ぎます。

そんな中、アメリカは着々と中共包囲網を作り上げていきます。

2019年11月19日火曜日

日米防衛相会談、河野防衛相とエスパー長官

日本とアメリカの防衛相会談が始まりました。タイのバンコクでの開催です。
目的は「日米同盟の強化を図ること」「北朝鮮に対し、緊密に連携して対応する方針の確認」だそうですが、「自由で開かれたインド太平洋」構想の推進についても確認すると言うことです。

会談では、最近の安倍政権の中共寄りの姿勢についても糾されるのではないでしょうか。安倍首相の発言を聞いていると、あまりにもアメリカ・トランプ政権の発言と行動に背反しています。

中国共産党の追い込みを世界中のコンセンサスにしようとしているトランプ政権と、「日中関係は正常に戻った」などと公式に発言する安倍首相の行為とが"ちぐはぐ"に見えます。

アメリカのやり方は「妥協」をしません。トランプ大統領は「ディール」による問題解決(といっても、アメリカの考えを押し通すだけですが)を目指します。
しかしアメリカ国内ではすでに対中強硬論が主流になっています。トランプ政権から他の政権に変われば軍事行動を使ってでも中共の野望をくじこうとするかも知れません。

香港問題でも、アメリカは「香港人権・民主主義法案」を上院で迅速に可決しようとしています。下院では可決していますが、上院で一部修正がなされたため、再度下院でも可決する必要があるようです。

可決すればあとはトランプ大統領のサインで法案成立となります。
マルコ・ルビオ上院議員は「米国は中国政府に対し、奮闘する香港市民を自由世界が支持しているとの明白なメッセージを送る必要がある」と声明を出しました。

中共側は「同法案が米議会を通過すれば報復する」と声明で答えています。

もはや米中は戦争モードになっていますが、まだ外交戦であって戦闘にはなっておりません。香港デモがほとんど戦闘モードであり、話し合いはどこまで行っても平行線になっています。
警官に化けた人民解放軍兵士(便衣兵の一種)は、銃でデモ隊に対峙し、デモ隊は火炎瓶を投げたり、弓で矢を放ったりして抵抗しています。

この香港人権・民主主義法案の骨子は、
1.香港の特定の書店、ジャーナリストに対して監視、拉致、拘禁、強制告白を行った責任者を明らかにすることを大統領に義務付ける。
2.香港に高度の自治を認めた「一国二制度」が守られているかどうか毎年国務長官が検証することを義務付ける。
3.基本的自由を抑圧した者、またそのような行動を行った者については、その者の合衆国における資産を凍結し、その者の米国への入国を拒否する。
・・と言った内容のようです。

そして中共政府は、「アメリカの内政干渉に対して、強い憤りと断固たる反対を表明し、報復を宣言」しておりますが、もしかしたらこの報復がアメリカへ直接ではなく、同盟国・日本に対して行われているのかも知れません。

北海道の大学教授が北京に招待されて、帰りの北京空港で逮捕されました。そのことについて日本政府は発表しませんでした。
産経新聞社が記事にしてしまいましたので、政府も逮捕されたことは認めましたが、その理由など詳細については霧の中です。

香港人権・民主主義法案が議会に提出されたのが6月で、そして中共側の内政干渉発言がなされ、この大学教授が逮捕されたのが9月でした。
これを持ってアメリカ政府に揺さぶりを掛けたのかも知れません。アメリカは日本政府に「沈黙」を命じ、交渉を続けた結果11月15日に解放されたということ・・かも知れません。

日本国民が知ってしまった以上、速やかに釈放した方が得策・・と踏んだのかも知れません。来年春の習近平主席の国賓訪問の約束もありますしね。
ただ、まだ多くの日本国民が中共に捕らえられていることにも注意しなければなりません。

米中経済戦争の実力行使の代理戦争が香港で起きているようにも見えます。
同盟国・日本が無傷でいられるとは思わない方がいいようです。最近の安倍政権の中共に対する態度の変化も、そこらへんから来ているのかも知れませんね。

今回の日米防衛相会談は、このような問題を話し合うのが目的のような気もします。もちろんマスコミには発表されないでしょうが。

来年1月の台湾総統選挙を前にして、今後さまざまな、陰険かつ非人道的な事件が多発する可能性があります。
日本のマスコミは中共に押さえられていますから、その発表はあてに出来ません。産経新聞は少なくとも中共との間で変な取り決めはしていないようですから、少しは参考になります。

日米同盟は、対中戦争でこれまでに人類が経験したことの無いような戦争(超限戦)に突入していっているようです。

2019年11月18日月曜日

地方銀行の生き残り策

銀行を題材にしたドラマがテレビで放映されていましたが、現在は確実に銀行が事業転換をしなければならない時代になっています。

原因はもちろん財務省のプライマリ・バランスです。「税金で上がった金額の中でしか公共投資を行わない」という方針で、市中からお金が無くなって行くからです。
「孫子の代まで借金を残さない」というミクロ経済の話をマクロ経済にまで持ってきたからこのようなおかしなことが起きるのです。
政府と中央銀行を切り離したのはインフレ対策で、デフレの時は政府と中央銀行は「統合政府」として機能しなければなりません。
当たり前のことです。

MMTは現代通貨理論と訳されますが、本当は理論ではなく「お金の本質」を述べただけの文章です。
世の中が必要とするお金を供給し、過剰供給を調整するのが「税金」の役目であることは、すでに周知のことになっています。
このような主権通貨が正常に運用されていれば、銀行は正常に運営されていたはずです。財務省が「お金の本質」を無視する政策を取るために、現在の銀行は生き残りを掛けた事業転換をせざるを得ない状況になってしまいました。

SBIホールディングスが「第4のメガバンク」という構想を打ち出したのです。
SBIホールディングスとは、ソフトバンクグループの金融関連企業として設立(SoftBank Investment)されたものですが、さまざまな事情があってソフトバンクグループを離脱し、現在は頭文字を同じにした「Strategic Business Innovator」ホールディングスとなったものです。

その構想とは、SBIが過半を出資して持ち株会社を設立し、そこに全国の地銀やベンチャーキャピタル、運用会社などが出資して協力関係を築き、持ち株会社は参加する地銀などの業務システムやフィンテックなどのインフラや資産運用の受託ほか、人材の供給、マネーロンダリングの対応など幅広い商品・サービスを提供する、いわば「プラットフォーム」となる持ち株会社の構想です。

要するに地方銀行や信用金庫などの機能強化のために共同しようという主旨の構想で、今後普及するであろう暗号通貨やネット決済システムに対応し、「社会課題解決型ビジネスモデル」を構築していく考えのようです。

地方銀行に対して民間企業が出資し、その筆頭株主になって役員を選定したり、本来は商売敵のはずのゆうちょ銀行と手を組むなど、これまでにない流れも出来ています。
現金自動預払機の日本ATMのシステムを共通化して、どこでも現金を引き出せるようにするなど、生き残りをかけた改革が始まっています。

社会課題とは何でしょうか。最初に頭に浮かぶのは「高齢化社会」とか「少子高齢化」などの問題ですが。もはやそれだけでなく「降雨量の増加による社会インフラの再構築」とか「被災時の交通と流通の確保」など多岐にわたっています。

本来は日本政府がやらなければならないことを、地方自治体がやらなければならず、必要な資金も財務省のプライマリバランス政策のおかげで供給されません。
このような時代にSBIホールディングスはどのように資金運用をするのでしょうか。

地方自治体は個人ではなく、従って寿命はありませんから、極めて長期の融資でも可能です。100年くらいの融資期間を考えることも可能なはずです。
その資金でインフラの整備とか、被災時の為のシステム作りなどが行えれば、地方社会に資金が供給されます。

これが全国規模で行われれば、日本全体に資金が供給され経済は成長するでしょう。
地銀の借金は増加しますが、貸出先が地方自治体であり、現在の低金利で返済にリスクが無ければ焦げ付きはおきないでしょう。
社会課題にお金が回れば、そこで働く人にもお金が供給されます。お金が供給されれば景気は上向きます。利益が上がれば税収も自動的に増えます。

景気が良く成れば資金需要も出て来るでしょう。資金需要が出ればお金は自動的に日銀から都市銀行に出てきますし、都市銀行から地銀に資金は流れます。
つまり「社会課題バブル」を起こせば良い訳です。

「社会課題解決型ビジネスモデル」で利益が上がるようにするにはどうしたら良いか、今後のテーマはこのような方向に集約していくのではないでしょうか。