2015年12月23日水曜日

白人の支配は終焉するか

産経に石原慎太郎氏が「奢れる白人よ 君たちの世界支配はもう終わったのだ」というコラムを書いていました。白人の支配は終わるでしょうか?

石原氏は、毛沢東の「目の前の厄介な問題、つまり矛盾を解決するためには、その背景にあるさらに大きな矛盾『主要矛盾』を認知してかからなければならぬ」という「矛盾論」を引き合いに、現在起きているイスラム国などの過激な暴力沙汰には、「その背景にあるさらに大きな現実を把握しなくてはなるまい」としてヨーロッパの混乱と衰退を理解する必要があると説いています。

そして石原氏は、「歴史を見れば、中世暗黒時代の後、世界の歴史は白人による有色人種の国土の一方的植民地化と富の収奪だった。」と述べ、スペイン人によるインカ帝国の滅亡、西インド諸島での猟犬を使った人間狩りを挙げています。

アジアを蹂躙する白人は、「有色人種を人間と見なすべきか、それとも獣とすべきか」をバチカンに質(ただ)し、バチカンは、「本来は獣であるが、キリスト教に改宗したら人間と見なす」との御宣託を与えているそうです。

アメリカ大陸が発見されてから、アメリカインディアンはこの論理で殺されまくりました。映画「黄色いリボン」では、ジョン・ウェイン扮する退役直前の大尉に、インディアンの酋長が「私、クリスチャン」と言うシーンがありますが、これなどバチカンの教えをそのまま守っていると言いたいジョン・フォード監督の演出でしょうか。

南北戦争を経て産業立国に目覚めたアメリカは、奴隷を解放し産業の育成に努めますが、資源の調達先としてやはり植民地を必要とするわけです。

同じころ明治維新を経て産業立国を目指した日本も、やはり資源の調達にアジア諸国を必要としますが、そこはもう白人達の資源供給(略奪)地域になっていました。

国力(経済力)のなかった日本は、じっと我慢しながらも富国強兵の道を進んでいったのです。恐ろしい欧州列強。和魂洋才で軍の近代化を図りますが、帝国ロシアの執拗な南下工作が清国を経由して朝鮮半島に及び、ついに日清戦争となりました。世界で最初の近代兵器を用いた国家間戦争で、日本は清国を破ります。そして今度は直接ロシアとの戦いとなるわけです。

この日露戦争に日本が勝利するわけですが、この時に日本に経済的な支援したのがユダヤ資本でした。
その後、絹などの輸出で日本は経済的に豊かになって行きますが、比例して白人社会からの嫌悪感にもさらされて行きます。

第一次世界大戦が起こり、その戦後処理の失敗と恐慌を経て、第二次世界大戦が発生します。白人の優位が揺らいでいきます。
二次大戦で日本は軍事的には負けますが、アジアは植民地支配から解放され、原爆を背景にした東西冷戦構造下で、日本は画期的な経済成長を成し遂げます。つまり生産性の著しい向上があったからです。

欧州は植民地を失い、冷戦構造の中で何とか生き延びますが、英国のシティはアメリカのウォール街に取って代わられ、二次大戦でも壊れなかった貴族社会が次第に疲弊していきます。
貴族社会が破壊され、生産性を向上させたドイツだけが、欧州の経済的トップとなりますが、生産性が延びていない欧州各国、即ち貴族社会は、単なる金利生活者に成り下がって行ったわけです。

貴族資本主義は、略奪型資本主義です。貧富差を作るように投資しないと、生産性が向上したところに負けてしまいます。
そして日本、中共、さらにアジア各国の取っている再投資型資本主義の成長によって、貴族型資本主義が終焉を迎えようとしているわけです。

日本によって追い詰められたアメリカ産業国家は、中共を使って日本を牽制しようとしましたが、かえって中共という化け物を成長させてしまい、目下その対策で苦慮しています。
日本は、略奪型資本主義を踏襲する財務省の役人によって、増税による国家潰しに直面しています。

中共は、肥大化した疑似国家ゆえに、トイレのドアを閉めない運営によって汚染が広がり、人の住めない地域が出来つつあります。
また、疑似国家ゆえの維持の重圧を対外戦略に依存し始め、軍拡によって周辺国への脅威を増大させております。
日本と中共は、いやでも対決状態に置かれています。日本の財界が日中友好などのプロパガンダに騙されて、このような局面を作り出したわけです。経済面でも軍事面でも・・・

おそらく、貴族資本主義は終焉を迎えると思います。もっともそれは日本の出方次第です。財務省の言いなりになって、増税に進めば延命されます。しかし生産性を上げ、途上国にODAと生産手法を持ち込んでその国の経済を活性化させれば、世界的に経済は成長しますから、相対的に貴族資本は縮小します。
すなわち貴族資本主義が終わるわけです。

欧州はAIIBやらIMFやらを使って中共の取り込みを始めました。日本には日米同盟しかありません。台湾の行方や南米の動きは余談を許せません。ロシアもまだ判りません。
イスラム国がどう動くか、それは米英が知っているのでは?

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