2014年9月18日木曜日

習政権、今度は新シルクロード構想

9月上旬、タジキスタン、モルディブ、スリランカ、インドの4カ国を訪問した習主席は、新シルクロード構想に本格的に取り組むつもりのようです。
新シルクロード構想とは、昨年習主席が言い出した新しい理念とかで、海上のシルクロードと陸上のシルクロードの2本のシルクロードから構成されるそうです。

海上シルクロードとは、福建省からインド、アフリカに至る海上貿易ルートであり、陸上シルクロードとは西安から中央アジアを経て地中海まで続く貿易ルートです。
今年3月の全人代で、王毅外相は「2本のシルクロードは、アジア全体の経済が力強く飛び立つための2枚の翼のようなものだ」と述べております。

しかしこの構想は、これまでの中共の経済発展を支えてきた先進主要工業国との貿易の伸び悩みに加えて、欧米や日本からの投資の勢いも減少していることから、中央アジアとの経済関係を重視し、貿易を拡大させたいとの中共政府の思惑が含まれているわけです。

陸上のシルクロードというルートには、新疆ウイグル自治区の独立を支持するイスラム勢力が居り、海上シルクロードとしているルートには領有権を巡って対立する南シナ海の各国が並びます。
習政権はこれらの問題をどのようにするつもりなのでしょうか?

経済が逼迫する中共です。打開策としての新シルクロード構想のようですが、難問が山積している構想のようです。
軍事的威嚇によってこれらの問題を解決する積りかも知れませんね。

インドもイスラム圏も、宗教的感動が理解出来ない華人には、まともな経済交渉は出来ないはずです。政治の上に宗教がある民族と、その宗教を政治の下に置こうとする華人。とても話にはならないはずです。
ですから解決手段としては軍事的な方法しかないだろうと思うのです。もっともその前に詐欺的な交渉というのがありそうですが・・・

アメリカが衰退していく中で、中共はその覇権をかすめ取ろうと躍起です。
無人機を作ったらしく、尖閣上空を空撮してその写真をウェブサイトに掲載したりしております。また、無人機の展示会で、参加したメーカーが撮影した写真を公開したらしく、尖閣諸島とする写真には、白い灯台や「日の丸」の旗などが写っているそうです。
これが中共の技術力を誇示するものなのかどうかは判りません。あるいは「空爆はすぐにでも出来るぞ」という脅しなのでしょうか。

中共は5000トン級の船舶を完成させました。来年1月海警局に引き渡され、東シナ海に投入する予定だとか。
海上保安庁の持っている船は、最大で確か3500トンだったと思いますが、それよりもかなり大きな船を中共が作ったわけです。
これで尖閣周辺(東シナ海)は完全に中共が支配する海域になるかどうか、海保の操船技術で何とかなるのかどうか・・判りませんが、東シナ海は来年から海保と海警のバトルになりそうですね。

大きければ強いとして、それが正しいとする華人の発想に対し、日本は小さくても知恵と勇気があれば勝つことが出来て、それが正義だとする国民性です。(鉄腕アトム指向ですね)

この日本の正義観は、ヘブライにもあります。巨人ゴリアテ(英語ではゴライアス)と戦う若きダビデの物語は、旧約聖書のサムエル記に登場する物語りです。

ゴリアテは身長2.9メートルもあるペリシテ人で、鎧を身に着け大きな鉄の槍を持っていました。羊飼いのダビデ少年は、3個の小さな石と石投器だけを持ち、鎧も何もつけずに挑みます。(ミケランジェロの彫刻でお馴染みのダビデ少年です)
ゴリアテは「さあ来い。おまえの肉を空の鳥や野の獣にくれてやろう」と、中国人みたいな挑発をします。ダビデ少年は「お前は剣と槍を頼りに戦うが、私はお前がなぶったイスラエルの戦列の神、万軍の主の名を頼りに戦う。戦いは剣と槍の力で決するものではないことを人々は知ることになるだろう。これはイスラエルの神の戦いである」と叫んで戦闘を開始します。

向かってくるゴリアテに、袋の中から1個の石を取り出し、得意の石投器に装着したダビデは、勢いよく回転させて放つと、石はゴリアテの額に命中し、うつ伏せに倒れたゴリアテの剣を奪い、それでゴリアテの首をはねてしまいます。

大きいことが強さであり、それを正義と感じている華人は、薄熙来氏を有罪にするとき、わざわざ彼よりも背の高いバスケの選手を両脇に立たせて有罪としたくらい大きさにこだわります。
そして大きいものに刃向うのは悪い事(馬鹿だ)という動物の論理を持っているようです。自分を誇大に表現したり、力関係に敏感なのもこの価値観があるからでしょう。

この価値観が世界に通用するとは思いません。
新シルクロード構想も、他国の価値観とズレがあればまとまらないでしょう。中共の経済が今後も繁栄するならばともかく、自国の公害すら対処出来ない国が、これからも発展するとは思えません。

中共の価値観を共有できる国家、民族など居るのでしょうか?
ただ彼らの陰湿な暴力が恐ろしいだけではないでしょうか。植民地支配をしていた白人国家よりも、不気味で気持ち悪く、そして暴力的な中共の姿が見えてきますね。

新シルクロードに当てはまる国家群が求めているのは、バランサーとしての日本であるような気がします。
もちろん、きちんと軍備がなされた、あの強い日本なのですが・・・

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