2018年7月18日水曜日

実現した米露首脳会談

相変わらずプーチン大統領は30分以上遅れてフィンランドのヘルシンキに到着したようですね。相手が誰であろうと遅刻するプーチン大統領、インドのモディ大統領との会談に遅れた時は、モディ首相は就寝してしまった後だったとか。

それはまあさておき会談は思ったとうり盛りだくさんで、記者会見も総括的で詳細が良く判りませんね。
ただ、今回は遅刻の理由がサッカーワールドカップの表彰式などで遅れたということです。理由のはっきりしている遅刻は、仕方ないかも・・・

まず、両首脳は核問題の協議で2021年に期限が切れる新戦略兵器削減条約(新START)の延長問題で一致したとか。
現在の核保有国は、米露の「新START」に準じるでしょうが、核保有国のなかに北朝鮮は含まれておりませんよね。ちょっと気になります。
北朝鮮問題で、金正恩朝鮮労働党委員長とトランプ大統領の会談を挙げて、ロシアも核軍縮の問題の重要性を理解しているとして、アメリカが対話での北朝鮮問題の解決を目指しているとして評価したとしておりますから・・・

もし北朝鮮がこのような会談で、なし崩し的に核保有国になったとしたら、日本も核保有せざるを得なくなります。
核は政治的兵器で、それが使われることは人類の終わりを意味するから普通は使えませんが、北朝鮮の核は単なる「恫喝兵器」ですから、対抗するには「核武装」が必須になってしまうわけです。
核を持った北朝鮮は、必ず戦後補償だのなんだのと言って日本を強請る(ゆする)でしょうから。

日本の核武装は、アメリカが今後開発する「使える核」、すなわち小型核弾頭を国内に持ち込むことから始まるでしょう。つまり「作らず持たず持ち込まず」の「持ち込まず」の部分を削除します。
その上で、小型核弾頭の設計仕様に合わせた「小型ロケット」の開発をして、先端に同盟国アメリカの核弾頭を搭載すればすぐに核ミサイルになることを、暗に世界に向けて発信すればいいのではないでしょうか。
JAXAはすでに「電柱サイズのロケット」として人工衛星を打ち上げて見せています。今年2月のことでした。電柱サイズ型ロケットとは面白い表現ですが、固形燃料ロケットであり、他の国は「ミサイル」としか見ないでしょう。それが抑止力になります。この先端にアメリカ製の小型核弾頭が積まれれば核ミサイルですからね。
やがてこの核弾頭とインターフェースを合わせた国産の核弾頭を作れば、すべて国産になります。

非核3原則を撤廃するのが一番良いのですが、あの憲法改正も出来ないようならそれも無理でしょう。我が国を潰すことが主目的化しているサヨク野党とマスコミ、国民の命より増税やPBが優先している財務省がある限り、我が国の安全保障はトリッキーな手段を使わざるを得ないわけです。

さて、首脳会談ではその他にウクライナ、シリア問題も協議されたそうです。中共についてはどうだったのか判りません。また、経済問題なども判りません。
そしてロシアがアメリカ大統領選挙に干渉したという疑惑について、プーチン大統領はそれを否定しました。
そのプーチン大統領の言葉をそのままトランプ大統領が「信頼する」ような発言をしたものですから、共和党の反ロシア議員が一斉に反発し、トランプ卸しに躍起となっているアメリカ・マスコミも一斉にトランプ大統領への疑惑を書き立てます。

プーチン大統領は記者会見で、旧ソ連国家保安委員会(KGB)工作員だった自らの過去をわざわざ持ち出して、干渉疑惑を否定したそうです。
すなわち、「そんなことをしても意味がない」ということを述べたのでしょう。
さらにプーチン大統領は、モラー特別検察官の疑惑捜査で起訴されたロシア情報機関員12人に関し、「要請があれば露側で聴取する」と述べ、それに対してトランプ大統領が「素晴らしい申し出だ」と応じたものですから、反ロシア派とマスコミが一斉にトランプ大統領を非難し始めたようです。

プーチン大統領に近い人物がアメリカ側の調査で起訴されております。しかしこの人物は企業経営者であり、プーチン大統領はその企業について「国家を代表していない」と一蹴しました。

トランプ大統領は新戦略兵器削減条約(新START)について、これまでは「一方的な合意」と呼んで批判していました。しかしプーチン大統領との会談ではすんなりと期限切れ後の延長を認めてしまいます。

そしてトランプ大統領が推進しているミサイル防衛網についても、プーチン大統領は「世界規模のアメリカのミサイル防衛システムによって、(核による戦争抑止が)危険な状況にある」と言われ、それについてトランプ大統領は反論しませんでした。

こんなことから。共和党の重鎮「マケイン上院議員」は、「アメリカ大統領による最も不名誉な振る舞いの一つだ」と酷評し、トランプ大統領はプーチン大統領に立ち向かう能力がないだけでなく、その意思もないことが証明された。首脳会談は悲劇的な失敗だった」と述べました。

グラム上院議員は「トランプ氏はロシアに米大統領選に干渉した責任をとらせ、今後の選挙に関し(干渉しないよう)強く警告する機会を逸した。ロシアから弱さの表れと受け取られ、さらなる問題を引き起こすだろう」とツイッターに書き込み、コーカー上院外交委員長は「トランプ氏は、アメリカが『だまされやすいカモ』にみえるようにしてしまった。失望した」と記者団に述べたとか。

さて、アメリカ大統領選にロシアが干渉したことを証明する資料はあるのでしょうか? また、ミサイル防衛システムが「核による戦争抑止が危険な状況にある」と言えるのでしょうか。
トランプ大統領が反論しなかったことが問題になっているようですが、別にミサイル防衛網を止めると言ったわけではありません。

首脳会談は商売ではありません。国益を持って協議するのでトランプ大統領は苦手なのかも知れませんが、マケイン議員やグラム議員の言うようにアメリカを傷付つけたのかどうかは判りません。
少なくとも現状ロシアにはミサイル防衛網を構築するだけの経済力はありませんし、大統領選に干渉した明確な証拠もないようです。

ともかくトランプ大統領とプーチン大統領は、「共通の敵である何者か」を意識した協議を行ったのではないでしょうか・・・

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