2016年7月27日水曜日

安倍首相対李首相、ASEM対決

フォリピンが提訴した国際仲裁裁判所は、「中共側が主張する歴史的な権利には法的根拠が無い」として、中共の管轄権が全面的に否定されました。

中共はこの判決には従わず、埋め立て犯罪を継続することを宣言し、自らを国際法に対する「アウトロー」宣言をしたわけです。確かに懲罰を施行することが出来なければ、判決は単なる紙屑です。
そしてその後中共は、現行の国際法を曲解し、中共こそが国際法を遵守していることを世界中に発信、60か国以上の中共支持国があることも発言しました。

もちろんその支持国が何処かは公表していませんが、聞くところによるとアフリカなどの新興国で中共が経済支援(ほどこし)をしている国家群のようです。
でもどう見ても60か国はないと言うことですが・・・

その後、はじめての国際会議・ASEM(アジア欧州会合)がモンゴルのウランバートルで行われました。日本からは安倍首相が出席され、中共からは李克強首相されました。
裁判所の裁定が出たのが7月12日、そしてこのASEMが開かれたのが7月14日から7月16日までの間でした。

ASEM(Asia-Europe Meeting)にはアジア側21か国、欧州側30か国が参加しております。その7月15日の会談で、安倍首相は中共に対して「(判決は)最終的なものであり、紛争当事国を法的に拘束する」と述べ、国際判断を遵守するよう中共側に求めました。
そして「法の支配は国際社会が堅持していかなければならない普遍的原則だ」として、「当事国が(仲裁裁判所の)判断に従うことで、南シナ海での紛争の平和的解決につながることを強く期待する」と正論を述べたのです。

これに対して李克強首相は、「中共側の立場は完全に国際法に符合している。日本は当事国ではなく、言行を慎み、問題を騒ぎ立てたり、干渉したりすべきでない」などと威嚇したそうです。
(中共の言う国際法は中共側が作る法であって、国際間の慣例から導き出された国際法ではないでしょうね。)
こうして安倍首相によって中共は「大国のメンツ」をつぶされたわけです。国際会議の場で非難されたわけですからね。

欧州各国は腰が引けております。その理由は、対日戦争に向けて軍備拡張を続ける中共は莫大な武器を欧州から購入しているからだと聞きます。
欧州にとって、国際法の正義などはどうでもよく、ともかく中共からお金を稼ぎたい一心なのです。ドイツなどは相当の近代兵器を中共に販売しているようですね。
それが中共の対日強硬発言につながっているようです。

一方、アメリカもまた腰が引けています。口先介入はまだ行っていますが、態度にはもう「日本切り捨て」が現れております。今後大統領が変われば、対中路線がどうなるかは判りません。特にヒラリークリントン政権になれば、中共の思いのままかも知れませんね。(クリントン家は中共マネーにどっぷりと・・・)

そのような状態の中で、安倍首相は明確に「法の支配」を打ち出しました。これはアメリカも、そして他の民主主義国家も反対は出来ません。自由主義にとって、法が支配することが正義の基本だからです。
つまり安倍首相に対して答えたことが、国際社会に向けて「アウトロー宣言」をしたと同じになったわけです。中共とアフリカ新興国群などと交わす国際条約を、中共の国際法にするとでも言うような態度ですね。

さて、同じ仲裁裁判所でも、ロシアはスイス・ローザンヌにあるスポーツ仲裁裁判所の判定の方でもめております。
組織的ドーピングにより国際陸連がロシア陸連を資格停止処分としたことに対し、これを不服としてロシアがスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴していた問題で、スポーツ仲裁裁判所は7月21日に、この不服申請を却下したからです。

これによってロシア陸連の選手はリオデジャネイロ五輪に出場できなくなってしまいそうです。
国際オリンピック委員会(IOC)は、この判定を受けて、まもなくロシア選手の参加の可否を判断するとしています。

我が国にとって、対中防衛の立場から考えると、ロシアとの友好関係は必須です。せっかく北方領土を「新しい考え方で解決を目指す」として棚上げして、中共を背後からも包囲しようという考えだった安倍首相ですが、このオリンピック問題で中共と同じアウトローになるかも知れないロシアをどうするか、頭の痛い問題です。

中共は、次のような準備をして、対日攻略に向けた民兵組織を強化しています。(ロイター通信社)
1) 南シナ海・海南島に根拠地を置く漁船団は、人民解放軍海軍の補助金を受け出港する。補助金を得る条件は、外国船舶の情報収集などに向けた軍事教練を受けること。軍事教練は各地の民兵を統括する人民武装部の地方支部が担任する。人民武装部の地方支部は地方政府=共産党の地方当局と人民解放軍の二重統制下に置かれる。
2) 軍事教練には参加費が支払われる他、船建造への助成金や燃料・水も人民解放軍海軍が供給する。特に、木製から体当たり攻撃を可能にする金属製への買い替えを、助成金を介して奨励している。
3) 5万隻の“漁船”にGPSシステムを提供し、人民解放軍海軍艦艇や尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領海に侵入を繰り返す海警巡視船と交信できる無線機も備え付けた。一部の“漁船”には小型武器が搭載されている。
4) 主権を守る『特別任務』が下令されれば、人民解放軍海軍や海警の指揮下に入る。

これに対する日本は、未だ憲法改正も出来ておりません。まだ「中共とは話し合いで・・」などと甘いことを言っているサヨクは何を見ているのでしょうか。
アウトロー国家にどう対処するか、もうそのような議論をしなければならないと思うのですけどね。
少なくとも、体当たりを受けてもビクともしない日本漁船を大量に作っていかなければ・・・

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