2016年12月27日火曜日

安倍首相、真珠湾訪問

去りゆくオバマ大統領に対する「ねぎらい」の意味もあるのでしょうか、安倍首相は、日米開戦の地・真珠湾を訪問し、あの大東亜戦争の犠牲者や、日米間で起きた事件の犠牲者などの慰霊を行ったそうです。

オバマ大統領は今年、真珠湾攻撃のあった12月8日の演説で、「かつての敵は現在、最も緊密な同盟国となった」と述べました。
もしかしたらこれから内向きになるだろうと言われているアメリカ合衆国・トランプ政権に対する牽制かも知れませんね。

真珠湾攻撃は卑怯な不意打ちだった信じるアメリカ国民もまだ居るでしょうが、1941年の11月付けのハワイの新聞に「日本、ハワイ攻撃間近か」という記事があったり、ルーズベルト大統領も知っていたという通説が、現在は信憑性を持って報じられています。

ルーズベルト大統領は「宣戦布告前の卑怯な不意打ちだ」として世論を「戦争やむなし」に強引に持っていき、そしてすぐさま欧州戦線に参戦していきました。

結果的に勝利したとは言え、どれほど多くの若者が犠牲になったのか、それが「ルーズベルトの責任」という著書にも、「フーバー回顧録」にも明確に書かれています。そんな戦争の必要があったのかと・・・

何も知らされずに奇襲攻撃を受けたハワイのアメリカ軍参謀は、「どの島からあの飛行機が飛んでくるのか」と調査し、それが島ではなく空母艦隊からであることに驚きを示したとか。そしてその爆撃の見事さに舌を巻いたとも聞いています。
アメリカ軍の被害もさることながら、その時に戦死した飯田房太中佐記念碑も真珠湾にあり、安倍首相はその記念碑にも献花したそうです。

戦後になって、アメリカ軍は原子力空母艦隊設立に当たって、あの真珠湾を攻撃した空母艦隊で生き残った元軍人に、空母艦隊の運営とか作戦立案のノウハウを聞きに来日しているそうですね。いかに空母艦隊の運営と作戦行動が難しいか、それを象徴している出来事のようです。
現在その難しさに苦慮しているのは、中共の空母艦隊かも知れません。中共の空母艦隊はアメリカと太平洋を二分割し、その目標がハワイ島だと言うのですから、歴史は繰り返されるのかも知れませんね。
もちろん、すでに時代は空母艦隊の時代ではなくなっておりますが・・・

安倍首相は、来年以降世界中で出現するであろう「国家主義」を見据えているのでしょうか。オバマ大統領に「広島」を訪問させたり、自らが「真珠湾」に慰霊したりすることがどういう意味を持つのかを知っていて行動しているように見えます。

「国境は戦争を引き起こすから国境を廃止して世界市民となろう」という思想が崩れ始めています。これは第二次大戦後の平和スローガンであり、極めてヘブライの思想に近いものだと思うからです。それは共産主義革命にうたわれ、そしてグローバル化の礎となる思想ですが、どこか現実的でなく、しかもその弊害が昨年までにあらゆるところに表出してきています。

それで「国境は生活を守るための殻であり、立地条件に合わせた法律が必要だ」ということが判ってきたということではないでしょうか。

ソビエト連邦の崩壊やらユーロの失敗、そしてグローバル経済の行き詰まりなどで、さすがに各国の国民たちも気づき始めたようです。
共産主義も共通通貨も、そしてグローバル社会も、結局は格差社会を固定化してしまうものであり、争い事は増えこそすれ無くなることは無いことがバレてしまったわけです。
それが「トランプ大統領支持」であり、欧州においても「国民戦線」やら「ドイツの為の選択子」に表出しているのでしょうし、中国共産主義の軍国化(国家主義化)にも表れております。

このまま世界が国家主義に変貌していくと、戦争の災禍が頻発してしまいます。そこに中共などが背後に付けば世界大戦の再発ともなりかねません。
国家主義は選民思想に注意せねばなりませんが、行き過ぎた自由、すなわち利己主義にも注意せねばなりません。

国際金融資本(言って見れば世界中の余剰資金の集合体)は、常に金利を付け続けなければならない宿命にあり、それをリセットするのが戦争と言うわけです。
デフレ経済下で苦しくなるのは我々の生活だけでなく国際金融資本とて同じこと。戦争を起こしたがるのはいつもこの余剰資本ではないのでしょうか。

余剰資本とは、大企業の資金運用かも知れませんが、同時に我々の未来への準備金でもあり、一つ一つはごく当然の貯金でもあります。それが国際金融資本にまとめられているとも言えます。これまでは銀行の倒産などで多くの人が財産を失い路頭に迷うこともありましたが、国際金融資本はこのような事を回避する手段を提供もしてきました。ただそれだけのことです。

グローバル経済は、デフレ下の世界経済に突き当たっているはずです。余剰資金はますます集まってきているでしょうから苦しいでしょうね。
中共は経済政策の失敗からますます苦しくなっているはずです。その苦しさから抜け出そうとして盛んに軍拡を行っています。アメリカとの衝突も意図しているかも知れません。

ハワイでオバマ大統領を見送った安倍首相が、来年早々向き合うのはトランプ新大統領です。
共に「国家主義」を見据えながら、世界経済の問題に取り組み、プーチン大統領も巻き込みながら何とか戦争だけは回避してもらいたいですね。

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