2015年10月15日木曜日

安全保障関連法の抑止効果

北朝鮮が、平壌で故金日成主席と故金正日総書記にちなんだ花の展示会を開催したそうです。10月10日は朝鮮労働党創建70年に当たり、その記念行事としての展示会ですが、その中に今年5月に発射実験を行った潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の模型が展示されていたとか。

「銀河3号」「銀河9号」(人工衛星打ち上げ用)の模型と並べられて展示され、朝鮮人民軍当局者は「米本土をたたこうと思えばたたける」と主張していたそうです。

北朝鮮の9月の報道では、10月10日の朝鮮労働党創建70周年に合わせて、長距離弾道ミサイルを発射する計画がある・・となっていました。
これまで人工衛星の打ち上げと称して、長距離弾道ミサイルを発射してきた北朝鮮です。
2012年12月の「テポドン2号」改良型以来。金正恩体制は10月10日を国威発揚の機会として、発射の準備を進めていたのでしょう。

しかし10日になっても、発射はされませんでした。それに代わって、花の展示会となり、そこに模型のミサイルが展示されたと言うことらしいですね。

なぜミサイル発射が出来なかったのか、一部マスコミ報道では「中共が制止した為だ」と述べておりますが、評論家の鍛冶俊樹氏は、「今までいつも中共の反対を押し切って長距離弾道弾を発射してきた北朝鮮であったのを思い起こせば、この報道は媚中派の提灯記事に過ぎない」と指摘しております。

そして発射出来なかった一番の理由は、「9月に成立した安保法制による抑止効果であるのは火を見るよりも明らかだ。」と述べ、安保法案が「『戦争法案』ではなく戦争抑止法であることが早速証明された」と評価しています。

鍛冶氏は、この安保法制が北朝鮮だけでなく、中共にもかなりのダメージを与えているとして、次のように評論しております。
「米海軍は南シナ海に中共が建設した人工島周辺に、艦艇・航空機を派遣する計画をオバマ大統領に提示しました。この計画と同じものは、この5月にも提示されており、その時はオバマ大統領に却下されました。一旦却下された計画を、なぜ10月に再提示したのか?」
と述べ、「それは9月に安保法が成立し、米国が日本の助力を期待できる状況になったためです」と、安保法制を評価しました。

現在、この計画は大統領の承認待ちになっているそうです。軍事戦略の専門家である鍛冶氏によれば、もし大統領がこの計画を承認すれば、「中共は人工島を放棄するしか道はなくなる」と言うのです。
アメリカを訪問した習主席が、「南シナ海の米軍、および日本の海上自衛隊の艦船の航行はこれを認めよう」などと言ったのは、「認めるからそこを中共の領海であることを認めろ」という交渉だったようですね。
もちろんオバマ大統領は、この提案を無視しています。

大統領がこの計画を承認するかどうかは判りません。裏では国務省が動いているでしょうし、その国務省の背後では中共ロビーが必死に動き回っているでしょうから。
しかしもはやアメリカ政府が中共ロビーを意識して大統領令を作ることはしないでしょう。そして日本の安保法制(集団的自衛権行使)が成立した現在、東シナ海と南シナ海の覇権は中共にとって不利になっています。

民主党が反対理由として挙げた「戦争法案」とか「徴兵制の復活」などという時代錯誤の、反論になっていない反論も、もとをただせば中共からの指示があって必死になっていたのではないでしょうか。

オバマ大統領が承認しなくても、1年間持ち越して次期大統領になれば、それは承認されるのではないでしょうか。つまりどんなに長く引き伸ばしてもあと1年とちょっと。

おそらく、あと1年半ほど経てば米国の海軍が南シナ海に派兵されることになるわけです。大儀は「アメリカを含むあらゆる国の艦船の自由航行を維持するため」ということになるでしょう。
この大儀では、海上自衛隊も参加せざるを得ないと思います。その海域は何といっても日本のタンカーが一番頻繁に行き来しているところですからね。集団的自衛権の発動と言うわけです。この場合、海自に出来ることは極めて限定的ですけど。
中共がいくら自国の領海と叫んだところで、米海軍と海自を追っ払うほどの軍備を1年半でそろえることは出来ないでしょう。そして中共の主張などに日米は耳を貸しません。
すなわち人工島は放棄せざるを得ないわけです。

習政権が一番先に考えるのは、こうなってもメンツに傷がつかないようにするにはどうするか、いかにも習近平主席の意思に基づいて日米の艦船が南シナ海をパトロールしているように自国民に見せなければなりません。
はたして習主席に人民解放軍を抑え込むことが出来るでしょうか。人民解放軍は自衛隊を舐めきっていますから、東シナ海へ出てくることも考えられます。軍が出てくれば海自が出ていくようになります。海自が出ていけば米海軍も支援に回るでしょう。

習近平主席のメンツが守られなければ、中国共産党に対する国民の不満が一気に吹き上がるかもしれません。
中共がいかに安保法制を阻止したかったのか、日本の民主党を使い、SEALDsを使って阻止しようとしていたのか、やっとはっきりしてきました。

慰安婦像のサンフランシスコ市内への設置だとか、南京大虐殺のユネスコ記憶遺産登録など、賄賂や買収(票の取りまとめ)が効くところでの反日活動しか、もはや出来なくなってきた、そんな北京の現実が見えてきましたね。

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