2011年4月3日日曜日

震災時、やはり一番問題はトイレですね

大震災で、犠牲者のご遺体収容と、生存者救出がひと段落すると、次に出てくるのは避難民収容施設の混乱回避とヘルスケア。
食料品、衣料品などは全国から集まってきますから、自衛隊などの物流体制によって配布出来ます。なかなか満足な配給はできないでしょうけど、それでもその実行は可能です。
しかし人間どうにも我慢できないものが排泄です。震災直後は地べたに穴を掘ってそこに行うことも可能ですが、避難所などに被害者を集めますと大変なことになるのは必定。

そして案の定、汚物の氾濫と悪臭、そして疫病の蔓延が始まろうとしているようです。
社会インフラが壊滅してしまうのが大震災。歴史を探して過去の災害に同じ規模があったにしても、その時の社会環境は今よりも自然に近かった状態で参考にはならないはず。

阪神・淡路の震災でも一番の問題はトイレだったとか。
特に若い女性が用足し中に暴漢に襲われた・・などという話が漏れ伝わっていました。
マスコミはこのような報道をしませんでしたから、いわば情報隠蔽の状態で、ゆえに今回の大震災に生かされず、再び悲劇が襲います。

災害は3段階に区別されます。1段階は震災直後。生命の危機を脱することが最優先の時期。救助隊とか自衛隊が活躍する時期です。
その時期が過ぎると第2段階、避難所生活の危機が始まります。近親者の死、財産の消滅、生活資材の消失と欠乏、そして自暴自棄になった人心の乱れなどが始まります。この時期に上記のような問題が発生しやすいのではないでしょうか。

誰でも汚物はいやなもの。近代社会は都市という空間を作って下水道を完備させ、大規模な設備で浄化槽などを通し自然に水を返すという仕掛けを作っています。
しかし大震災はこのようなインフラを破壊します。被災地での汚水処理には超小型化した可搬性の浄化槽、肥料化を可能にする装置が必要なはずです。

現在はこのような装置の研究はなされていません。もし災害に強い都市を建設するのであれば、ライフラインの小型化・可搬化・独立性を確保しなければならないでしょう。
一件の住宅で、発生する汚物・汚水を処理し、外部に漏らさない設計というものは、ゼロ・エミッション住宅などで考えられてはおりますが、まだ実用化には至っていないようです。

現在の汚水処理プラントは、最低でも200所帯くらいが対象でないととても高くついて実際的ではないとか。
これを一個のトイレごとに行えれば、被災地での緊急トイレに利用出来ますし、周辺の衛生環境を壊すこともないのですけど・・・

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