2014年9月7日日曜日

首相一人の対中戦争・再開

改造内閣を完成させた安倍首相、すぐに対中戦線に復帰です。
6日午前、安倍首相は昭恵夫人を伴ってバングラデシュとスリランカの2カ国歴訪に向け出発しました。
デング熱に気を付けて、成果を上げてほしいですね。

中華人民共和国の海上交通路戦略であり、インド封じ込み戦略となるパキスタン、スリランカ、バングラデシュ、モルディブ、ソマリアの軍港、即ち「真珠の首飾り」を、一つ一つ外していく安倍戦略の実践です。
今回はバングラデシュとスリランカのネックレス・フックを外せるかどうかが注目点です。

真珠の首飾りのチョークポイントは、香港からスタートして、海南島の運航を経由し、タイのバンコクを経てシンガポールを回り、マラッカ海峡を北上してミャンマーを経由、バングラデッシュのチッタゴンに至り、さらにスリランカのハンバントタを回ってモルジブのマラオからパキスタン経由でスーダンのポートスーダンとかケニアのラムに至る線になります。

今回はバングラデシュとスリランカですから、ベンガル湾側の北側を外してしまう作戦かも知れませんね。

バングラデシュは貧しい共和国です。イスラム国家ですがイギリス連邦加盟国になっています。ベンガル人の国家という意味でバングラデシュというわけです。
ベンガル湾に注ぐ大河ガンジス川の河口に当たり、世界で7番目に人口密度が高い国でもあります。

貧しくても、この地域には歴史があり、紀元前4世紀のマウリヤ朝から6世紀のグプタ朝まで数々の王朝の属領で、紀元前7世紀には文明が存在したことが証明されております。ヒンドゥ教や仏教が入り、現在はイスラム教国となっているようです。

この国の貧しさを作っているのが、やくざな高利貸だと見抜いた人が居ました。
ムハマド・ユヌス氏です。そして彼は私費を投じて1983年にグラミン銀行を設立、この銀行からマイクロクレジットという、8万4000村で558万人ほどの貧しい女性に対して無担保で少額の資金を貸し出す仕事を始めました。
それまでは50%以上の日利(一日の金利)で貸し付けていた地元ヤクザを相手に回し、日利20%で貸し付けたのです。
貧困の女性達は働き者で、朝にこのマイクロクレジットで観光客相手の土産物などの材料を買い、それを家庭内手工業で竹籠などの土産物を作り午後売り出します。
毎日売上から借り入れ額+20%をグラミン銀行に払えば、あとは生活費となるだけでなく、貯蓄に回せるようになったのです。

女性たちが働き者でも、男性が怠け者では国家は発展しません。しかし貧困から少しでも脱却できる目途が立てば社会は変わっていきます。
こうして少しづつ貧困からの脱却に成功させているグラミン銀行は、今は貧困対策の新方策として国際的に注目され、主に第三世界へ広がっているそうです。

こうして1984年に マグサイサイ賞、1998年にはインディラ・ガンディー賞などがムハンマド・ユヌス氏に付与され、そして2006年、ユヌス氏はノーベル平和賞を受賞しました。

バングラデシュには韓国や香港(中共)からの投資が入っています。近年では中共の労働コスト上昇に伴い、バングラデシュの廉価な労働コスト(月給が中共の1/3)が注目されており、繊維製品等の軽工業製品の輸出は増大しているようです。しかしまだ貧困から脱したとは言えない状況が続いているようですね。

チャイナ+1の製造国として非常に注目を集めているバングラデシュ。この国に安倍首相はどのような日本からの経済援助をするのでしょうか。

スリランカは民主社会主義共和国です。1948年に英国から自治領として独立して「セイロン」という国名にしました。日本でもセイロン紅茶として名前は有名になりましたが、1972年にスリランカ共和国に改称し、英連邦内の共和国となり、1978年から正式に現在の国名となったそうです。
背景にはシンハラ人とムーア人の対立など、内戦の影響があるようですね。

7割の国民が仏教徒だそうですから、共産主義にはならないはずですね。
2012年が日本との国交樹立60周年に当たる年だそうです。どうやら独立は大東亜戦争によるもののようですね。
「憎悪は憎悪によって止むことなく、愛によって止む」というブッダの教えを引用して、対日賠償請求権の放棄を明らかにすると共に、日本の国際社会復帰を求め、日本の国際社会復帰の道筋を作ってくれた国でもあります。
そして1981年に、今上天皇(当時は皇太子)がスリランカを訪問されております。

バングラデシュ、スリランカと、まだあまり中共との関係は深くないようです。中共も経済支援を打ち出しているでしょうから、日本の方式を良く説明し、現地に技術導入をしたり、技術教育をしたりするシステムを強調すれば、中共の影響力を抑え込むことが出来ると思います。

バングラデシュに到着した安倍首相は、早速ハシナ首相と会談し、ハシナ首相は来年10月の国連安全保障理事会非常任理事国選挙への立候補を取り下げ、日本を支持すると述べました。
ハシナ首相も世界情勢を良く知っておられるようですね。

今後の安倍首相の交渉に期待しましょう。

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