2018年7月16日月曜日

領有権主張、フィリピン国民

中共と融和的態度を取り、中共の経済協力を取り付けているドゥテルテ大統領ですが、ついにフィリピン国民が「国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所の判断通り、南シナ海での領有権を『主張すべきだ』」と考え始めたようです。

フィリピンの世論調査機関パルス・アジアは、「ドゥテルテ政権は南シナ海の領有権を主張すべきか」という世論調査を行い、「主張すべき」が73%、「主張すべきでない」が7%という結果だったことを公表しました。

麻薬撲滅で、そのアジトを急襲し、射殺も辞さずに取り込んできたドゥテルテ大統領。そんな決断のドゥテルテ大統領だからこそ国民からの圧倒的支持を得られてきたのでしょう。

しかしこのドゥテルテ大統領は大のアメリカ嫌いでもあります。長期に渡るアメリカのフィリピン支配で辛酸をなめてきたフィリピン国民ですから、その心情はよく理解できます。
ドゥテルテ大統領が親中を見せるのは、このアメリカ嫌いの心情が大きくかかわっていると思われます。

それでもフィリピン国民は、世界的な流れとして「中共の陰険な横暴」を許さないという見方が増えてきたことを感じているのでしょう。
しかも南シナ海の中共による領有権主張に関して異議を唱えたフィリピンの訴えに、国際仲裁裁判所から「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」という判決で勝訴しております。

裁判に勝訴しても、国際紛争は軍事力が無ければ相手を判決に従わせることは出来ません。世界の警察官はオバマ政権で引退してしまったわけですからね。
ドゥテルテ大統領は、「戦争は選択肢にない」として中共側におもねる態度を示したのです。
フィリピンは貧しく、軍事的装備では中共に負けておりますから仕方のないことかも知れません。

当然中共はこのような弱いところから攻めてきます。我が国も日米同盟が無かったらすぐに攻め込まれます。それを待っているのが日本のサヨク・野党とマスコミなのです。

このような事をフィリピン国民は知っております。華僑などのやり口で、華人には法の遵守とか、商いの継続性、公共の為の支出などの概念がまったく無いことも知り抜いているのでしょう。
そしてただ「大きい事」が大事であり、大きい事が正義であり、大きいモノに従うのが人間の正しいあり方・・という華人の感覚を軽蔑しているのでしょうね。

トランプ政権はアメリカのために対中貿易に関税を掛け、アメリカ産業の復活を画策します。アメリカに対し貿易不均衡を何とも思っていない中共は、自国の不自由貿易は棚に上げて自由貿易を訴え報復関税を掛けるわけです。(WTOは機能しません。守る気など無いですから)

しかしその中共で習近平主席の周囲から、その統治手法に不満が噴出しているそうです。アメリカの対中攻勢に手を焼く習氏の求心力に陰りが出ている可能性もあるそうですね。

FRBがこの貿易戦争に「アメリカ経済に悪影響がある」と言ったり、中共側が「この貿易戦争はアメリカ側が仕掛けた」と言ったりしていますが、高度技術を盗む中共の「盗賊経済」を如何に止めさせるか、その道筋が見つかるまではこのトランプ手法しか方法は無いように思います。

軍事力の格差は現時点ではアメリカが圧倒的で、いくら空母などを作りF35の模造機を作っても中共がアメリカと実戦を交える準備は出来ておりません。
それを知っているアメリカが「台湾」に対して「台湾旅行法」を作り、台湾に事実上の「大使館」を設置し、大陸との間の台湾海峡にアメリカ艦船をパトロールさせたわけです。

このアメリカの軍事的挑発に対して中共は何も手出しをしませんでした。口ではいろいろ言っておりますけど。アメリカは中共の現実を世界に見せようとしているようですね。

このような習政権の対応に、アジア各国が少し反中になってきていることは否めないでしょう。
フィリピン国民にもそのことが確実に伝わっているのだと思います。ですから南シナ海での領有権を「主張すべき」という方に国民の支持が73%にも上ったのでしょう。

まだトランプ政権がどこまで本気かはアジア各国とも判断をしかねておりますが、この影響が中共国内にも伸びていて、それゆえに習政権の求心力の低下になっているように思います。
中共は習政権が倒れても「易姓革命」ですから共産主義王朝は変わらないでしょう。「台湾は一つの中国」というスローガンがどうなるか、それによってチベットやウイグルも独立機運が高まると思います。

北朝鮮の金正恩政権は、米朝会談以降アメリカを舐め切っています。アメリカの攻撃さえなければ、金政権は安泰だとでも考えているのでしょうか。
しかしまだ金正恩氏の世界各国にある銀行口座は封鎖されたままなんでしょうに。

トランプ大統領はプーチン大統領とヘルシンキで会談をします。まだその結果は報道されていませんが、リビア、イラン、中共、北朝鮮、ドイツ、ウクライナなど話さなければならないことが山積しております。
そしてその結果で、新たな世界の枠組みの方向性が見えてくるような気がします。中共の馬鹿げた拡大に終止符が打たれるような、そんな会談になって欲しいですね。

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