2018年7月21日土曜日

アメリカは内向きか?

ロシア・プーチン大統領との会談を終えたトランプ大統領は、アメリカのマスコミ、そして共和党内部からも激しい攻撃を受けているようです。
米露関係に、まだ冷戦時代を持ち込む共和党右派。そしてロシアのエネルギーが奪えなかった「あの連中」のマスコミ操作での攻撃も激しくなっているように見受けられます。

イタリアとアドリア海を挟んだ対岸にある「モンテネグロ(旧ユーゴスラビアの一部)共和国」の防衛義務に対して、トランプ大統領がNATO加盟国に「アメリカは軍を出さない」とも取れる発言をしたことから、マケイン上院議員がツイッターで「モンテネグロを攻撃し、NATOにおける米国の義務に疑問を挟むことで、トランプ氏はプーチン氏の術中にはまっている」と批判しました。

モンテネグロは昨年6月にNATOに入った小さな国です。しかしNATOには「1加盟国へのいかなる攻撃も全体への攻撃とみなす」という決めがあって、もしモンテネグロがロシアの攻撃を受けた場合はNATO全体で対応しなければなりません。

モンテネグロがNATO加盟に動いた時、ロシアはそれに反発しました。
モンテネグロ軍は約1500人と小さい規模だと言うことですが、最も若い加盟国としてNATOの任務に積極的で、アフガニスタンでNATOが主導する治安部隊の訓練に20人を派遣しているそうです。
これをトランプ大統領は「モンテネグロには非常に好戦的な国民がおり、第三次大戦が起こる」とも述べたとか。

このようなやり取りを見ておりますと、ようするにトランプ大統領は「NATOの問題はNATO加盟国で解決しろ」と言いたいわけで、アメリカが介入する意味はないと言っているのでしょう。
それに対してマケイン上院議員などは、まだソビエトの時代の延長にこだわっているように見えます。

「モンテネグロを攻撃から守るため、なぜ私の息子が(米兵として)行かなければいけないのか」との有権者からの質問に、「おっしゃることは理解できる。私も同じ質問をしたことがある」とトランプ大統領は答えたとか。

しかしこれが「日本を中共の攻撃から守るため、なぜ私の息子が(米兵として)行かなければいけないのか」という質問に変えたら、トランプ大統領は何と答えるのでしょうか。気になるところです。
もしこの質問にもトランプ大統領が同じ答えを返すなら、「アメリカは内向きになった」といえるでしょうが・・・

しかしトランプ政権は、中共の世界征服の方は許す気は無いと思います。現在、太平洋覇権はアメリカにあります。そこを中共と二分する考えは無いでしょうし、アメリカから盗んだ技術でアメリカを恫喝することなど許すわけもありません。
ただ日本にも同等の「血を流してでも守る準備」は要求してくるでしょうけど。

アメリカはその国家意思として「5G」技術の対中姿勢を明確に示しています。中共などに「5G」の標準化をさせることはしないでしょう。
日本はアメリカの標準化に合わせて開発を進めるでしょうが、その日本から中共に技術が漏れることも警戒するでしょう。

「5G」は、今後のテレビやネットの利用方法を変え、軍事の作戦行動も変えてしまうほどの通信技術です。すでに中共はこの技術を、アメリカに留学した技術者によって開発を進めております。中共が標準化すればそれに合わせてLSIなどが作成可能になり、その上に組み立てられるソフトウエアも自由に作成できます。
そんなことをアメリカは許さないでしょう。
もし日本が対中技術防衛をしないなら、この5G開発から外されてしまうでしょう。将来、我々はアメリカから製品を買うだけの国になってしまうわけですし、完全なアメリカの従属国になります。

では、中共が独自開発できるかどうか、そこには5Gの市場がどこまで作れるかがポイントになるでしょう。
開発されたLSIはその利用が多いほどコストは安くなります。また、その上に構築されるソフトウエアは利用者が多いほど不具合が取れて完成度が高まります。
市場規模が小さいと、すべてがうまく行かないわけです。軍事用も同じです。そして軍事用は実戦経験も必要になります。すべてがかみ合って次の時代が出来ていきます。

それを十分承知のアメリカです。ですから対中貿易戦争が始まった訳ですね。そしてこの戦争が習政権を追い詰めているようです。

欧州はもう良いのです(自分たちでうまくやれ)。アメリカにとって太平洋の覇権を守ることの方が重要になってきているのでしょう。太平洋からユーラシア大陸へ・・・だから今、ロシアとの交渉が必要なのです。

アメリカの「西征(西部開拓)」は続いているようです。

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