2010年11月21日日曜日

中共の巻き返し、レアアースとノーベル平和賞

尖閣列島事件で、アメリカ優位をもたらしてしまった中共。こんどは巻き返しに出てきました。
使うネタは「レアアース」と「ノーベル平和賞授賞式欠席の圧力」。
我々も良く見て、国際政治というものの本質を勉強しましょう。

日米が「レアアースの中共依存度を低めよう!」と協調しても、所詮は経済行為です。安くて安定した供給先である中共を無視は出来ません。
この数年、日本の需要が急激の伸びていることを考えても安定供給先を中共以外にすぐに見つけることは出来ません。
そこで中共政府は強気に出ます。

やり方はレアアースだけでなく、その他の希少金属であるタングステン、アンチモン、モリブデンなども、わざわざ「戦略性鉱物」と名づけ、すべての輸出入を国家管理にするというもの。
金儲けに予断のない中国人は、儲かるとなると勝手に採掘し密輸をしてしまう性質があり、放置すれば戦略的な使い方が出来なくなります。
官憲にばれても、そこは賄賂で潜り抜け、私腹を肥やすことが賢いやり方・・それが常識になっている中共です。
そこで刑法を重くして死刑も含む厳罰を持って望むということでしょう。それゆえの国家管理。
自由経済ですと、需要と供給のバランスで自然に抑制がかかり、リサイクルも活性化しますし、需要も価格によって抑えられてきます。
しかし中共はそんなことは微塵も考えません。価格は国家統制、そして中共に利する国家には安定供給を約束し、敵対する国家には値段よりも政治で圧力をかけること・・・それをあくまでも賢いやり方と思っています。
ポール・クルーグマン教授がいうところの「ならずもの国家」という表現が、自由世界から中共を見たときピッタリくる表現となる所以ですね。

日米は、今後開発されるであろう「小型軽量高電気密度のリチュウムイオン電池」に関する開発情報を、「戦略性技術」とでも名づけて「非民主国家への情報漏えいした者とか企業」には厳罰を持って望むような法整備をしたほうがいいのではないでしょうか?

さて、中共の巻き返し第二弾は、劉暁波氏へのノーベル平和賞授賞式への出席をボイコットするように各国へ依頼した件で、7カ国がそれを受けたということです。(まだ増えるかも知れませんが)
ボイコットを表明したのは中共、ロシア、カザフスタン、キューバ、モロッコ、イラクの6カ国に加えてインドネシアが欠席を表明してしまいました。
ちなみに我が国は、菅政権の中で唯一中共が嫌う前原外務大臣が「ノーベル平和賞は大切な賞だ。(授賞式には)大使が毎回出席している」と述べて出席を表明しましたし、牧野聖修衆院議員が招待され出席する意向だとか。

中共への依存度が高い国はしかたないのですが、インドネシアは札束でほっぺをひっぱたかれたようなもの。
呉邦国全国人民代表大会常務委員長が11月、ジャカルタを訪れて60億ドル(約5千億円)のインフラ支援を約束したばかり。
インドネシアのマルティ外相は、「12月9、10日はバリ島で別の会議があり『駐ノルウェー大使はそれに出席しなければならない』」と説明していますが、どう考えても圧力に屈したとしか見えません。
むしろ「バリ島での会議」を抜けてでも参加を表明し、60億ドル(約5千億円)を棒に振ったことを世界に表明したほうが良かったのではないでしょうか?
そうすれば、アメリカがそのお金はドル札を刷ってくれたようにも思うのですけど。

だいたいこの中共のやり方そのものが、賄賂を良しとする体質に見えて仕方ありません。
レアアースの国家管理体制など、本当にうまく行くのでしょうか?

0 件のコメント:

コメントを投稿