2011年3月20日日曜日

日本の原発、優れた技術も・・

未曾有の震災。マグニチュード9.0、間髪を居れずにやってきた大津波は、チリ震災の教訓をはるかに超える15mの高さ。
日本が培ってきた沸騰水型原子力発電の安全技術をあざ笑うように蹴散らしました。

このような震災があることも想定すれば、さらに堅固な原発を建造することは可能でしょう。
しかし、今回の地震で湧き上がる恐怖と不信は、もはや原発の容認をすることはないでしょう。現在、何の問題もなく活動している多くの原子力発電所も、やがてその火をけすことになるのはどうしようもないのかも知れませんね。
私は再開を望む者ですが、国民に根付いた不振の闇はどうすることも出来ないかも知れません。

我が国では、40%に近い電気が原発によって作られていました。即ち電気は、原発によって現在の価格が決定されていたことも事実です。
現在維持している電気も原発で発電した電気が多く含まれているはず。節電してもしなくても、その電気を使っているわけです。
今は有効な節電の呼びかけも、いつまでも持つことはないはず。60%台の発電量に落ち込む電気は、いやでも電気代を引き上げざるを得ないでしょう。
そして価格は現在の2倍。今後原油の大幅値上がりが予想されますので、その後2.5倍くらいは覚悟しておいた方がいいでしょう。

石油からガソリンを精製し、それを自動車に供給しますが、それにも多くの電気が必要になります。それにともなって、同じ比率で揮発油税も上がりますから、ガソリンは3倍ほどの値上がりが予想されるのではないでしょうか。
電気は火力だけでなく、水力発電もありますし、石炭による火力発電も考えられますから、石油燃料よりも少しは安くなるのではないかという見込みなのですが。
原発は世界的規模で危険視される可能性がありますし、世界の油田の状況から見ても(即ち投機筋の動きを除外しても)値上がりは仕方の無いこと。

電気代が上がると、省エネ製品が遊離になります。最近安くなってきたLED電球などへの、蛍光灯などの切り替え需要も起きてくるのではないでしょうか?

多くのビルが、電気による空調を当たり前のごとく設計されています。しかしそれは過去の電気代を前提に考えられたもの。2倍以上に膨れ上がった電気代は、そこを住みにくくするでしょう。特に超高層マンションなどは、エレベータの電気代もばかにならないのでは?
何らかの方策か、建て直しが必要です。

皆様はアンモニアと窒素の吸熱反応を利用した冷房があるのをご存知でしょうか?
過去において「ガス冷蔵庫」として使われていた技術ですが、コンプレッサーを動かす電気代の安さに負けて市場から姿を消したものです。
新たにビル空調の技術として、太陽熱をアンモニア・窒素を遊離させる熱源として使う技術などが考えられるのではないでしょうか?
しかしそれでも太陽エネルギーを使えるのは昼だけ。夜は・・高層化して迷惑がられているビル風を、逆にビルの中に取り込み、夜間空調を考えることも可能ではないでしょうか?

石油経済に引導を渡そうとしていた原子力エネルギーが、3月11日の未曾有の震災によって先に引導を渡されてしまったようです。
とするならば、これまで電気の安さゆえに捨てられてきた多くの技術が息を吹き返すチャンスでもあるでしょう。

さらば原発、そして安い電気はもう無いと思った方がよさそうです。それゆえに捨てられた過去の技術をもう一度掘り起こし、創意と工夫がなされるならば、そこに日本人の新たなる挑戦を始めること、可能性は無限大なのです。

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