2015年2月16日月曜日

習主席のインチキ「反腐敗」

習近平国家主席が主導する反腐敗運動が3年目に入るそうです。党幹部や官僚ら政府関係者、大企業のトップなどにも及ぶ綱紀粛正の号令は、大物財界人の劉漢・死刑囚の死刑執行、中国民政銀行の頭取の逮捕などで対象が広がる気配を見せております。(産経より)

中共を見ている世界のメディアは、この反腐敗運動が「クリーン(清潔)な政府の永続モデル」なのか、あるいは、「政治権力闘争の兵器なのか」というどちらなのか・・に関心が集まっています。

英紙フィナンシャル・タイムズは、「兵器に過ぎない」との見方のようです。なぜなら週主席の反腐敗活動は、習氏の政敵の排除が目的であって、外国との関係で発生している汚職にはなんら手を打っていないからです。

国境をまたいで横行する中国人の集団による違法行為には無頓着で、多数の中共漁船による日本や韓国海域での違法操業問題は放置されたままです。
またアメリカのメディアは、ミャンマーで中国人による森林の違法伐採疑惑が表面化したことを告げております。
伐採用の重機のほか、興奮剤やアヘン、人民元を積んだトラックがミャンマー軍によって1月5日に押収され、カチン州南部の現地では、中国人が地方政府や武装勢力に「賄賂」を渡して、伐採を見逃してもらうように働きかけていたとの証言もあるそうです。しかし習政権は何もしません。

そして官僚の腐敗で頻繁に起きているデモなど民主化運動に対する取り締まりに対して、習政権は厳しくその監視の目を向けているようですね。
中共の政治指導者の個人資産の情報公開を求める小規模なデモを行った政治運動家が「群衆を集めて公共の秩序を乱した」との容疑がかけられ、すでに同様の要求をした活動家数十人には、複数年の懲役刑が下されていると言うことです。

ドイツに本部があって、汚職・腐敗防止への世界的な啓発活動を続ける非政府組織(NGO)トランスペアレンシー・インターナショナルによりますと、現在の中共のランクは75位だそうです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%85%90%E6%95%97%E8%AA%8D%E8%AD%98%E6%8C%87%E6%95%B0

ここで日本はドイツと並んで14位です。一位はニュージーランドで、アメリカは24位と言うことです。
どういう基準で採点しているのかは知りませんが、あれだけ腐敗撲滅に3年間も取り組んできた割には中共のランクはあまり変わっていないとか。

もっとも、腐敗が少ないだけで国家の評価を下すのもおかしなことですね。その政府が国民の為にどれほど善政を行っているかこそが「評価」される必要があるのではないでしょうか。
どんなに不正や汚職が無くても、それをもたらしているものが軍事政権であったり、独裁的な恐怖政治であれば何の意味もないはずです。

「チャンネル桜」の討論で、西川京子前衆議院議員が述べていました「エンゲルベルト・ケンペルの日本に対する評価」の話などは、まさにこのことを述べているのではないでしょうか。

エンゲルベルト・ケンペルという人はドイツ人の医者で、1690年頃に日本にやってきて、初めて欧州に日本を体系的に紹介した人です。その日本に関する著述は「日本誌」という本にまとめられ、以降欧米はこの本から日本を学んだとか。

例えば「日本には、聖職的皇帝(=天皇)と世俗的皇帝(=将軍)の『二人の支配者』がいる」などと言う書き方になっているそうで、「仁と慈悲の政治をしている国」として、非常に好意的に紹介しているそうです。

この時代の徳川将軍は綱吉です。徳川の御代も5代目となって、資金は底をつき、統治はうまく行かず、よせばいいのに異常なまでの動物愛護精神で「犬公方」とまで言われた将軍でした。
この後2代将軍とも続いて短命な政権が続き、精錬潔癖なはずの徳川軍事政権も官僚主義に走り、地に落ちた感がぬぐえず、庶民の不満は爆発寸前、その中で起きた事件があの「忠臣蔵」だったのです。

そんな日本を見てもケンペルスは、非常に高く日本の政治体制を評価し、特に鎖国政策を褒め称えます。
それは当時の欧州が、そんな日本程度ではないほど荒れ果て、疲弊していたと言うことでしょう。
(ドイツ三十年戦争、魔女狩りの横行など・・・)

産業革命以降、世界をリードしてきた欧州の哲学(キリスト教文化)が今、大きな壁にぶつかっています。そういう時代の中で、最後の産業革命をやり遂げた中共の焦りは、腐敗撲滅という恐怖政治に向かっているようです。

世界は、そういう中共か、それとも「日本誌」に描かれた理想国家を今も追求し続ける日本か、そういう選択の場となって行くかもしれませんね・・・

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