2018年7月14日土曜日

米中経済戦争は5G問題

米中貿易戦争が世界を巻き込み、自由貿易のルールが変わってきそうです。
もともと中共が、自国の不自由体制のもとで他国に自由を求めた非対称貿易が原因でアメリカの怒りが爆発したものですが、当の中共は自分たちが自由貿易のリーダーだと言うような顔をしております。

WTO(世界貿易機関)は自由貿易促進のルールを定めようとしたものでしたが、中共の身勝手な振る舞いで世界中が迷惑を被りました。
そしてアメリカはWTOからの脱退を表明したのです。我が国はまだWTO加盟を崩していませんが、中共を排除した自由貿易機関としてTPPをすでに立ち上げています。

TPPに中共も参加したいようですし、それに賛成している国もあったようですが、現状を見ればやはり「中共外しのTPP」が良いようですね。
それゆえに英国がTPPへの参加を模索し始めたようです。太平洋とは関係のない英国が、TPPに加盟することは可能なのでしょうか?
ロシアは可能でしょうけど・・・

アメリカ・トランプ政権の中共に対する怒りは、知的財産権の侵害です。中共から留学生を大量にアメリカの大学に送り込み、また、高度技術企業に研究者などとして送り込み、その技術を盗み自国で生産する製品に利用するといった、おぞましい技術窃盗です。
これではアメリカ企業などが莫大な費用をかけて開発したものを、一銭も掛けずに入手する中共がアメリカを凌いでくることは当然でしょう。

それを突き崩すのに米中貿易不均衡が使われただけだと思います。アメリカから中共への輸出額が約1600億ドルと、中共からアメリカに輸出される額は約4500億ドルであれば、関税を掛ければアメリカが勝つと読んだのでしょう。

同時にトランプ政権はアメリカへの留学ビザを中共に関しては、より厳しくするということです。また研究機関などの中国人の採用も規制する意向だとか。

この処置は現在開発している新通信手段である「5G」の対中牽制にあるようです。
「5G」とはスマホなどの携帯電話周波数の「4G」の次に来る技術です。「4G」の100倍以上の容量を持つ技術ですが、ミリ波帯を使用するために送受信の回路は「より微細」にしなければならないでしょう。

中共へのプロセッサーチップの供給を止めたら中興通訊(ZTE)の工場が止まってしまいました。現在はZTEとアメリカ商務省の合意(預託金4億ドルを第三者口座に振り込むこと)がまもなく成立するそうですが、この事件で中共には集積回路の技術がそれほどないことが世界中にバレてしまいました。

そこでトランプ政権は「5G」の開発から中共外しは可能と判断したのではないでしょうか。
「5G」の研究開発は世界中でヒートしています。ですから他の国から中共へ技術が漏れる心配がありますが、我が国以外はセキュリティはしっかりしていると思います。
ですからそういう意味では、日本に対するセキュリティ強化(中国人外し)の圧力がトランプ政権からかかってくるかも知れませんね。

中共はLSIチップ自国製造が今後は必須となります。しかしそれには日本に頼るしかありません。そこで三菱電機に声を掛けた(恫喝も含んでいたのかも?)ようです。
三菱電機は今後のAIなどの技術協力を中共と行うそうですね・・・困ったものです。

トランプ大統領が「5G」の技術を中共から守りたいのは、この技術が今後の軍事技術になるからでしょう。無人機を制御するのが5Gになれば、今以上に高度な作戦が可能になります。

ステルス破りの戦闘技術も可能になるでしょう。ですからどうしても中共には5Gを渡したくない・・それが貿易戦争の理由だと思います。

我が国の5G技術開発で一番問題になるのが、需要喚起だそうです。
アメリカや中共では、まだインターネットの高速回線が普及していない地域もあるので、「5G」の市場はあるようですが、我が国は国土の隅々まで光回線が行き届いていますし、スマホのユーザーは「4G」で充分満足しております。
ですから「5G」を必要とするアプリケーションを何か考えないと売れないわけです。そしてそのアイディアがまだ出ていないのです。

「5G」が一般的に使われるであろうと思うのは自動運転です。しかし自動運転が一般化するのはまだ先の話でしょう。自動運転車が普及する見込みはまだ立っておりません。
GPSなどのサービスの拡充に使われるかも知れませんけど、それで自動車の売り上げが伸びるとは思えません。

NHKなども「5G」の脅威を受けてネット回線の視聴者からも料金を取ることを画策しています。すでに時代遅れになった課金システムを死守したいのでしょうね。

「5G」の技術は軍事用技術でもあります。つまり安全保障上の問題です。
そのことも念頭に置いて、「貿易戦争はお互いの首を絞めるだけだ」などと思わずに、米中経済戦争がどうなって行くかを注視しましょう。

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