2011年4月9日土曜日

計画停電と節電、東京電力の説明不足・・

大震災で原子力発電が破壊され、東京電力株式会社はその供給能力が落ち込み、そのために計画停電が発案され実行されました。
その結果、信号機なども消灯してしまい、交差点の事故も発生したようです。
これから夏場になると、冷房需要から電力需要は高くなり、供給発電量を超えると全体的な電圧降下が生じて、変圧器などのトラブル、社会システムの電子機器(例えば現金の電子処理)などに思わぬ支障が生じてしまいます。
この電圧降下を避けるものが計画停電ということですが、これにも社会的影響があって、あまり感心できませんね。
発表では、どうやら6月までの計画停電は無くなったようですが・・・

今回の震災の破壊のすさまじさは、現地に行かないと判らないくらいすごいということです。すなわち写真とかビデオでは到底その全貌を掴むことが出来ないくらいだと言うことでしょう。
その復興に全力が注がれるべきですが、その資材の供給がままならないとか。それを製造する工場が被害を受けているからです。
これらの復興に先ず必要になるものが電力であることはいうまでもありません。建材の製造・加工などには莫大な電力が必要ですし、その工場は全国に散在します。そしてそれらの連係がないと一箇所でも欠けると製品が完成しないことになります。(建築・土木は裾野の広い産業ですから)
計画停電をきめ細かく行ったとしても、復興が遅れることは間違いないでしょう。

現在の東京電力の震災前の発電能力は7800万KWだったとのこと。そしてそれがあの大震災後に4500万KWに落ち込むとか。
休眠中の火力発電所を復旧させて、フル稼働すれば5700万KWは可能だけれども、メンテナンスなどの必要性を考えると4500万KWがいいところだとか。
そこを何とか無理させても、5000万KWが限界。夏場のピークでは1000万KWは不足することになります。

しかしどう考えても計画停電はまずいのではないでしょうか?
製造ラインは一般的には流れ作業。途中で3時間の停電があるとすると、結局その一日は生産が出来ないなど、このような弊害が生じる工場もあるはずです。生産性の落ち込みは3時間分では済まないことを認識すべきでは?
生産性が落ちるということは、それだけ復興の足を引っ張ることになるでしょう。

そうすると残された道は節電ということになりますが、目的はピーク電力を下げることにあるはずです。
電力使用の下がった時間帯に節電しても、ほとんど意味がないことをもっと宣伝すべきではないでしょうか。
そして電力ピークがいつなのか、そういう情報も逐次知らせる方法を取るべきでしょう。
夏の冷房需要のピークに向けて、大型ビルの空調需要を調査し、大型ビルなどが持ち回りで空調を停止させるなどの対策は可能だと思うのですけど。(これには政府の命令が有効では)

電力需要が上がって来たときに電気代を上げ、下がってきたときに電気代を下げ、需給関係の市場原理を使ってピーク電力を下げようというのがスマートグリッド構想の基本思想です。
この情報をコンピュータネットワークを使って自動的に表示し、電力ユーザの判断で節電させること。そして安い時にバッテリーに逐電するなどの方法で一般需要に影響が出ないようにするのがこの構想の目的だったもの。
今回の大震災には間に合いませんでしたが、このような啓蒙活動は継続すべきではないでしょうか?
原子力発電の復旧にはまだまだ時間がかかりますし、もしかしたら廃止の方向に動くかも知れません。そうなると大気汚染のはなはだしい火力発電が再び主流になってしまうでしょう。
恐らく石油価格は上がるでしょうから、蓮舫議員ががんばっても、やがて電気代の値上がりは避けられないと思います。

今後の長期に渡る節電を推進するためにも、スマートグリッド構想は進めるべきだと思うのですけど。
大容量のリチュウムイオン電池もすでに自動車用に出来ていることですし、これからの大型ビル建設には大容量バッテリーの設置を義務付けるなどの方策も、原子力発電の負担を軽減する処置として有効なのではないでしょうか。

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