2011年4月1日金曜日

電力危機と電気自動車

原子力発電の不安が解消されない限り、電力不足は続くでしょう。
40年前に作られた福島第一原発。そこに史上最大の津波が押し寄せ、放射性物質が流出、周辺の土壌を汚染し、農作物被害も出てしまった大震災です。

しかし、見方を変えればあれほどの震災にもかかわらず、福島第一原発以外はほとんど危険にはなっていません。
現在やるべきことは、福島第一原発と同世代の原発が稼動している福岡などの設備再検査などではないでしょうか?
福島第一は石棺などの技術を借りて封印するしかないかも知れませんが、原発再建の計画も必要ではないでしょうか?
原発反対の世論に対しては、スマートグリッドのような提案をすべきであって、その研究と開発の目処を早くつけるように協力をお願いすることではないでしょうか?

そうは言っても、すぐに原発の再建は無理。3~5年は電力不足が続くことは覚悟しなければならないでしょう。
休眠中の火力発電所を再利用しても、失った原発ほどの発電量は出ないと思いますから。

され、発電量が戻らないとすると我々の生活はどうなるのでしょうか?
ここで注意すべきことは、発電設備の準備は電力需要のピークに合わせてなされているという事実です。東京の電力は暑い夏の空調の電力需要に合わせて準備がなされているはずです。
また、大規模工場などの建設に合わせて発電設備も建設されているはずですから、本来はかなり余裕のあるもの。

その理由は「電気は貯められない」という条件があるからでした。揚水発電は、夜間など電力が余るときに水力発電の水をポンプでもう一度上げておくという発想。即ち一度流して発電した水を電気ポンプで戻すという操作で電気を貯めようとしたわけです。
そこには電気インフラは止めることが出来ないという社会の要求があるからです。電気が止まれば信号機などが消えてきわめて危険な状態になりますし、病院などもいつ電気が必要になるか判らないので、無駄でも止めることは出来ません。

ですから、電力が余っている時間は大いに使った方がいいとも言えます。プロ野球のナイターを中止する必要があったのかどうか、大いに疑問に感じたりしています。余って捨てる電気なら、使った方が意味があるからです。
電気の節約というものは、ピーク電力を下げるということであって、むやみやたらな節電にはあまり意味がないことをもっと国民に説明すべきではないでしょうか?

さて、これらの問題はすべて、電気は貯められないということが前提でした。
ここに最近電気自動車が登場しました。航続距離が短く充電設備というインフラもまだ出来ていませんから、なかなか利用者は増えませんが、しかし、この電気自動車は一つの重要な改革を提示しています。
それは「電気を貯めている」という事実です。

発電設備が、ピーク電力に合わせて建設されていて、その根拠が「電気は貯められない」というこですから、電気自動車は明らかにこの条件を逸脱した革命を起しているのです。

もし、現在の自動車がすべて電気自動車だとしたら、電気需要が少なくなった時間に充電を行い、電気需要がピークとなる時間に放出すれば、発電設備がピーク時に足りなくなっても、社会の需要はまかなえるということになります。。(現在のEVはそういう設計にはなっていませんが)
電気自動車を使う時は、その数時間前に放電中止の処置をすれば蓄電されたままになるようにすればいいはず。

これを可能にするものがスマートグリッドの発想です。電気需要の少ない時間は電気代を安くし、電気需要のピークなどでは電気代を高くします。安いときに充電し、高いときに放電(販売)すれば、プロフィットが得られます。(ガレージにEVを放置しておけばお金が自然に稼げるということです。)
こうして電力ピーク時の需要を抑えることが可能になります。これが本物の節電ということであり、需要時と非需要時で電気代をダイナミックに変更することが、電気代値上げという意味のはずです。(一律値上げは無意味です)
そして電気自動車の、また別の意味での使い方です。
それなら自動車でなくても電池だけでいいだろうと思うかも知れませんが、あの重いリチュウムイオン電池です。どうせ台車に乗せて使うのであれば、モーターを付けて自走式・・即ち自動車にしておいた方が、何かと便利なはずです。

電気は他の燃料などとは違って、節約すればいいというものではありません。石油などの燃料とは違うこと、もっと国民に説明しないと不合理な節約が始まってしまいますよ・・・

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