2018年10月4日木曜日

癌の治療と平和主義

我が国の研究者が2年ぶりにノーベル賞を受賞しました。がん免疫治療薬を研究した京都大特別教授の本庶佑(ほんじょ・たすく)氏(76歳)と、テキサス大学のジェームズ・アリソン博士の2名の共同受賞です。

癌については、昔から免疫力の低下が癌の発病をもたらすと言われておりました。そこでさまざまな免疫療法が研究されましたが、どれもこれと言った効果は得られず、癌の治療には免疫療法は使えないと言うことが半ば常識のようになっていたそうです。

本庶教授は、平成3年9月にある遺伝子の塩基配列を調べていたところ、何かわけのわからない配列を見つけました。大学院生の石田靖雅氏とともに「アポトーシス(細胞死)」を起こす遺伝子を調べていた時のことです。
この塩基配列に「PD-1(プログラムド・セル・デス-1)」と名付けて石田氏とともに論文を書き学会に発表しました。ですが2年後にこの配列は細胞死とは関係がないことが判り、この論文は否定されてしまいました。
しかし、本庶教授は直感的に「いや、何かある」と思い、その塩基配列の研究を続けます。

その後の研究で本庶教授は「その構造から、細胞内にシグナルを送る分子らしいことは分かったが、何をしているのか分からなかった」と、振り返って述べております。
そしてこの塩基配列を持つマウスを作り、更なる実験を続けます。しかしこの塩基配列を作っても、なかなかマウスには普通の時と違う症状は現れなかったそうです。

それでも本庶教授は、「大した役割は担っていない遺伝子なのかもしれない。だけど、この遺伝子はマウスでも人間でも存在する。重要なものは(進化の過程で)よく保存されているので、何かあるんじゃないかと感じた」との直感があったそうです。

そこでマウスの系列を変えて実験したところ、免疫反応が弱まるという現象が現れたそうです。
癌の免疫療法が失敗してきたのは、癌細胞が免疫力を弱めてしまうためで、外部から免疫力を強めても効果がないことは判っていました。
そこでこの塩基配列を施したマウスに癌を移植し、その後この配列を取る実験をしたところ、みるみる癌細胞は縮小し癌の増殖が遅れることが分かったということです。免疫力が復活したからでしょうね。

その後、このPDー1が癌細胞で作られて、免疫力を落しているのだろうという判断から、このPD-1を抑える抗体を投与するマウス実験を行ったところ、癌を発病したマウスの、がんの増殖が抑えられることが分って、治療に使えると確信したそうです。

そしてアメリカの製薬会社ブリストル・マイヤーズスクイブと小野薬品工業(大阪)との共同開発で「オプジーボ」の商品名で癌治療薬が発表されたということです。平成26年のことで、PD-1発見から20年が過ぎていました。

本庶教授の免疫療法の着眼点は、これまでの免疫力を高めるという方法ではなく、癌細胞による免疫力抑止の解除だったと言います。
そして発見した塩基配列こそが、癌細胞が作り出す免疫力低下の配列であったことが新薬開発の糸口だったと言う訳です。

癌に対する薬には特効薬的なものはなく、それぞれの症状によって使い分けなければならないそうです。ですからこのオプジーポも使い方が難しいらしく、糖尿病などを持つ患者さんにはかなりひどい副作用も出てくるとか。(免疫力が高まるということは、アレルギー反応も強くなることですからね)

それでも末期癌と言われていた肺癌の患者さんに投与すると効果が表れ、治癒する可能性も高くなったとか。臨床医はオプジーボの使い方、つまり他の薬剤との併用、投薬のタイミングなどを調べ、次第に治癒する確立が高くなり、様々な癌に対する適応性も調べられているそうです。

病院関係者の話では、オプジーボが出来てから癌治療の現場が変わったと言います。臨床医は様々な癌に効果があるかどうかを試し、末期の癌患者さんも希望を持って治療に専念するようになったとか。
このように希望が出るということが、この新薬の一番の要素だったのかも知れません。

さて、よく国家の免疫力が軍隊であると言います。外敵から守るという意味では同じなのですね。そして我が国の憲法はこの免疫力を落すことが目的になっております。
つまりPD-1と同じような構造が憲法に書かれてしまったからです。日本国憲法のどこを見ても、「外部侵略から守るための軍隊の使用」について書かれているところはありません。
現在の防衛は、「それは自然権である」という、免疫と同じ発想で自衛隊が組織されています。

護憲派と言われる、現状の日本国憲法を守ろうという人たちは、この免疫力を無くすことが平和になることと声高に話します。なぜでしょうか?
癌の例で解るように、免疫力を低下させて癌細胞が大きくなるわけですから、軍を無くすことは有機体としての国家を死へ追いやることになります。
結局、護憲派とは、我が国を滅亡に追いやる手段として「平和主義」を使っているわけです。

この免疫力低下を使って、中共の侵略が行われています。まるで癌細胞のような侵略手法ですね。
軍事力の弱い東南アジアの国々、アフリカ新興国、そして免疫力を放棄した我が国へと、その侵略の細胞を注入していきます。
その後どうなるかは、チベットやウイグルを見居ればお解りの通りです。中華思想の奴隷、それよりもひどい臓器提供のための家畜化としていきます。

このような癌細胞を放置しておくわけにはいきません。
日本国憲法の中にあるPD-1は第9条でしょう。そしてここに3項を追加することが、免疫力回復のきっかけとなる・・というのが今回の改憲の肝になるわけです。

野党も応援した石破茂氏の「第9条2項の廃棄」は理想でしょう。しかし急激な改憲は免疫力が強くなりすぎアレルギー疾患が表出する恐れもあります。

日本全国に転移した中共という癌細胞。この治癒には、免疫治療しかないように思います・・・

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