2011年11月13日日曜日

野田首相、ついにTPP参加表明しAPECへ。しかし世界経済は・・・

まだ内容が固まっていないようで、しかしほとんどが裏に隠された不平等条約が見えているTPP。その交渉参加を決意して、野田首相はハワイで開催されるAPECへと出発いたしました。

APEC首脳会議に先立つ12日昼(日本時間13日午前)に、野田首相はオバマ米大統領と会談し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加方針を伝えるようですが、アメリカ・オバマ大統領はこれを歓迎するもようだとか。

一方、日本国内ではTPP交渉への参加に反対する国民が約7割強。輸出に頼る産業のみが、この決定を歓迎しているようです。
この点を、マスコミの言い方では「原発反対とTPP反対は、同じ」と言うような表現を使っています。しかし、意味はまったく違うわけで、原発賛成でTPP反対の国民も居りますので、間違えないように。

国民が反対しているのは、内容がよく見えないからです。
そして、政府はその説明をしていないこと。また、説明できないのは、与党に日本の未来をどうするかが決まっていないためでしょう。
もともと民主党は、選挙で多数を取ることしか念頭になく、そのためには国民を騙してまで行いますが、日本の未来とか、国家のあり方などは、無いというよりまったく無関心に見えます。
こういうのは政治家とは呼べないはず。交渉相手にとっては都合がいいでしょうけど。

野田首相に国家としての戦略があるとは思えません。日本経済の状況に対して、増税という破壊的方針を打ち出します。
増税すれば、国民の可処分所得が減り、その結果消費が減り、不景気はもっと侵攻し、企業収益は上がらず、従って税収は増えないという筋書きになるわけです。
日本の国債をさらに発行すると長期金利が上がるとか、子供たちに借金を残さないためなどと、ミクロ経済で国家の経済を説明するのは、国民を騙すためか、あるいは自分も知らないからでしょう。
このままですと、「子供に借金を残さないけど、日本も残せない・・・」となってしまうかも知れませんね。

アメリカは同盟国に不平等な貿易を仕掛けてアメリカを輸出大国にしようとしています。今でも十分輸出大国なのですが、それ以上に輸入していますから赤字が膨大になっています。
その赤字を減らすためにさらなる輸出を同盟国に行おうというわけ。でも、それがうまく行くかどうか、それは判りません。

今までは日本だけがデフレでした。しかしサブプライムローンの破綻後はアメリカもデフレになっています。
「日本のようにはなりたくない!」がアメリカのスローガン、そこでドル札を刷りまくったわけですが・・・結果はドルが他の通貨に対して安くなり、輸出はしやすい条件が生まれたのですが、デフレになっています。
アメリカの長期金利は2%を切ったとか。大恐慌と酷似してきました。

欧州は複雑です。同じサブプライムローンの被害を受けても、自国通貨でまかなっていた国はデフレとなり、他国から借金してまで高利債権を買い捲った国はインフレになっています。
インフレになった国は超緊縮財政をはじめ、税金を上げ、教科書どうりのインフレ対策が打てるかどうか、これからの挑戦です。
一方、それでもデフレの国はどうしたらいいのでしょうか?
まじめな国ほど恐慌が襲うかも知れませんね。

この状況は、これまで人類が経験したことのない恐慌ではないでしょうか?
産業が、生産性を上げてきた結果、日常的な生産過剰が生まれています。例えば東日本大震災で、あっという間に日本全国の合板がなくなりました。被災地にはいくつかの合板工場があります。
品不足はインフレ要因、どうなるかと見ていましたら、日本中の合板工場が生産を開始し、あっという間に生産過剰・・・そしてデフレが続くのです。
その後に来た断熱材の不足現象。それも今は生産過剰で市場でダブついています。

産業社会、デフレの原因はこの日常化した生産過剰にあるのではないでしょうか?
脱産業社会が情報化社会であることは判ります。しかし、情報はまだ、経済を動かしてはおりません。マネーゲームを除いては。
ここが一番の問題なのではないでしょうか?

0 件のコメント:

コメントを投稿