2017年4月30日日曜日

トランプ大統領vs.金正恩委員長

緊迫の朝鮮半島ですが、フィリピンのドゥテルテ大統領がトランプ大統領に「米国は朝鮮半島から手を引くべきだ」と発言しました。ASEAN首脳会議の席上です。
「北朝鮮のあの男を止めるのは中共に任せるべきだ。核戦争に勝者はいない。(派遣された)米国の軍艦は恐怖を呼んでいるだけだ」と言うことです。
しかしトランプ大統領がここまでやったからこそ、中共が動いたと言うことが判っていないようですね。

また、前大阪市長の橋下徹氏はソウルに出かけているようで、ソウルレポートなるツイッターへの投稿で、「このチキンレースは北朝鮮の勝だ」と述べているとか。
「国際社会からの厳しい圧力・制裁を受けながらここまでの事態にこぎつけた北朝鮮。他方、厳重抗議しかしてこなかった日本とここまでの事態に至らせた国際社会。今回のチキンレースでは北朝鮮の勝ちだ」と言うことです。
チキンレースにまで持ち込まなければ何もしてこなかった国際社会の責任は追及しておりません。

さらに橋下氏は「日本は憲法9条下の国造りでこういう事態には全く耐性がない。そんな日本が米朝のチキンレースに参加すべきではない。言いつけを守らなかった北朝鮮を懲らしめるなんていうのが一番最悪だ」などと述べ、「北朝鮮の核は韓国への脅威」とのティラーソン国務長官の話を「完全な誤り。ソウル市民は北朝鮮の核には何の脅威も感じていない。こういう誤った政治家の判断が無駄な戦争を開始させる」などと述べております。
韓国国民が脅威に感じていようがいまいが、現実の脅威であることは間違いありません。

ドゥテルテ大統領の「核戦争に勝者はいない」とした感覚はすでに過去の物ではないでしょうか。アメリカは核の小型化と規模の縮小で戦術核兵器を作っております。北朝鮮がアメリカに届くICBMを作ろうとする以上、アメリカは黙認できないでしょう。

多くの識者が指摘するように、どんなに圧力を掛けても、圧力だけでは金正恩委員長は核開発とICBMの開発を止めないだろうと述べております。
北朝鮮は、朝鮮戦争の後からずっと圧力を受けてきました。その圧力への対抗が日本国民を拉致したり大韓航空機を爆破したり、また中東のイスラム諸国に対する武器売買であったり覚せい剤の製造と闇販売だったりしたわけです。

国民の生活などを度外視している政権は、外圧など怖くはないでしょう。ですから圧力だけでは効き目がないわけです。
今回トランプ大統領が取った作戦は、「今度核実験を行ったら核開発施設を爆撃する」というもので、だから核実験をさせないように習政権に北朝鮮への厳しい監督を命じたわけです。

習政権は、「外科的手術」ならアメリカに攻撃させてもいいと考えておりますが、その後に米軍が北朝鮮に駐留されたら大変です。ですから現在必死に人民解放軍を動かしております。

空母カールビンソンが長崎沖で海自と共同訓練を行いながら日本海に入って行きます。
空母にとって最大の弱点は、一発ミサイルが空母に当たればそれだけで機能がマヒしてしまうことです。つまり実戦に当たって、空母は脆弱なのです。
この弱点を克服した機構がイージス艦というわけですが、カールビンソンの空母打撃軍にはこのイージス艦が含まれておりません。
そこで海自のイージスシステムを搭載した護衛艦の出番となるわけで、これが合同訓練の主たる目的でしょう。

おそらく訓練と言っても、さまざまな電子装置がカールビンソンと海自のイージスシステムとの間で連携できるかどうかの確認を行ってきたのだと思います。
このような細かいシステム運用が出来ないと。空母を核とする軍事行動は出来ないと言う訳ですね。

このような軍事配備を敷きながら、トランプ大統領はもし北朝鮮が6回目の核実験を実施すれば「自分も習近平国家主席も良い気持ちがしないだろう」と述べ、「習主席が北朝鮮に圧力をかけていると思う。現時点では何も変化はないが、起きているかもしれない」として、これまで発射されたミサイルに言及し「(発射されたのは)小さなミサイルだった。大きなミサイルではなかった。3日前に予想された核実験もなかった。何が起きるか見よう」と、中共の北朝鮮に対する圧力を注視する考えを示しました。

北朝鮮が新たな核実験を実行した際にアメリカ軍が攻撃するかどうかについてトランプ大統領は「分からない。そのうち分かるよ」と回答を避けましたね。

北朝鮮は「核があれば国が守れる」と信じています。核を持っている中共は「巨大空母があれば周辺国(特に台湾)を隷従させられる」と思っております。
日本は「憲法9条があれば国を守れる」と思っている人が多数派のようですが、この3国の中で一番妄想的なのが日本であることは間違いないでしょう。

トランプ大統領の習主席を利用した作戦は、金正恩委員長をどのように変えていくか、話し合いが通じない国家との交渉は、こうして進められていきます。

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