2015年10月2日金曜日

習主席は何を言っているのか?

アメリカ訪問から、ニューヨーク国連総会に参加した習近平主席は、あくまでもこれまでの支配体制を超えた「新型国際関係」を謳い上げたようです。

その内容は、「東洋の主戦場として、中国(大陸)は死傷者3500万人の(多種な)民族的犠牲の上で、日本軍国主義の主力を破った」などと台湾の国民党も唖然とする「嘘」を、本気で演説し、この共和国が「反ファシズム戦争」での「戦勝国」の地位にあることを印象付けようとしました。

その上で、米中関係(新しい大国関係)を基礎にした、中共主導の新たな秩序構築を訴えたのです。つまり、始めは「ドルと人民元」から始めて、やがて人民元支配の世界にしようという、「中華思想」丸出しの国連演説でした。
そして、多額の補助金が約束されたアフリカなど途上国だけが、この中共の指導者の演説に拍手を送ったようですね。

3年前ならいざ知らず、2015年では中共の経済が崩壊状態にあることは世界中が知っています。もしかしたら習主席はよく判っていないのかも知れませんね。
世界中の関心ごとは、「いかに中共の経済崩壊から自国の経済を守るか」であり、「崩壊過程でのイザコザに巻き込まれないようにどうするか」にあります。
ですからこの習近平主席の演説は、むしろ彼の「政治的無能さ」を世界に発信してしまったように感じますがいかがでしょうか。
習主席は、本当にこの歴史を信じ切っているのでしょうか。そうだとしたら、習主席も「嘘」の歴史観を教えられたことになります。他国が認められない歴史観であることを知っていて、その上で現在のパワーバランス(経済を含む)を織り込んで話さないと、「嘘」は宙に浮いてしまいます。

習主席が、「反ファシズム戦争」だとか「戦勝国」という言葉を使うたびに、アメリカは身が竦む思いかも知れませんね。
「ドル支配体制の維持」にとって、この中共の叫びは「東京裁判史観」を否定せざるを得ないようにアメリカを追い詰めると思います。
そして、8月14日の安倍談話の方が、アメリカにとって都合が良いことになってきます。
もしこの習演説を見越して、安倍談話を先行させたとすると、安倍首相の政治的力量はすごいと思いますけどね。

アメリカにとって、中共はもう終わった疑似国家です。日本の牽制にはまだ役立つでしょうが、それ以外は犯罪国家として扱うでしょう。(例えばサイバー攻撃など)
それよりも今はドイツのようですね。ドイツ潰しの戦略が動き始めたようです。ドイツとは、即ちドルに対抗するユーロのことです。
今後中共を追い詰めるのは「安倍晋三」の役割と言う、オバマ・アメリカの判断かも知れませんよ。

その役割を担うように、この6月にはドイツ南部のエルマウ城で開催されたサミットで、安倍首相は「アフリカにおける中共の援助は、アフリカの人々のために本当に役に立っているのだろうか」と議論を吹っかけています。
「中共はアフリカやアジアの腐敗の温床になっている。援助先の高官に賄賂が贈られている問題を皆さんもご存じでしょう。経済利益があっても、G7が片目をつむってはいけない」と、訴えかけます。

そしてこの9月26日、安全保障法案を通した後の国連本部での「アフリカ地域経済共同体の議長国首脳会合」で安倍首相は、「アフリカでは、経済基盤を脅かし、開発の前提となる平和と安定に対する脅威となる事態が起きている」と懸念を示し、「保健システムの再構築や過激主義への対応など、顕在化した事態に対応する貢献を示していく」と日本の決意を発信したのです。
もちろんこれは、アフリカから中共を追い出す戦略でもあることは言うまでもないでしょう。

安倍首相の狂わない国際戦略。そのベースバリューとなっているのが「八紘一宇」ではないかと思っています。(安倍首相はこれを「瑞穂の国の資本主義」と表現しました)
神武天皇がその即位で述べた言葉は、「国中を一つにして都を開き、天の下を覆いて一つの家とする事」で、それを後に八紘一宇と表現しますが、この「天の下を覆いて一つの家とする」とは、近代化の恩恵をすべてに普及させると言う意味ではないでしょうか。
神武天皇の時代、「人々は巣に棲んだり穴に住んだりして、未開の慣わしが変わらずにあった」そうですから、屋根の下に住むことは、当時の最高の技術の恩恵を受けることと言う意味にとれます。

まさに安倍外交は、技術移転による途上国支援であり、その社会にいかにして適切な技術を持ち込むか、それを訴えるものです。
中共という疑似国家に最先端の技術を持ち込んだら、廃棄処理の概念もなくユーラシアの東半分に公害という毒素をばら撒いてしまったわけです。

適切な技術移転と、「おおやけ」の概念、そして法の遵守がその地を発展させるわけです。そして、移民問題にケリをつける方法も、この方法でしか出来ないでしょう。
移民が発生するのは、その地で食えないからです。安全で食えるようになれば、人は移民にはなりません。

地球は不公平なものです。資源は偏在し、気候も異なります。穀物が豊かにとれる地域、地下資源の豊富な地域など。
これを平滑化することが出来るのが唯一「貿易」であり、その貿易を支えるのが国際経済(ドル基軸)です。

いつまでも貴族経済や成功者相続経済で固まっていてはいけません。経済の目的は金儲けではなく、いかに働きやすい社会(働くことが凛々しい社会)を作るかにあるのですよ。(経営は金儲けで良いのですけど)
少しづつ、世界はそれに気付き始めています。そして、それに逆行する演説をしたのが「習近平主席」であること、その原因が華人を呪縛する「中華思想」にあること・・・もうお解りですよね。

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