2017年4月25日火曜日

習近平主席の矛盾

トランプ大統領は北朝鮮情勢とアメリカの対応を、早朝の安倍首相に電話で伝え、その後の記者会見で安倍首相は「言葉と行動で示すトランプ大統領の姿勢を高く評価しました。その上で、いまだに危険な挑発行動を繰り返す北朝鮮に、強く自制を求めていくことで完全に一致を致しました。」と述べました

その後トランプ大統領は中共・習主席と電話で会談したのですが、習主席は「(北朝鮮に核開発を止めるよう要求した)国連安保理決議に違反する行為に断固反対する」と述べ、そのあとに「関係各国が抑制を保ち、朝鮮半島をめぐる緊張の悪化を回避する」ように求めたそうです。

「安保理決議」とは要するに裁判の結果のようなもの。そして北朝鮮はその判決に背いてなお犯罪を続けている犯罪者と同じです。
反抗を続ける北朝鮮に対して「断固反対する」という表明は良いのですが、トランプ大統領は中共に「だったら警察権力を使って制裁を加えて見ろよ」と要求しているだけです。

習主席の「朝鮮半島をめぐる緊張の悪化を回避せよ」とは、中共が責任をもって制裁すると言うことではないようですね。
何年も前から国連は北朝鮮を非難し、核開発を止めるように申し入れてきました。そして違反に対する責任者として「中共」に任せてきたわけです。

しかし習政権は何もしませんでした。今回のようにリップサービスは盛んに行っていましたが、そんなもので北朝鮮の犯罪を止めることは出来ません。
止める手段はただ一つ、暴力による抑止です。もし話し合いで解決できると思う平和主義の方々が居られるなら、なぜ今まで何もしなかったのかを問うべきでしょう。
彼らが、平和とか人権とか言うだけでサボっていたからこそ、このような事態になってしまったわけですから。

戦略なき「話し合い」は単なる「呪文」でしかありません。平和主義の方々が唱える「話し合い」という言葉に習主席も踊らされているのでしょうか。
北朝鮮との話し合いの背後には「軍事的緊張」が無ければ話し合いにはならないはずです。ですから習主席は、アメリカ軍が作り出している軍事的緊張の中で、北朝鮮と話し合えばいいだけなのです。

その結果話し合いで北朝鮮の核開発を止められなかったとアメリカが判断したら実力行使に出ますよ・・・と言うのが現在の状況ではないでしょうか。

北朝鮮のミサイルはアメリカ本土には届かないでしょう。しかし日本国内にある米軍基地には届きます。また、永田町など政府中枢の場所、安倍首相が居る総理官邸などにも届くでしょう。
そして、そのミサイルは北京に届くことも事実です。

カール・ビンソンを中核とする第一空母打撃軍が朝鮮半島に迫ります。韓国にはTHAADが配備されました。日本にはF35戦闘機も待機し、韓国には強襲揚陸艦も待機しております。
韓国の大統領選挙は5月9日、つまり北朝鮮攻撃の期限ですね。

この期限が無かったところで、ここまで軍事環境を整えれば運用費用だけでも膨大な金額になるでしょう。つまり長くは待てないと言うことです。
習主席はそこらへんを見て、わざとモラトリアムを装っているのでしょうか。
チベットやウイグルなど、無抵抗な国家には軍を送り非人間的な収奪は出きるけど、北朝鮮という最も中共にとって大事な地域では、何も出来ないのでしょうか。

世界中が習政権の出方を見ておりますが、王毅外相が訪問先のギリシャで記者会見を行い、対話再開を主張したうえで「解決の鍵は中共の手の中にはない」などと北朝鮮への影響力行使を求める日米にいら立ちをあらわにしたそうです。

人民日報系の環球時報では、「中共は武力によって朝鮮半島の現状を変えることには反対する」などと言いながら、「核・ミサイル開発を継続する北朝鮮に対し、米国が関連施設を空爆するなど『外科手術式攻撃』を選択するような場合には、(中共は)外交手段で抵抗すべきで軍事介入する必要はない」としています。

ただ、「米韓両軍が38度線を越えて北朝鮮に侵攻」し北朝鮮の政権転覆を目指す場合は、「中共はすぐに必要な軍事介入を行うべきだ」と主張しておりますから、北朝鮮に親米政権(傀儡政権でも)が出来ることだけは軍事的にでも阻止する構えのようです。

とりあえず中共は今度は石油の大幅制限を警告し始めたようです。平城ではガソリン価格が高騰し始めたとか。

おそらく北朝鮮の人民(国民)は、「どうでもいいから早く決着をつけてくれ」と言ったところでしょうか。そして「アメリカがやってきて金体制を崩壊してほしい」と心の中では思っているのではないでしょうか・・・

今のところの駆け引きはトランプ大統領優勢のようです。さて、この決着のシナリオはどうなっているぼでしょうか。

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