2017年2月10日金曜日

トランプ大統領と内田茂氏

内田茂都議会議員が、77歳という高齢もあって次期都議会選挙には出馬せず、引退をなさるそうです。
これは昨年にもマスコミなどでリークされていましたが、先日の千代田区長選挙とは何の関係もないそうです。

彼は「都議会のドン」と言われていました。おそらく本人にはそんな気はなかっただろうと思います。では、なぜ「ドン」と言われたのか・・・自民党都連が持ち上げたからではないでしょうか。

内田氏は人心掌握が優れていたのでしょう。しかしそれが他の議員達に利用されたのかも知れませんね。
交渉力があるのでしょうか、東京都が抱えるダーティな交渉を内田氏はこなしていたのかも知れません。都議会議員はその手を汚すことなく「きれいごと」を言っていれば議員が務まったために、やがて内田氏を「東京のドン」と呼んでいたのかも知れませんね。

首都東京は、さまざまな行政上の決定を下さねばならず、場合によっては利害が絡み合う場合もあったでしょう。中には「モンスタークレーマー」なども居て、そんな交渉にぶつかれば都の職員でも下手をすれば「失策」として蹴落とされるかも知れません。
都議会議員も同じでしょう。

内田氏がどのような手段を使っていたのかは判りません。その都度考えて、トラブルを解消していたのでしょう。しかし、これは暗黙の取引であって、その後で関係者に何らかの便宜を供与する必要もあったはずです。
裏側で権力を発揮する性格ですから、想像は出来ますね。

ですから内田氏に恩を感じている都職員や都議の議員達も居る反面、彼によって潰されて行った人たちも居たのでしょう。
およそ行政などと言うものは、「きれいごと」では済まない部分も多いでしょうし、権力にはそれなりの「采配力(あるいは誤魔化す力)」も必要なのですよ。

内田氏は裏側からこのような采配を振るっていたようです。それが内田流だとしたら、アメリカのトランプ大統領は逆に表側から攻め込みます。
トランプ大統領は経営者から大統領になった人です。ですから政治の裏側などは知らないでしょう。そして表側側から攻め込むのがトランプ流のようです。

言葉は抽象的ですが「暴言」のようにしゃべりますから印象が強烈です。「メキシコとの間に壁を作り、その費用はメキシコ政府に出させる」などという言いまわしです。
メキシコの大統領は50歳のエンリケ・ペーニャ・ニエト氏です。トランプ氏の想像通り「メキシコは壁は作らない。その費用も出す気はない」などと応答してきました。

トランプ大統領は「メキシコからの輸入品に20%の関税を掛けて、その金で壁を作る」などと述べましたが、それってアメリカ国民から受け取る税金じゃないのかな?
経営者ならミクロ経済で考えれば良いけど、為政者になったら主権国家の経営なんですからマクロ経済で考えなければなりませんよね。

言ってることはめちゃくちゃですが、おそらくトランプ大統領はメキシコとアメリカの国境がほとんど放置状態になっていることを訴えているのでしょう。
しかも、そこにトンネルが掘られ、それを使ってメキシコからアメリカに大量の麻薬が運び込まれています。
そしてアメリカからメキシコには、大量の武器が搬送され、現実にもう放置できない状況なのです。

しかも、麻薬も武器もメキシコよりもむしろコロンビアとかペルー、ブラジルなどからの輸送であって、メキシコの主権の侵害も甚だしい状況にあるわけです。
メキシコ政府も手をこまねいているわけではなく、なんとか取り締まろうと活動はしているようですが、何しろ犯罪者側には莫大な金があり、軍用の武器を持っていたりしますから被害も大きいわけです。
このような犯罪組織をメキシコだけでなく、アメリカも協力して取り締まろうと言うあたりが落としどころのようですが、トランプ流が今後どのように変わっていくか見ものですね。

このトランプ大統領と東京都の内田氏、スケールはともかくその手法が正反対ですが共にマスコミに叩かれているわけです。

内田氏が降りた後、はたして小池都知事は東京都の裏社会を取り仕切れるでしょうか。
トランプ流に倣って、正面から対峙していくと言う方法もあるようですけど・・・

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