2016年8月、ワンセグ機能が付いた携帯電話を所有する場合に受信契約を結ぶ義務があるかどうかの裁判で、さいたま地方裁判所は「契約義務がない」という判決を下しました。
NHKは、今回判決の「設置」の解釈が誤りであるとして、控訴する方針だそうです。しかしNHKのこの既得権死守の争いはどう考えても無理があるのではないでしょうか。
NHKが死守しようとする放送法は昭和25年に出来た法律で、当時は電波も黎明期の技術でした。
NHKとはもともと1925年に作られた社団法人東京放送局が原型です。受信機を持つものも少なく、しかもほとんどが自作と言う時代に、いわば趣味の電波発信という形で作られた団体ですね。
ラジオ放送がメディアとしての機能を有することが判り、また軍事的にも有用な技術として瞬く間に進歩して、大東亜戦争敗戦後に放送法が出来たわけです。
日本の民主主義がアメリカの民主主義に取って代わった時代、NHKもGHQの監視下にあって、国営ではなく民営が好ましいとの方針から、政治的にも営業的にも左右されない受信者から視聴料を取るという趣味の会の延長のような放送システムが出来上がりました。
問題は「どうやって受信者を特定するか?」だったわけですが、普及し始めたテレビ受像機がアンテナを必要としたため、受信機を持っている者から無条件で(観る観ないにかかわらず)受信料を徴収してよいと言う放送法が出来上がったわけです。
このNHKが日中友好という謀略に乗ってシルクロード特集をやり始めた時から、中共の宣伝に使われ始めます。「中共に都合の悪い事は放送しない」「大戦では日本が悪かったと言い続ける」などの密約があると思わせる様な放送に変わって行きます。
一部の日本国民がそれに気づき、NHKの左傾化に警鐘を鳴らし始め、受信拒否も増えてきました。
一方、電波の工学的進歩も著しく、東西冷戦構造が終結した時からインターネットというコンピュータ通信技術が世界を覆い始め、携帯電話がインターネットに使われているパケット通信を取り入れるなど、「電波の双方向性が当たり前」の環境になって行きます。
気が付けば、テレビ放送はもはや時代遅れになってきました。それに変わるインターネット放送局が一杯出来て、しかもその放送はオンデマンド形式であり録画をいつでも見られるようになってきたわけです。
そして有料の放送局も多く出来て、契約とパスワードで視聴可能にしている局も出てきました。
パソコンだけでなく、スマートフォンという携帯電話とパソコンの中間に位置する装置も爆発的に売れ、もはやテレビの時代は終焉を迎えようとしているのです。
このような技術の変遷の中で、取り残されたNHKが唯一頼りとする72年前に作られた法律である「放送法」なのです。
電波という先端技術の発展に大きく貢献してきたNHKですが、そのNHKが現在の技術発展に取り残され、しかも既得権として72年前に獲得した放送局を延命させようとしている姿が、この「ワンセグへの課金」でありテレビなし世帯を対象にした「ネット受信料」の新設です。
スマートフォンからワンセグ受信機能を外せば受信料は取れません。このような法規制をすれば、スマフォからワンセグ受信機能が無くなることは目に見えております。
はっきり申しまして、ワンセグ課金には正統性はないと思います。なぜなら、見られたくなかったらワンセグ放送をしなければ良いのですから。
また、テレビの受信機にパスワードを仕込むとか、ネットで流す場合はアクセスにパスワードを儲けるなどの契約手法がいくらでも有り、他のネット放送局はそれを駆使していますから「NHKは特別だ」というパワハラに近い訴訟は止めた方が良いと思います。
時代はもうNHKを必要としていないはずです。高齢者の中にはNHKを擁護する方々も居られますが、残念ながら時代と共に消えていくでしょう。
公平中立というNHKの主張も、主観的評価であり客観性はありません。評価は複数の放送を見て視聴者が行うものですからね。
また、72年を経て技術も環境も変わった時代に、当時の放送法をそのままにしていること自体、おかしいとは思わないのでしょうか。
もし、テレビを観る観ないにかかわらず視聴料を取るなどと言うことが立法されたら、我が国の電波技術(放送内容も含めて)と、それによる社会進化が時代遅れになってしまうのではないでしょうか・・・
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