2018年2月3日土曜日

ミサイル迎撃実験・失敗!

1月31日に、ハワイ・カウアイ島で行われた日米共同開発による弾道ミサイル防衛用の改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」による迎撃実験は、その実験結果については発表されませんでした。
実験方法は、ハワイ沖の航空機から発射された標的ミサイルをミサイル訓練施設からSM3で迎撃するというシナリオだったようです。

成功とも失敗とも言わないので、各メディアは「実験は失敗した」と報じたと言うことです。
同じ実験は昨年6月にも行われており、昨年は失敗でしたから、今回も失敗だとすると2回連続で失敗したことになります。

しかしこのような実験は軍事機密であり、撃ち落せなかったとしてもそこでは何らかのデータが採取されているはずです。実験の目的は常にデータ採取にありますから、次回の実験には生かされることでしょう。

現代の戦争はミサイル攻防戦になります。昔は船で取り囲んで艦砲射撃という恐ろしい攻撃から侵略が始まりましたが、時代は変わり船で出かけるのではなく、直接領土内から敵領土内へミサイルを打ち込む方式に変わっているわけです。

そしてそのミサイルの弾頭に核爆弾を装備すれば、核ミサイルとなり、戦争は核戦争になります。

北朝鮮が核爆弾を完成させた2006年10月、我が国の政治家「中川昭一氏」が「こうなると日本も核武装を考えなければならない」と発言したところ、当時のアメリカ・ブッシュ政権のコンドリーザ・ライス国務長官が飛んできて、「アメリカの核が日本を守る」と必死で日本の核武装を阻止してきました。

そして中川昭一氏が危険人物とみなされたのかどうか、彼はその後非業の死を遂げます。

アメリカが最も怖がった日本の核武装。
しかし最近はその恐れも薄れ、むしろ日本の核武装を奨励する動きも出てきました。その背後にあるのが、「北朝鮮の核」はもう止められないという現実なのでしょう。

平昌五輪が終わった時、アメリカは北朝鮮を核保有国と認め、その上で次の戦略を進めていくつもりだと思います。
なぜなら、それが一番「中共」への圧力になるからでしょう。

その段取りが、韓国に対する最後の通告で、それを平昌五輪の開会式前の首脳会談で行うことが、トランプ大統領と安倍首相の間で話し合われているように感じます。
ですからわざわざペンス副大統領が赴き、そして安倍首相も平昌に向かうということでしょう。

安倍首相は年内に憲法を改正し、自衛隊のさらなる強化を図るつもりだと思います。
韓国を消滅させ、その交渉相手を金正恩委員長に絞り、朝鮮半島に対する中共の影響を食い止める戦略に出るのではないでしょうか。
北朝鮮の金委員長は、少なくとも中共・習政権とはうまくいっておりません。ですから敵の敵は味方という戦略を取る流れに変わるかも知れないのです。

何らかの形でアメリカと北朝鮮の間の緊張が解ければ、日本の拉致被害者の情報も入りやすくなるでしょうし、日本の調査団も北朝鮮国内で活動できるようになるかも知れません。

アメリカは、北朝鮮を核保有国に認める代わりに、日本の核武装を容認するでしょう。日本は特に核開発をするまでもなく、戦術核爆弾をアメリカから買い付け、改良型イプシロン・ロケットの先頭につければ、それだけで十分ではないでしょうか。あとは自衛隊・核報復部隊を組織し、常に発射可能にしておけばいいだけですね。

そして時代が変わります。
北朝鮮の核武装は、イランの核武装となり、そしてその後「核ミサイル」は世界中に拡散していくでしょう。それを止めることはもはや出来なくなるわけです。
核拡散は防止出来なくなり、世界中に核ミサイルがあふれる時代がやってくるのです。

もうお解りでしょう。その時代に他国と軍事格差をつけるのは、ミサイル・ディフェンス技術の100%の完成です。
核ミサイルによる恐怖の均衡がこれまでの平和構築のセオリーでした。しかし核ミサイルが世界中に拡散すれば、この核保有国の優位性はなくなります。
そして優位を保つためには、「完全なミサイル・ディフェンスの充実」を達成させることになるわけです。

俗に、「ミサイル・ディフェンスは飛んでいる鉄砲玉を別の鉄砲玉で撃ち落とすこと」で、出来るわけがないと言われていました。
しかし技術は常に進歩しています。大気中の霧や雲を通して機能するXバンドレーダーとか、イージス艦で使われているフェーズドアレイレーダーの集中度を上げて攻撃可能な兵器にする可能性など、ミサイル・ディフェンスを可能にする技術上の進展があるわけです。

もはや止められない核ミサイル拡散という現実を前にして、次なる戦略上の優位を保つにはこの方法しかありません。打ち込むミサイルはバリアによって無効化され、そして報復核ミサイルだけは確実に打ち込まれる・・そんな「専守防衛」可能な国が、今後の「強い国」の条件になるでしょう。

日米で共同開発を進める迎撃ミサイルの実験は、このような次世代の強国を意図したものであると思います。
それが難しければ難しいほど、完成された時の技術的格差は開くことになります。
そしてミサイル・ディフェンス技術が確立されたことを世界が認識するとき、核兵器の無意味さが露呈するのではないでしょうか。

今回の実験は「核無き世界」を作ろうとする人類の、第一歩かも知れませんね。

0 件のコメント:

コメントを投稿