2014年9月13日土曜日

リコーが3Dプリンターの開発に着手

株式会社リコーが2014年9月8日に「3Dプリンターの仕入れ販売や3Dプリンタによる出力サービスなどを中核とするアディティブ・マニュファクチュアリング(AM)事業に参入する」と発表しました。
いよいよ日本製の3Dプリンターが登場することになりそうです。

しかしながらリコーは、あくまでも企業ユースに徹するようで、最近のパーソナルファブリケーション指向が理解されていないようですね。
産業主義から情報主義へ変わっていることがまだ判らないようです。

今後リコーは、これらの技術を用いた3Dプリンタの自社製造・販売も視野にさらなる研究開発を進める方針だそうですが、あくまでも企業本位で、企業の設計・製造部門が中心顧客となるモノづくりイノベーション拠点「RICOH Rapid Fab(リコーラピッドファブ)」を神奈川県の横浜市と厚木市に開設するということです。

3Dプリンターとレーザーカッターは、現在流行しているデジタルファブリケーションの基本設備ですが、あくまでも机上マニュファクチャリングというコンシュマープロダクトが今後の主流になるような気がするのです。

すでに消費者は、工場が作り出す耐久消費財に飽きていることと、商品のライフサイクルの短命化で不良在庫を恐れる企業側のすくみ状態になっているような気がするからです。
パソコンやスマートフォンも、OSなどのレベルアップで買い替え需要が起きているものの、容量やスピードも限界近くなってきています。
そうなれば、買い替え需要も起きなくなってくるはずです。

世界的に進むデフレは、需要の伸び悩みから起きているはずです。旺盛な需要があるはずの途上国や貧困国は、デフレ下の世界にあって政情不安定となり、さらに宗教間対立が激しくなっていますから、しばらくは需要喚起どころではないでしょう。

デフレ克服のための需要喚起は、まだ先進国が牽引しないと経済が破壊され、取り返しのつかない戦争へと突き進んでいくかも知れません。

この流れがどのようになっていくかはまだ判りませんが、まだ景気を刺激するムーブメントにはなっておりません。
この机上マニュファクチャリングが、新たな家電になることで景気刺激がなされれば面白いのですけど。

しかしながら、どんなに机上マニュファクチャリングが進んでも、すべての人々が出来るようにはなるわけがありません。簡単だと言ってもやはりソフトウエアの操作などはむつかしいものですからね。
そうすると「出力センター」というよりも、「小売店舗」のような机上マニュファクチャリングが必要になります。

需要家は機能とデザインを別途に注文し、デザインなどは自分で行うことも可能になるわけです。機能は従来の工場製品を購入することになりますが・・・
オリジナル、即ち需要家のプロトタイプとしての商品が出来るわけです。このようにして、新しい商品流通が出来上がってきます。
机上マニュファクチャリングは、これまでの小売店のような位置づけとして顧客を確保していくような、そんな未来が考えられますね。
これによって新たな仕事も増えていくはずです。

このような流れをリコーは感じていないのでしょうか。Rapid Prototypingとは、プロトタイプ(最初の一個)を早く作成するという意味ですが、そのあとステレオタイプ(量産品)があるというわけではないのです。
しかしリコーは、あくまでも試作品のLabを想定しているようで、だいぶ世界の潮流とは違っているように感じます。

全ての人が、その個人用のプロトタイプを一個だけ求めることが、これからの先進の買い物になるということです。この世に2つと同じものは無いと言うものこそ、価値がある・・・という生産方式です。

一つ当たりの価格は量産品の3倍以上。でも大事に使うでしょうし、壊れても修理が可能ですね。
あらゆる耐久消費財にこの生産方式が取り入れられて良いように思います。安くてよければ大量生産製品が安く買えます。
つまり机上マニュファクチャリングとは、あらゆる製品(商品)の付加価値になるということです。

自動車などにも適用出来ますが、交通法規の変更は必要になるでしょうね。

そういう活動が始まらないと、今度の世界デフレは収まりそうも無い気がします。戦争にでもなれば別ですけど・・・

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