2018年10月1日月曜日

中共、王毅外相の反論

国連総会でのトランプ大統領の中共非難に対して、中共側の王毅外相が同じ国連総会で反論しました。
「中共は恐喝を受け入れず、圧力に屈しない」というもので、トランプ大統領の発言を圧力としてとらえ、アメリカの対中通商制裁を理不尽で一方的なものとして中共を被害者の立場にしたような発言です。

王毅外相はキッシンジャー氏と密かに合って、「あなたがアメリカの対中政策を変えたのですか?」と尋ねたそうです。キッシンジャー氏は「私はそれと反対のことを言った。しかしアメリカは対中政策を変えた」と答えたそうです。

この米中経済戦争は、アメリカにとっては経済問題ではなく安全保障の問題なのです。そして当然安全保障は経済問題よりも優先順位が高いわけです。ここが判らないと今後のアメリカ・トランプ政権の動きが判らないでしょう。

まだ中共側は貿易摩擦として対米関係を考えているようです。ですから王毅外相は「保護主義は自国を傷つけ、一方的な行動は各国にも被害を与える」などと経済問題として捉えています。
「中国は正当な自国の権益を守るだけでなく、自由貿易体制や国際秩序を支持していく」などと、自分の国がどんな卑怯な貿易をしているかを棚に上げて、勝手なことを述べています。

さらに王毅外相は、「関係が緊密になると、利害がより複雑に絡み合うようになってくる。さまざまな疑惑や、摩擦さえも起きる可能性がある」と述べ、貿易摩擦は「驚くことではない」などと述べています。
しかし、貿易摩擦ならウイグル問題などは提起しないのではないでしょうか。
王毅外相の発言は、何とか貿易摩擦というレベルで抑えたいという中共政府の意向が含まれていると思います。

アメリカの関税策に対抗するために、GMの乗用車「ビュイック」「シボレー」「キャデラック」など332万台余りをGMとの合弁会社が無料回収・修理すると発表しました。
クレームは「ハンドル操作を前輪に伝える機構の一部に欠陥があり、最悪の場合は車がコントロールできなくなる」とのことで「消費者の訴えを基に管理総局が調査、評価した」と説明していますが、アメリカを走る同型車はどうなのでしょうか?
やはりこれは貿易戦争の一部で、的の外れた嫌がらせだと思います。

トランプ政権は米中戦争をどう戦うか、かなり熟考したのではないでしょうか。就任1年目で中共・習政権と向かい合ったトランプ大統領は、習主席、及び中共政府が誠意ある政権ではなく、アメリカを騙し、お金や技術を奪取し、その上でアメリカのドル覇権に対抗してくることを見て取ったのでしょう。
この時すでに安倍首相からかなりのレクチャーを受けていたと思います。地球を俯瞰する安倍外交に同期して中共包囲網を作って行ったトランプ外交は、ここに来て対中戦略を「兵糧攻め」に絞ったように思います。

この手法でメキシコは汚職まみれの政権が倒れ、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール氏が選ばれました。国境に壁を作ると言ったトランプ大統領の対メキシコへの兵糧攻めの結果、この新大統領が選ばれたようです。
もちろんロペス・オブラドール氏がいつ麻薬組織に暗殺されるか判らないといった危険もありますが・・・

北朝鮮との話し合いがとりあえず成功したのも、経済封鎖という兵糧攻めでした。また、イランに対する制裁もイラン産原油の全面輸出入阻止であり、これも兵糧攻めなのだそうです。

トランプ大統領のもつ基本的価値観は、「国家は企業の僕(しもべ)ではない」というものです。ですから反グローバルなのです。
企業の活動は、属する国家の規範の中に含まれなければならない・・と言うことで、それを認めなければ無政府状態の企業活動になってしまうという危機感で、「常識に戻そう」というトランプ大統領の提案だと思います。

そしてもし世界がこのような無政府状態に陥れば、そこで中共の暴力的治安維持の出番となり、共産党独裁を世界に普及する口実が出来ると言う訳です。そしてそのための巨大な軍事力の建設であり、共産党下での「電子マネー」と言う訳です。
これにノーを突きつけたのが安倍首相の「法による支配」であり、この場合の法とは「主権国家の法と主権国家同士(複数)の間に締結された条約」のことになります。

中共の覇権主義には国境意識が無いという特徴があります。「そこは昔から中国の領土だった」と言えば、その後の歴史などは無視できるという考え方です。対する国家主義は「主権国家」が重要になります。法とは主権国家が作るもので、その国が民主国家であれば「法」も客観的に出来ているのだろうと考えるわけです。(独裁の都合で作らた法ではないだろうと言うことです)

主権国家の上位機能として、各種条約があるわけです。トランプ大統領は2国間条約を重視し、安倍首相は多国間条約を重視するわけです。ここが日米のこれからの対立点かも知れません。しかしどちらも国家主義です。多国間条約はブロック経済圏になる危険があり、2国間条約だと利害関係が複雑にもつれていく危険があります。

サヨク・リベラルは一度無政府状態にして作り直す構想を建てます。国境を低くしてやがて無くし、平等な人類社会を作ろうなどと夢想します。70年を経て腐りきってしまった国連で、人権だの平等だのと都合よく解釈した言葉を使って、主権国家を揺さぶります。それが慰安婦問題でありLGBTなどの活動だと思います。
そして中共に利用され続けます。

しかし具体的な戦略は立てられません。無理やり立てれば現在の中共と同じになり、振り返ればナチスドイツと同じ行動になる危険を感じるからでしょう。

中共の目指す「鎖国主義+侵略的自由貿易主義」は、今後幾らきれいごとを並べても、世界征服主義にしかならないでしょう。
このことを訴え、AIIBという高利貸に注意するよう世界に警告しましょう。
そして兵糧攻めの結果、中共の一党独裁が負けを認めずに爆発する場合に備えましょう・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿