2011年11月1日火曜日

石油供給は大丈夫か?

東シナ海、南シナ海などの日本のライフラインが、中共の軍事拡張によって脅威に晒されつつある近年、もう一つの問題が浮上しております。
鍛冶俊樹氏がメールマガジンでご指摘されたサウジアラビアの問題。彼の国はイスラム国家で民主主義国家ではありません。その国で皇太子が死去されました。10月22日のこと。享年86歳。

86歳にもなってまだ皇太子なのかと思いましたが、アブドラ・サウジ国王は現在87歳。そして皇太子はその弟になるのだとか。
即ち、サウジ王家は兄弟相続となっていることから、皇太子は1歳年下のスルタンだったわけですね。
そして兄弟は多く、その中にはアルカイダに繋がっている者もいるという話ですが・・・


戦後、日本はサウジアラビアから大量の原油を買っています。それは日本のエネルギーの生命線。そしてサウジはスエズ運河をエジプトとの間に持っていて、東西の要衝になっている場所。
もしサウジ動乱が発生すれば、原油の値上がりは必至。それが世界経済をさらなる不況に落とし込む引き金ともなりかねないとか。

サウジアラビアにはイスラムの聖地メッカとメジナがあり、全世界のイスラム教徒は毎日この方向を向いて祈りを捧げています。また、イスラムはその教義により、中共の中華思想と同じく国境を認めておりません。
ですからサウジアラビアがイスラム教徒にとって一つの権威となるわけで、サウジ国王はある意味でイスラム教徒への影響が大きな存在となっているということです。

イラクの故サダム・フセイン元大統領がクウェートを攻撃したのは、石油資源の問題よりも、このサウジの実権を握り、イスラム全体を彼の命令で動く組織となし、アメリカへ対抗しようとしたのだ・・というように指摘する識者もいるようです。

そのサウジアラビアは非民主主義国。国境を認めないことで、中華思想とも一脈通じるところのあるイスラム圏ですが、こちらは西欧・アメリカなどに認められた非民主主義圏でした。
もちろんその理由は石油利権。アングロサクソンの石油メジャーの邪魔さえしなければ、非民主主義国でも認めてしまうという、これまた自己中心的な欧米の考え方。

どうやらアメリカ大統領のオバマ氏はこの偽善がとてもいやだったようですね。
サダム・フセイン氏はアングロサクソンに正面切って反抗しました。なにしろドルでなくても石油を売ると言ったわけですからね。
そしてこのような、アングロサクソンの身勝手な正義(白人優位主義)に対してオバマ大統領は意識下で義憤を感じていたのではないかと鍛冶氏は分析します。
オバマ大統領には、やはりアメリカの歴史にある差別がいまだ拭い去られていないことへの潜在的憎悪があるのではないかとのこと。

その証拠に、彼が就任した直後、ホワイトハウスに飾ってあったチャーチルの胸像を英国に送り返したという話があるそうです。
チャーチル元英国首相は、第二次大戦時の首相であり、一歳指と中指で作るVサインの元祖。英米同盟の生みの親ですが、同時に現在の中東の秩序を作った人物でもあります。
民主主義を標榜しながら、中東の非民主主義のうち、自分たちに都合のいいものは認めるという秩序。それをオバマ大統領は否定したという話ですが。

アメリカ国内では雇用問題の改善失敗とか、対中外交で譲歩しすぎるなど、支持率低迷のオバマ大統領ですが、来年の選挙で再選されるかどうか・・・
もし再選されたら、サウジアラビアは崩壊の道を進むだろうというのが鍛冶氏の分析のようですが、さて・・・

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