2017年2月5日日曜日

頑張れアメリカ・・・

トランプ大統領の出した入国禁止令を、米西部ワシントン州の連邦地裁は合衆国憲法に違反するとして、その命令を一時差し止める命令を出したそうです。

ワシントン州シアトルのファーガソン司法長官は、「宗教で人々を差別するものだ」とか「憲法で保障されている平等保護に違反する」として提訴し、それに乗ったのが中西部ミネソタ州、東部ニューヨーク州、マサチューセッツ州、南部バージニア州、ハワイ州がこの一時差し止めを訴えているそうですね。

しかし大統領は差別で入国拒否を出したわけではなく、アメリカ国民の安全を守る為にこの命令を出したわけですから、どこかこの「訴え」は馬鹿げていないでしょうか。
もし、一時停止を訴えるなら、「国民の安全が脅かされることは無い」ことを言下に証明して、その上でこの大統領令の無意味さを訴えるのが筋だと思うのです。
その証明が出来なければ、「宗教差別」だとか「合衆国憲法(基本法)に反する」などということは理由にならないと思うのですが・・・

現実を見ないで、理想ばかりを追っているアメリカ国民の一部が、大統領の「安全対策」を標的にしているように見え、そしてこれは日本国民の中にある「平和憲法改正反対」とか「軍備は戦争になるからダメ」などという妄想平和に酷似しているように見えます。

まったく妄想を持っていないジェームス・マチス合衆国国防長官が来日して、安倍首相と会談し、そして稲葉防衛大臣と会談を持ちました。
アメリカが二つに分断されてしまったような錯覚を感じるファーガソン氏とマティス氏です。

マスコミに出てくる内容ではあたかも「表敬訪問」のような感じも致しますが、どう考えてももっと現実的な「尖閣防衛」と「北朝鮮ミサイル防衛」が話し合われたことだろうと考えています。

会談の内容はともかく、評論家の鍛冶俊樹氏はメルマガで、「マティス氏の愛読書に、古代ローマ帝国の皇帝、マルクス・アウレリウスの書いた『自省録』があるが、これは私も学生時代に愛読していた。」と述べております。

そしてこのマルクス・アウレリウスは、西暦161年頃の皇帝で、ローマ帝国が繁栄の頂点を超えて戦乱の時代になってからの皇帝であり、自ら戦地に兵を率いて戦わなければならなかった人だそうです。
そしてこの「自省録」には戦争の話は殆どなく、人間の生き方などへの考察や倫理思想などが随筆風に記されていて、禁欲的な姿勢と諦念的な人生観は日本の末世思想とも通ずるものがあるとのこと。

そしてマティス氏は、斜陽のアメリカ帝国をかつてのローマ皇帝と同じ思いで見ているのではないか・・との感想を述べております。
さらに鍛冶氏は、「哲学にとって人生の究極にある死は主要な関心事であり、軍人は死の恐怖に直面するから、哲学と軍事は死という一点で強く結ばれていると見ることも出来る。トランプ政権の矢継ぎ早の政策が米国の防衛にとって急務であることを米国民(の多く)は認めているのである。斜陽の帝国アメリカをどう立て直すか?日本もアメリカ帝国の版図にある以上、この問いは避けては通れない」と述べております。

このような感覚で見ていけば、やがてアメリカは衰退し、他の国が世界覇権を取るように思えてきますが、まだアメリカが衰退していくとは思えません。
東西冷戦構造が終わってから、むしろアメリカ一極主義の方が不自然だったと思います。

トランプ大統領は演技を心得ているようです。「私はヒール役でいい」とか言っていたようですが、確かに閣僚の布陣はそのようです。トランプ大統領は国内に向けて戦いを挑んでいるように見えます。
そして国外の本当の闘いは自分が人選した閣僚に任せる・・・という布陣で、マティス国防長官などが対中対策に乗り出すというものです。

マティス長官は稲田防衛大臣との会談で、「南シナ海で中共は信頼を踏みにじった」「中共はますます対立的な行動を示している」などと矢継ぎ早に中共を非難する言葉を並べたそうです。
中共の急速な台頭により、地域のパワーバランスが激変する懸念も口にし、「慢心はしてはならない。安全保障環境の変化に順応しなくてはならない」と日本の防衛にくぎを刺したとか。
ピーターナバロ氏の本を読めばよく判る一言ですね。

一方のトランプ大統領は、国内の人権派やグローバリストと戦っているようです。
大統領令の7か国入国禁止令はまだ停止されていないようで、ノルウェーの元首相ボンデビック氏もダレス国際空港で「イランへの入国歴がある」と言う理由で40分待たされて20分の尋問を受けたとか。

このような記事は大きく報道されるアメリカの分裂状況なのです。マスコミがほとんど反トランプですから、もはやメジャーな記事を見てもアメリカの実態が判らないと言う事になりますね。

アメリカ国民の安全と経済的安定のために、グローバリストやリベラル派の妄想と戦うトランプ大統領、そして自由と民主主義という価値観を守るマティス長官などの外交が見えてきましたね。

人類は、科学とそれを利用した技術によって進歩したように見えます。しかし生き物としての人間の実態は、あのローマ帝国の時代と全く変わっておりません。そのことをもっとリベラル派やグローバリスト達も自覚するべきではないでしょうか。
それこそが妄想でない平和追及の道だと思います。

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