2010年11月11日木曜日

海上保安庁の保安官がネット流出の犯人

尖閣列島事件で、インターネットへのビデオ公開を行った犯人が名乗り出ました。
仙谷由人官房長官は、厳しい表情でその保安官の上司にあたる海上保安庁の鈴木久泰長官の監督責任を追求、「独立性、自立性に応じた責任は当然出てくる。強制力を持った執行部門は、それなりの強い権限がある代わりに強く重い責任を負う」と述べたとか。

まったく中共の船長の犯罪に対しては「怪我人が出なかったのだから」釈放で、多くの国民が望んだビデオ公開を行った保安官には上司ともども責任を追及するなど、本末転倒の権力行使が行われています。
こんなことでは身内の汚職もはっきりさせられないのは当然でしょう。

さてこの一連の事件、どこかに相似的なものがありましたね。
いやでも2.26事件を彷彿とさせませんか? 鳩山全首相も「これは倒閣のクーデターだ!」と叫んだようですから・・・
犯人に対する「激励」とか「酌量」の訴えなどのあることなども似ています。

昭和11年(1936年)2月26日、青年将校らが1483名の兵を率い、「昭和維新断行・尊皇討奸」を掲げて起こしたクーデター未遂事件です。
この時は日本国民は皆「必死」でした。大恐慌の煽りで長引く不況。政治家があいまいで腑抜けだと思われていました。(もちろん今の政治家より、国家感をもっていましたが)
明治維新の気概を取り戻そうと立ち上がった青年将校たち。しかし昭和天皇はこれをお認めになりませんでした。

平成維新と言われる昨今、日本は武装解除されたまま60余年、国民には明確な国家感も軍隊に対する尊敬も無くしています。しかし、きたない政治に対する身勝手な潔癖主義は振りかざします。そこがこの時代と共通するところ。
たしかに自衛隊の人たち、海上保安庁(国境警備隊に該当)の人たちは、政治家と比べれば潔癖でしょう。そしてさらにまずいのは現在の与党に売国政治家がいるということです。
これは2・26事件の時にはなかったものです。あるジャーナリストは中共の役人に「確かに中共の政治には問題が多いことは確かだ。しかしそれでも日本のような売国政治家は一人もいない!」とののしられたそうです。
中共ですらこうなのですから、他の国から見れば今の日本の一部政治家の売国ぶりは目に余るものがあるのではないでしょうか?

今回の海上保安官の取ったビデオ流出の行為は、国家公務員法(守秘義務)違反となるでしょう。しかしこの保安官には「利益誘導」の目的は一切なかったのではないでしょうか?
この海上保安官、正義感の強い人とのことです。
そうだとすれば、目的は国民の知る権利を行使すること。どちらかと言うと愛国心から行った行為となるのではないでしょうか?
であれば、愛国者を売国者が裁くという末期的症状が始まるわけですね。今回はどこまで国民の意思が反映されるでしょうか? 仙谷長官は「大半の国民は犯罪者を処罰すべきだと思っている」と述べました。その真偽を明確にするには、解散総選挙しかないのですけどね。
2・26事件の始末のように銃殺刑とまでは行かなくても、厳罰であればあるほど政府に対する国民のいきどおりは高まるはずです。
民主党の支持率がどうなるか、そこが注目点になります。
これをきっかけに、野党はどうやって解散総選挙も持ち込むか、次は無いことを良くご承知の民主党はあと3年頑張るのかどうか。

早期解散ならば、まだ民主党に分があります。野党にはまだこの事件(尖閣列島事件そのもの)に見る国民の怒りをキャッチアップする準備の出来た政党が無いからです。そしてまだ民主党には国家感のある保守系議員も存在しています。
しかしあと3年も経てば、彼らは民主党から離れるかも知れません。保守論壇からは再軍備を示唆する政党が出てくる可能性も高いのではないでしょうか?

2・26事件のクーデターは失敗に終わりました。しかしその後、日本では軍部の発言権が非常に強くなり、やがて大東亜戦争に巻き込まれて行った前例があります。
良くも悪くも、2・26事件は日本の命運を変えた事件でした。

今回の尖閣列島ビデオ流出事件の顛末は、おそらく同じように日本の命運を変えていくでしょう。経済一辺倒な国家感から、「強い日本」の国家感への変化が始まるのはいいことです。
「がんばれニッポン・国民運動」が行うデモの参加者が少しづつですが増加しています。この会長は元航空幕僚長の田母神氏です。
日本の安全保障で最初に行うべきことは、自衛隊の行動規範をポジティブ・リストからネガティブ・リストに変えること。この会長は真剣に考えていますね。

世界情勢は中共とロシアが手を組んだり、北朝鮮が中共の属国化したり、奇妙な連合を作り上げています。
日米同盟は機能するのかしないのか、そのアメリカはロシアを中共から引き離そうと必死です。
その意味が判っているのかいないのか、ロシアのメドベージェフ大統領の軽さが目立ちます。その裏でじっと見つめるプーチン氏の、冷徹な眼が光ります。
我が国は前回の大戦の轍を踏まないように、しっかりと保守政治を取り戻し、中共・ロシア・北朝鮮との外交戦をどのように仕切っていくか、そしてアメリカとの同盟を基軸にしたアジア諸国との友好と安全保障をどのように確立していくか、国家目標を明確にしなければならないのですが・・・

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