2011年10月31日月曜日

自動車異変、日本のエネルギー政策は?


マツダ自動車が日本語名「雄(TAKERI)」と名づけた新車を発表しました。なんとクリーンジーゼルエンジンを搭載したコンセプトカーで、アイドリングストップ機構と回生ブレーキといった機能も付けているとか。
また、同じクリーンジーゼルエンジンを搭載した新型SUV(スポーツ用多目的車)「CX-5」も来年春から販売すそうです。

マツダの攻勢に対して、日産はリッター30kmの「第三のエコカー」を作ることを発表しました。
電気自動車(EV)では先行している日産ですが、日産リーフの販売とその後の順調な受注を受け、他社が追従できないことでEVはひと段落したとして、次の戦略が動き出したようです。
マツダのスカイアクティブのリッター30km、トヨタ・プリウスのリッター38kmに対抗した日産のエコカーは、さらにプラグインハイブリッド(PHV)にも及びます。
EVで確保したリチュウムイオン2次電池の電極技術にさらに磨きをかけ、家庭用電源からでも十分充電できる性能を持たせるPHV。
トヨタはプリウスを2014年にPHV化する予定のようですが、トヨタのコンセプトは完全EVは作らない方針だとか。あくまでも自動車は低燃費ガソリン車としての電気を主軸に置く考えです。

クリーンエネルギー戦略はこのように自動車メーカーが先導して進められる我が国ですが、さて日本のエネルギー政策はどうなるのでしょう?

日本は石油を輸入しておりますが、輸入しているのは原油。燃料にするにはこれを精製しなければなりません。
LPガス、ガソリン、ナフサ、灯油(ジェット燃料)、軽油、重油、アスファルト、石油コークスと、精製にはそれぞれ原油から決まったパーセンテージでさまざまな燃料、そしてプラスティックの原料などが作られています。
ガソリンの消費が低燃費車両の普及で需要が落ちると、大型車両のディーゼル燃料との間でバランスが崩れる現象が生じないでしょうか?
いままではこのような問題が起きるため、ガソリンを輸出していました。しかし、この円高では自国で原油精製が出来ない国への輸出が止まってしまい、国内消費のためにガソリンの値下げが始まるかも知れませんね。

石油会社は、値下げしたガソリンに対して軽油、重油などを値上げするかも知れません。もっともこれは石油会社というよりも国税局、そして財務省の課税方針が大きなファクターなんですけど。

東日本大震災の福島原発被災以降、マスコミのおかしな扇動で原発開発が出来なくなってしまった日本。
電力事情が今後大きく悪化する可能性もあります。電気代が大幅に(現在の6倍以上)になれば、さすがのEVも燃費が高くて走れないという状況になってしまいます。
もっともそうなると、日本から製造業は居なくなり、国民は塗炭の苦しみを味わうわけですから、EVどころではないでしょうけど。

石油の値上がりは今後確実にやってきます。浅い油田が枯渇し始めているからです。採集の難しい石油は、コストがかかるからです。
日本の場合、日本海側のメタンハイドレートは発電に有効ですが、まだほとんど研究開発はなされていません。日本の政治がエネルギー政策をさぼっていたからでしょう。
原子力発電も、マスコミの異常な報道で国民を惑わし、金縛りにしてしまいましたからお先真っ暗と言う状況。
原子力も発送電分離も、電力行政という既得権集団の厚い壁の前で動きを止めています。

自動車メーカーは、一般需要家の要望に答えるべくエコカーとかEVを開発してきました。ですからクリーンなイメージとか、燃費向上のキャッチフレーズを出してきます。
しかし、日本のエネルギー政策がしっかりしていないと、どういう自動車が将来的に良いのかユーザは判断できないはず。
そして、それは日本の経済を復活させる足枷となってしまうわけです。

はやく・・ちゃんと政治の出来る政権が日本に出来ることを願ってやみませんね。

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