2010年9月27日月曜日

対中共17日戦争、日本の敗北・・・しかし

中共の圧力に対し屈服した日本。その背景にはアメリカからの誘導もあったのかも知れませんが。
しかし、これをきっかけに反中華の警戒感も高まっているようです。

隣の韓国は中共に対する強い警戒感をあらわにし、日本の“屈服外交”を反面教師として、今後の外交政策に生かそうと述べています。
また、中共がレアアース(希土類)の対日輸出措置を取ろうとしたことについても、「中共が輸出を制限する“資源武器化”戦略を取り、産業界も尻に火がついた」とし、今回の事態は「他人事ではない」と警戒を強めているようです。(中共側は、禁輸出の指示などしていないと否定していますが)
韓国も東シナ海にある離於島をめぐり、領土問題で中共とやりあっていますから、日本の今回の問題も他人事ではないようです。

インドでも「日本は中国に屈した」との見方が広がっているようです。
ネパールを挟みながらも長い国境で中共と接しているインド。当然国境紛争は耐えません。
今回の事件をきっかけに改めて“中国脅威論”が浮上しているようですね。
船長が逮捕されたことに対する中共の反応が、あまりにも常軌を逸しており、「狂乱に近い」と表現しています。
そして「将来の大国(中国)の成熟度は、急成長する力とは反比例しているとの感触をさらに強くさせた」と論評しています。(ヒンドゥスタン・タイムズ紙)
その上で、「インドの国益も脅かされかねない」との認識が改めて明確になったと指摘し、「日本やその周辺国と連携して、中共を除いて、個々の地域的な政策を全体の政策に発展させることが、インドにとっても長期的な利益につながる」と、まさに麻生政権で言われていた「自由と繁栄の弧」を彷彿とさせる論評がなされました。

東南アジア諸国連合(ASEAN)各国も、「中共政府の強い圧力で釈放を決めた」と受け止めたようです。「アジア地域の他の国々に隣の大国(中共のこと)を、いい加減に扱ってはならないという警告にもなった」と延べました。
南沙諸島で中共と対峙するフィリピンの有力紙マニラ・タイムズは、「一昨年の金融危機以降、経済での発言力をつけた中共は、とみに傲慢になった」と述べました。
そしてシンガポールのリー・シェンロン首相の「アジアは中共がすべてではない」という言葉をもって、オバマ米政権が東南アジアへの関与を強める姿勢を示したことは歓迎すべきこと、と論評しています。
その上で2002年になされた「南シナ海の関係諸国行動宣言」に基づく交渉の実現を、今後、米国の支持を受けつつ中共に働きかけていく構えを見せています。

日本の敗北によって、アジア全体に対中共の脅威が明確になったことはよかったのですが、当の日本はまだまだ異常な状態が続きます。
まず中共の犯罪者を処分保留のまま帰したことについて、外務報道官の説明は、
1.尖閣諸島が、わが国固有の領土であることは疑いがなく、現に有効に支配。解決すべき領有権問題は存在しない。
2.事件は公務執行妨害事件として、わが国の法令に基づき厳正かつ粛々と対応。
3.中共側の謝罪や賠償の要求は根拠がなく、全く受け入れられない。
4.日中両国は大局的な立場に立って戦略的互恵関係の充実を図っていくことが重要。
などとなっています。
これで日本国民は納得するでしょうか?
与那国町漁業協同組合の中島勝治組合長(44)は、帰国する船長と日本政府の対応に「怒りを通り越して気絶しそうだ」と憤慨していますし、「中共側に拿捕(だほ)されるかもしれないと思うと、近くに漁に行けない」と切実な思いを述べています。

もし菅首相が「今回の処置は正しく、国民も理解していると思う」と述べたとしたら、本当に国民が理解しているかどうかは「解散・総選挙」によらなければ解らないと言いたいですね。
しかし対峙する自民党でも、谷垣禎一総裁は「騒いで得をするのは中共で、問題を深刻化させないことが一番大事だ。直ちに国外退去させた方が良かった。最初の選択が間違っていた」などと述べています。
彼もまた「事なかれ主義」の腑抜け外交を示唆しているようにも見えます。

日本の首相として言うべきことは、「尖閣列島で衝突事故だか何かがあって、中共の漁船の船長をとっつかまえて調べだしたら、中共政府が常軌を逸した反応を示した。これは尖閣列島海域に対してよからぬ考えをもっているからだ。いくら自国の領土だと息巻いてみても、国際社会はそれを認めていないことを知っているからだろう!」と語ればいいのです。そして「船長を帰したことでがたがたいうことはない。尖閣列島は現在もわが国の領土であり、これからもそうだ。日米安全保障の範囲内にあることは、今回のことではっきりした! 今後はこの領土の防衛をどうやるかという議論だけだ」と、毅然と言えばいいだけではないでしょうか? そうすれば「腰抜け外交」だとか「屈服日本」などと言われないのでは?

中華人民共和国とは、外交的には常にやり合っていないといけない日本の立場が判っていれば、こういう発言はすんなりとでてくるものです。
中共側は判っているようですが、日本側は昨今の対応を見る限り判っていないようです。
日本海を挟んで日本と対峙する韓国及び中共。日本海の争奪戦が国境紛争であることをもっと認識すべきではないでしょうか?(そこに地下資源が絡めば、もっと紛糾するのは当たり前ですね)

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