2011年2月15日火曜日

前原誠司外相、ロシア・ラブロフ外相と会談

民主党で唯一まともに見える前原誠司外相です。建国紀念日の11日、ロシアのラブロフ外相と北方領土をめぐって会談したとか。
建国紀念日を選んだのには、何か理由があってのことか、それとも単なる偶然か・・・

メドベージェフ大統領が訪問したり、北方領土は昔からロシアの領土だったと言ってみたり、日本へのけん制の激しいロシアの今日このごろです。
それだけ国内の経済状態などが厳しくなっているということでしょうか。

会談の結果はもの別れ。まあ判っているとはいえ会談することには大いなる意味があったようですね。
ラブロフ外相は「北方領土の歴史に関する日露両国専門家による共同研究をしよう」と提案。
どうやらその昔はロシア領だったことを捏造し得たのでしょうか?
これに対して前原外相はすべなく拒否。そして次にラブロフ外相は「北方領土での日露両国の経済共同開発をしよう」と持ちかけます。
共同開発はすでに韓国とか中共んも持ちかけている提案。それを日本にまで拡張するつもりでしょうか?
前原外相は「北方領土は歴史的にも国際法上も日本固有の領土だ」と述べてから、昨年11月のメドベージェフ大統領の国後(くなしり)島訪問に遺憾の意を表明。さらにロシアの北方領土での軍備増強の動きには「不必要な軍拡競争はすべきではない」ときびしくクレームを付けます。
ラブロフ外相も黙ってはいません。「ロシアの重要な領土であるあの地域(北方領土)の発展の責任はロシア側にある」と反論したとか。

どこまで行っても平行線。判っていてもイライラさせられます。
北方4島を「日本の固有の領土である」という前に、「8月15日の停戦のあと、どさくさに紛れて攻め込んできたソ連軍の暴挙を謝罪せよ」とはどうして言えないのでしょうか?
そして「北方領土の歴史の共同研究をしよう」との提案の影に、どのようなロシアの歴史観があるのか、もっと探りを入れてもらいたかったようにも思います。

会談の冒頭で「本日の会談はより良好的な政治の雰囲気の中で行いたかったが、残念ながらそうではない。日本で『北方領土の日』に関するさまざまな行事が行われたからだ」とラブロフ外相が述べたそうですが、それはこれらの日本側が行っている国民の運動を、ロシアが非常に気にしているということでしょう。
メドベージェフ大統領の国後島訪問を「許し難い暴挙」と非難した菅直人首相を、ラブロフ外相は厳しく非難しました。これも同じこと。

結局、そのあと前原外相はナルイシキン大統領府長官と会談しましたが、長官は「日本側が北方領土問題で強硬な姿勢を取り続ければ、領土交渉継続の意味がなくなる」と前原氏に警告しただけだったようです。
前原外相は、「日本の法的立場を害さない前提での北方領土での両国による経済共同開発の検討は私から申し上げたことであり、向こう(ロシア)から言われてやる類いのものではない」と、日本側の提案であると発言しましたから、共同開発は日本が主導権を取るということでしょう。

ロシア側は、年内にロシアで日露両国企業幹部らによる円卓会議を開催することで合意しているとのことですから、前原外相は今夏にもロシアを再訪することになるようです。

経済的に行き詰るロシア、ロシアの面子をどう立てて北方領土奪還を交渉するか、膠着した状態の領土交渉を動かすことが出来るのか、民主党・前原外相の手腕が、今、問われています。

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