2011年4月29日金曜日

アメリカの景気回復、それに比べて日本では

サブプライムローンの破綻から3年目。アメリカの景気が回復基調に乗ったようです。
バーナンキFRB議長の就任後まもなく起きた史上空前のローン破綻。それまでブッシュ政権を支えてきた優良債権と不良債権を混ぜこぜにした高配当の債権。そのカラクリが破綻をきたして世界同時不況に陥ってしまった経済界。
アメリカは国債を刷りまくり、それをFRBとか中共などに売りつけてドルを発行し続けました。そして3年、先月3月の住宅着工件数は見事に市場予想を上回ったことで、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万2266ドルと大きく回復しました。
さらにアメリカの金融緩和策は今後も続くという見通しは変わらないため、株式市場は大幅続伸が続き、4月27日には1万2690ドルまで伸びました。

バーナンキ議長は、国債購入策を予定通り6月末で打ち切ることを決めたようですが、それでも緩和的な政策を維持するとの見通しを示しています。
市場関係者は「金融政策の不安要因がなくなり、1万3千ドルも見えてきた」と、かなり強気のようですね。
アメリカ企業の回復も目覚しいようです。3M(スリーエム)、フォード・モーター、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)などが業績を向上させました。どうやらアメリカの製造業が息を吹き返し始めたように見えます。
破綻のあとの大量ドル発行が、国際的なドル価格を大幅に下げ、相対的に円が高くなったことは記憶に新しいところです。
その結果、アメリカの製造業が市場での優位を回復したと見られます。アメリカは生産能力のある国家です。自由主義を守るという戦略から、日本などに対して生産委託を始めたこと、そこに乗った資本原理主義が、ファブレスビジネスを展開し、人件費の安い国家に製造を委託することが盛んになって、アメリカの製造業が衰退を始めたことはご存知のとおりです。原因はあくまでもドル高にあったはず。生産能力さえあれば、それに見合う通貨発行はかまわないはずですね。

やがてサブプライムローン破綻。その後の通貨対策が的を得たものだったようですね。ドルの大量発行は功を奏し、アメリカ国民の人件費が世界の人件費の対して相対的に安くなってきたようです。
そうなれば国内の製造業が息を吹く返しても不思議ではありません。

これに比べて我が日本。未曾有の大震災に見舞われるも、経済対策はお粗末なまま。
日銀が行った金融政策決定会合では、今後の景気シナリオを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」をまとめ、2011年度の実質成長率を、従来予想の1.6%から0%台後半に下方修正するのだそうです。(こんなことをするために彼らに給料を払ってるの?)
震災直後に増税を言い放つ政治家とか財務省。まったく事態が理解されていないようですね。
アメリカよりも10年以上も前に、土地バブル破綻で不況となった日本経済。いまだに本格回復していません。
バブル破綻の後の中途半端なケインズ経済に基づく景気刺激策も、円安にするほどの対策とはならず、金融緩和の追次投入が災いして国家の借金は膨らむ一方でした。
1000兆円に近い国債残高を見て、これを返済するには増税が必要などという政治家や財務省は、いったい何を考えているのでしょうか?
この借金の返済方法はただ一つ、金額はそのままで円の価値を下げることしかないはずです。
円の価値を下げるとは、物価が上がること。需要が無ければ出来ませんが、そこに降って沸いた大震災。円の価値を下げる絶好のチャンスなのではないでしょうか?

アメリカが取ってきた通貨対策。金本位をやめたニクソンショックから、今回のサブプライムローン破綻のリーマンショックまで、もはや昔の通貨政策では乗り切れない時代が来たことを示しているのだと思います。
日銀とか財務省が取っている政策は、その昔の政策のまま(ニクソンショック前)なのではないでしょうか?

お金とはいったい何なのか、もっとよく研究して、新しい時代にマッチした通貨政策を取って欲しいものですね。未曾有の震災もあったことですし・・・

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