2017年5月5日金曜日

日本・中共の潜水艦バトル

アメリカの空母カールビンソンを核とする空母打撃軍は、トランプ大統領の命令で日本海へ入りました。
ジャカルタのズンダ海峡を抜けて、オーストラリア海軍との共同演習を行い、フィリピンの太平洋寄りを通り、ゆっくりと北上、途中で自衛隊の護衛艦との共同訓練を実施しながら日本海に入ったわけです。

当然、この航海を中共が見ていたでしょう。オーストラリアとの訓練から、自衛隊との訓練まで空母打撃軍の後を追うようにして、中共の海軍潜水艦が密かに訓練の情報を採取し、資料化していただろうと推察します。

そしておそらく、その中共の潜水艦の後ろにさらに自衛隊の潜水艦が追尾していたのではないでしょうか。
中共の潜水艦は進化しております。もう昔のように大きな音を出しならが潜航をする船ではありません。
おそらく新型潜水艦を登用したであろう今回の作戦です。

そのことを計算したトランプ政権のカールビンソンへの命令だったのかも知れません。ゆっくりと北上し、その途中で自衛隊との共同訓練を行うことは、安全保障法案が成立して初めての公海における実戦訓練だったのではないでしょうか。
おそらくこれが中共の新型潜水艦をおびき出す作戦であろうことは想像できますね。

新型潜水艦が出てきたとしたら、まだ音紋(艦船固有のスクリュー音とか船体の振動音)が取れていない可能性もあります。そのような潜水艦の音紋採集がもしかしたら今回のカールビンソン登用の目的だったとしたら、それは成功しただろうと考えられます。

スターリングエンジンを搭載した自衛隊の潜水艦はほとんど無音で潜航できます。アメリカ海軍も見つけられなかった自衛隊の潜水艦により、中共の新型潜水艦の音紋を取ることで、今後の対中戦略において有利なポジションを取ることが出来るわけです。

どの国でも潜水艦についての作戦は公表はしません。隠密行動そのものがその価値だからです。現在どこに居るのか判らないのが潜水艦作戦です。しかし音紋が判ればその船が今どこに居るのかがすぐに判ります。
はたして今回の作戦は成功したのでしょうか。中共の潜水艦がどこまで静寂化したかは判りません。そして音紋が取れたかどうか、それは絶対に公表されない情報です。

トランプ大統領は、北朝鮮に対抗する軍事作戦を表明しております。しかしこれが中共の膨張する軍事状況に対する牽制であることも事実です。
しかも習主席をトランプ大統領の別邸に呼んで、そこで北朝鮮制裁を約束させたことから始まった作戦です。

「もし中共がやらないなら、アメリカが単独でも核施設の爆撃と委員長の排除を行う」というセリフは、習近平主席の思考を止めてしまったようにも見えました。
そのあとの習政権は、習主席の発言を取り消すことも出来ず、北朝鮮に対しても「アメリカが外科的手術をするならやらしておけ」とか「アメリカ軍が北朝鮮に入ってくるなら中共も陸軍を出してそれを止めなければならない」など、何とも一貫性のない議論が行われていましたね。

この一連の習主席の動向が、中共内部の政権バトルで習主席のカリスマ性を落としたようです。石平氏によりますと、米中首脳会談が終わった後の4月12日、習近平国家主席が広東省党委員会・政府の活動に対し「重要指示」を下したと言うものです。

この意味は「広東省党・政府の活動ぶりを十分に評価した上で、広東省が今後『小康(いくらかゆとりのある)社会の全面建設』と『社会主義現代化建設の加速化』において前列に立って走ることを期待する」ということだそうですが、この広東省党委員会のトップが共産党青年団派の若手ホープ、胡春華氏であり、彼は胡錦濤氏が「ポスト習近平」を見据えて、自らの引退と引き換えに、この「胡春華人事」を断行した、その人物であると言うことです。

これはもちろん習氏の本意ではないそうで、もしかしたら習氏の権力が落ちてきたと言う事ではないでしょうか。

トランプ大統領の外交はかなり策略に満ちているように見えます。友好と恫喝で相手の内政を動かし、莫大な軍事費を使って北朝鮮を恫喝しながら、他方で潜水艦などによって中共の情報を取るなど、巧みな技を使います。

内政はどうもまだ反トランプがくすぶっているようですが、今後のトランプ政権がどうなって行くのか、目が離せません。

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