2017年5月28日日曜日

G7、安倍首相の交渉力

イタリア南部シチリア島タオルミナという所で行われている先進7カ国(G7)首脳会議に出席している安倍首相。
ドイツのメルケル首相に継ぐ古参となった安倍首相の外交力が発揮されているようです。

G7はもともと貿易の自由かを目指す目的で作られた会議ですから、取れアンプ大統領が取っている「アメリカ・ファースト」という保護主義とは相いれない会議です。
もちろんトランプ大統領の言うアメリカファーストは国際金融資本の国家の枠を外した金融自由化に対する反旗であって、自由貿易を否定するものではありません。

「EU(欧州連合)とトランプ氏が正面衝突しないように調整する」ことをG7の始まる前から周囲に話していたと言う安倍首相でした。
昨年の伊勢志摩サミットで、「あらゆる形態の保護主義と闘う」と宣言したG7ですが、トランプ大統領は「(国家は)保護主義政策をとる権利がある」という主張の大統領ですから欧州(EU)側は神経をピリピリさせております。

欧州と米国がうまくやるのは絶対に必要だ。みんなが批判して米国のような大国を孤立させると大惨事になる・・安倍首相にとって、この事態を避けることが今回のサミットの第一目的だったようです。

トランプ大統領はG7のまえに開催されたNATOの会合で、すでにEUの首脳たちと個別に会談していて、「全首脳と個人的な関係を作った」と述べておりますから、安倍首相が心配するほどの状態ではなかったのかも知れません。
それにEUからの離脱で、EUと対立している英国のメイ首相も参加しておりますからトランプ大統領が孤立することもないでしょう。

ティラーソン国務長官はトランプ大統領の外交姿勢について、「大統領は相当なコミュニケーターだ。会う相手、議題の重要性によってスタイルを調整しているのだと思う」と述べ、伝えたい事柄の重要さで声のトーンも変えるなど、トランプ大統領の外交姿勢を評価しております。

NATOの首脳会議で、NATOに新規加盟するモンテネグロのマルコビッチ首相を押しのけて中央に立ち、マルコビッチ首相は驚いたような表情を浮かべた映像がネットでアメリカ国内に流され、その振る舞いに批判が集中しているそうですが、このような映像を煽っているのはアメリカのマスコミではないでしょうか。

安倍首相はトランプ大統領との会談で、ゴルフの話で場を和ませ、トランプ大統領は笑って「われわれは友情を築き上げた」と述べたそうです。
そしてその後トランプ大統領の方から北朝鮮の脅威を話し始め「世界的な問題だ」と指摘、核問題の解決に向けた決意を表明したそうです。

そして26日のG7首脳会議の席で安倍首相は、「国際社会は非核化と引き換えにさまざまな支援をしたが、北朝鮮は何度も約束を破ってきた」と北朝鮮の不義を批判しました。
そして同時に日本人拉致問題について、「長い年月が経つなかで、もはや一刻の猶予も許されない」と訴え、各国首脳も理解を示したようです。

安倍首相は先月フランスの」大統領に就任したマクロン氏とも会談をしました。「マクロン氏の当選は希望であり、強い欧州を望む自分も勇気づけられた。マクロン氏の結束した欧州のための取り組みを支持する」と安倍首相が祝意を表すと、「日仏は広範な分野で協力ができる」とマクロン大統領が応じたそうです。

このマクロン大統領はロスチャイルド家の銀行に居た方です。ロスチャイルドと言えばユダヤ金融の総本山。グローバル化の旗手かも知れません。
もしそうなら、トランプ大統領と全く反対の主張を持つのかも知れませんね。
しかしイスラエルは世界に散らばるユダヤ勢力とは異なってきているようで、しかも離散しているユダヤ人よりもイスラエル国民の方が人口が増えているとか。国家を持つと国防意識なども生まれ、必ずしも金融グローバル化とはならないようですね。ロスチャイルド家の考え方も聞きたいものです。

この会談のなかでマクロン大統領は、北朝鮮問題に対し日本の立場を支持すると表明いたしました。
北朝鮮問題は同時に中共問題であり、中共と北朝鮮を切り離そうとしたトランプ大統領の習政権に対する工作もなかなかうまくは行きませんでした。
中共そのものが、習派と江沢民派に分裂しておりますから、江沢民派による裏からの支援で北朝鮮「金正恩体制」は生き延びてしまいます。

北朝鮮親派である文在寅氏が大統領になって、負けた保守派だからかどうか、大阪では日韓による「反・金正恩デモ」が繰り広げられるそうです。
http://nikkan-rentai.org/

G7では、「ロシアと中共もメンバーに含めるべきだ」・・という意見も出てきたようですが、中共が国際法を守るかどうか、勝手な歴史塗り替えを現在のG7メンバーがどのように扱うのか、もし参加させるのだったらこの点を見てみたいものですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿