我が国でワールドカップが注目されていたころ、タイのサッカー少年13名が鍾乳洞のトンネルの中で行方不明になりました。
メンバーの誰かの誕生祝を洞窟のなかでやろうという計画を実行したと言うことです。ところが時期は雨季、急に洞窟内の水かさが上がって閉じ込められてしまったようです。
家族からの通報を受けた当局は、すぐに操作を開始しましたがなかなか居場所が判りません。英国から来た潜水士が洞窟の奥に居た13名を発見したのは、閉じ込められてから10日ほど経ってからでした。
それから懸命の救出作戦が練られ、遂に7月10日、閉じ込められてから18日目に全員が救出されました。
タイの海軍特殊部隊が活躍したそうです。
この事件で考えるのは、洞窟内の暗闇の中で10日間も頑張った少年とサッカーチームのリーダーのことです。
誕生パーティーを行うつもりでしたから、少しのお菓子などは持っていたようです。それを10日間もたせて、排便の場所も一か所に決めて、洞窟内に滴り落ちる水を飲んでいたと言うことです。
しかし、よくパニックにならずに落ち着いて耐えたものです。最初に発見された時、「そこに全員居るのか?」との問いかけに「全員居ます」とはっきりと答え、しかもその人物に向かって「どこの国の人ですか」と尋ね、「英国から来た潜水夫だ」との答えにお礼を言う余裕もあったようです。
その精神力には驚かされました。
それからの救出作戦もかなり危険だったとか。救助隊の潜水夫が1名、亡くなっております。洞窟の距離を間違ったのか、空気ボンベが壊れたのか判りませんが、水で塞がった洞窟の途中で空気を失い溺れたということです。
このような犠牲者を出しながらも、それで得た情報で空気ボンベを事前にどこに配置して置けばいいのか、作戦は組み替えられ救出が成功したのでしょう。亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。
タイは仏教国で、キリスト教国に侵されておりません。そして日本の大乗仏教と違って、小乗仏教の国です。
最近は小乗仏教と言う言葉は使わず、「上座部仏教」というらしいのですが、スリランカ、ミャンマーを経て伝わった仏教だとか。
出家して厳しい修行をしている僧侶に対して、タイ国民の尊敬の念はかなり高いということです。
出家すると227もの戒律を守りながら生活することになるそうですが、この戒律の中に「喫煙の禁止」が含まれていないことから、タイの僧侶には喫煙をする人が居るそうです。
小乗仏教は出家して修行を終えると一般社会に戻り普通の生活となるそうで、大乗仏教のように専門の僧侶になる人は少ないとか。
タイの人々の生活にしみ込んだ仏教が、もしかしたらこのサッカー少年の心に浸透していて、それゆえに、このような試練に耐えることが出来たのかも知れません。
洞窟から救助された少年には、出家するかどうか迷っていた子も居たようで、これを契機に出家の決心がついたと述べる子も居りました。
このような宗教の影響に加えて、タイの軍隊の働きもしっかりしておりました。降雨の情報を聞きながら、洞窟の水位に注意して、水位が上がって来た時、それをポンプで吸い出して水位を押さえ、その上で時間を稼ぎながら正確な救出作業に専念したようです。
トランプ大統領は、「米国を代表し、タイの危険な洞窟から少年12人とコーチの救出に成功したタイ海軍特殊部隊や(関係者)全員におめでとう」とツイッターに書き込んだそうです。
英国のメイ首相は「(救出活動に)世界が注目していたし、かかわったすべての人の勇敢さに敬意を表する」と祝意を示したそうです。
このようなタイに対して我が国の豪雨災害では死者数が現時点で155人となってしまいました。日本の軍隊である自衛隊の懸命な救出にもかかわらず、被害者が増え続けております。
この大災害の原因はバックウオーター現象。川の本流の水位が上がることで、本流に流れ込むべき支流の水が、壁にぶつかるように流れを阻害され、行き場を失ってあふれ出す現象だそうです。
被害者の一人が、「ここまでの洪水は経験がない」と叫んだそうですが、この経験が今後我が国の災害対策に生かされるのかどうか、国民の命より無意味な増税に血走る財務省がある限り、計画が出来ても辞llぴ出来ない状態が出来て、このような災害が繰り返されることが懸念されます。
豪雨被災し無人となったコンビニの現金自動預払機(ATM)をこじ開けて現金を盗もうとした自称建設業の男と少年が逮捕されました。
男は「事実とは違う」と否認しているそうですが、我が日本国民のモラルも低下しているのでしょうか・・・
神道の劣化、軍事という危機対応思考の欠落・・これらが我が国全体を蝕んでいるような、そんな気がするのです。
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