2011年11月28日月曜日

いよいよ台湾の総統選挙、策謀する中共の魔手

太平洋に出ようとする中共。その前に立ちはだかる「ロシアの樺太」「日本列島」そして「台湾」。
ここを打破しようと、沖縄への介入を続ける中共ですが、もうひとつの突破口が台湾。国民党にてこ入れをして、現職の馬総統を担ぎ上げましたが、その4年ももう終わり、再び総統選挙の年がやってきます。

このところ政権奪還を目指す最大野党・民主進歩党(民進党)の蔡英文主席が支持率を伸ばしておりますが、当然それを不快に思っている中共。
表面上は「台湾の選挙に介入しない」との立場を強調しておりますが、中共国内でビジネスを展開している実業界に働きかけて、国民党支持を訴えています。
中共の場合、訴えるとは「もし民進党が勝ったら、その時はどうするか判っているな!」というような恫喝なのでしょうね。

日本で民主党が政権を取ったときも、中共国内にビジネス展開をしている日本企業への圧力を持って、財界をすべて民主党支持に回した結果だったことは記憶に新しいところです。
日本の場合は財界だけでなく、マスコミまで動員しての反自民旋風。その結果がどうだったかは現状の日本を見れば歴然としています。

今回の台湾総統選挙での中心テーマは、「1992年コンセンサス」。
これは、1992年に行った中共と台湾は大枠で「一つの中国」を確認するとした合意の通称です。
これを国民党に押し付け、「『92年コンセンサス』の否定を容認しない」「両岸関係の後退を容認しない」などと中台関係の将来について、王毅・国務院台湾事務弁公室主任が、重慶で開かれた台湾ウイーク開幕式で述べました。

当然、民進党・蔡英文候補は「92年コンセンサス」の存在を否定して、台湾独立を示唆しております。
それだけで支持率が上がるのですから、台湾の普通の国民が民進党の考え方を持っていることは明白なこと。だからこそそこに中共の焦りがあるのでしょう。
日本でも、小泉政権の支持率の高さは、単に中共に反発したことだけでしたから、アジアの多くの国民は中共を嫌っていることは間違いないでしょうね。

そこで中共は、胡錦濤国家主席や賈慶林全国政治協商会議主席も今月に入って「92年コンセンサス」の重要性についての発言を繰り返しています。
そんなもの中共にとって重要なだけで、世界にとっては百害あって一利なし・・なのに。

また、中共に滞在する約100万人の台湾ビジネスマンに対し、中共当局は親中的な台湾人組織を通じての投票参加を求め、「馬総統のために一定数の票をまとめれば、中国での商売で便宜を図る」と直接言われたと話すビジネスマンもいるということです。

このような台湾の総統選挙。馬氏と蔡氏の一騎打ちの様相でしたが、ここでさらにもうひとつの野党「親民党」から候補者が出てきました。
「宋楚瑜」主席という人物。親民党は当初、国民党と協力関係にあった政党。彼がどいういう立場を取るか、それがまだ判りませんが、馬氏の票を食うであろうことは確かなようです。

総統選挙は来年1月14日。来年になるとすぐに行われます。

広大なマーケットの幻想を使って、日本、台湾のビジネスを呼び込んだ中共。しかし、その中共経済もバブル崩壊の足音が近づいております。
もしかすると、台湾を必要としているのは大陸・中共の方で、台湾にとっては「バブル崩壊後の中共」はやっかいものであって不要な市場となるのではないでしょうか?

21世紀はアジアの世紀。しかし、そこに中共は不要。
日本、台湾、インド、タイ、ベトナムなどが世界市場を支える原動力になるべきです。欧州の長期停滞は避けられません。宗主国との立場を逆転させるチャンスでもあります。
アメリカは、対中の用心棒として日米同盟のもとで協力してくれればいいのです。すぐ中共と手を結ぼうとする危険な用心棒ではありますけどね。

ともかく、台湾の総統選挙から新たな時代が始まるように祈念しております。

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