2011年3月11日金曜日

大林組、中共から撤退

日本の箱物行政はゼネコンを儲けさせるだけ、などといわれて公共投資が激減され、建設業は死活問題となってしまって中共に活路を見出そうと、規制が緩和されるとの情報を受けて平成15年に上海に支店を出し、上海万博の日本館建設に携わっていた日本の大手ゼネコン「大林組」です。

万博以外にも建設ラッシュの中共でした。だから何か他の大型物件でも確保しようと頑張ったようですが、依然として残る細かな外資への規制と、コロコロと変わる制度や技術の流出、合弁相手とのトラブルなどで、当初に目指した年間50億円規模の売り上げは、現実にはその半分にも満たなかったようです。(現実には、表に出ない金、即ち賄賂もそうとう使ったのではないでしょうか?)

最大の障害が、ライセンス制度。すべての工事が請け負える「特級」から、ビルの階数で制限した1~3級までの4段階の区分が設けられ、大規模ビルのほか、道路や鉄道などの大型案件を受注するには「特級」の取得が必要という規則が作られ、大林組は、28階以下の中型ビルしか建設できない「2級」しか取得できなかったということです。
さらに、現地法人の資本金の最大5倍までしか受注できないという制限もあり、大型案件からは、ほとんど弾き出された格好だったとか。

これらが重なって、技術は取られ売上げは伸びず、ついに撤退を余儀なくされたというお話。
このような例は他の業種にも及んでいるはず。何故か表に出ないのはマスコミが首根っこを押さえられているからで、何も知らない日本の企業がいくらでも騙されて行ってしまうということです。

さて、日本の建設業からはもう何も学ぶものがなければ、中共政府から理不尽なことを言われることなく帰国できるでしょうが、もしそうでないと何かと因縁をつけられて出国禁止となってしまうかも知れません。例えば「賄賂が発覚した」などという理由です。
現在の日本政府はまったく機能不全ですから、政府間交渉などというものは出来ないと思った方がいいでしょう。自力で脱出するか、つかまって理不尽な刑を受けるか、そこらへんが心配です。
中共で日本企業が煮え湯を飲まされたケースは、枚挙にいとまがないとのこと。トヨタなどが撤退しようとすると、車にクレームが付いて社員は犯罪者扱いとされ、出国禁止になるかもしれないという噂もあります。
大林組は大丈夫でしょうか?

無事中共から抜けられたら、それでも大林組は海外受注を続けるそうです。こんどはオーストラリアとかニュージーランドのオセアニア地方をターゲットに活動を強化するとか。
もちろんアメリカ合衆国とかシンガポールにも営業展開はしています。

撤退するのは中共だけ。これは如実に中共の批判とも受け取れますね。
中共に進出している他の日本企業の首脳陣は「当局は反政府デモを抑えようと躍起だが、民主化ドミノが中国に波及する可能性を考慮する時期にきている」という発言をしております。
今後、「中共からだけは撤退すべき!」ということが日本企業の常識になってくれるといいのですけど・・・

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