2013年3月29日金曜日

日米同盟はどこまで進むのか


太平洋戦争を死に物狂いで戦い、戦後は戦勝国として日本に君臨したアメリカ。その時の圧倒的な経済力も60年を経過して衰えてきました。
日本国民の物作りに掛ける情熱に対して、アイディアから直接,むりやり目的の製品を作り上げてしまうアメリカ国民。これが製品の成熟度において日本が優位に立った原因でしょう。

アメリカは、設計とプロダクトが分かれていて、設計には優秀な人材が取り組みますが、ラインでのプロダクトとなると、それはレイバー(単純労働者)の仕事として軽蔑するふしがあります。

日本では、ラインでのプロダクトにも設計者が関与し、改善というフィードバックをかけながら常に品質向上を計ります。
つまりアメリカは設計主義、日本は保守(メンテナンス)主義ということで、結果的に日本の手法が勝ったということになりますね。

設計はアメリカで、製造ラインは日本で・・・ということなのでしょうか、F35という最新鋭の戦闘機の組み立てが三菱重工・小牧南工場で行われることになり、そのエンジン部分はIHIの瑞穂工場でおこなわれることになりました。

アメリカは、これらハイテク兵器の中核はソフトウエアにあり、ハードウエアの部分はもう同盟国に渡しても大丈夫という感覚なのではないでしょうか?
すなわち、単純労働でレイバーの仕事の部分は、「日本に任せた方が良い」という発想です。

それに、日本はきちんとライセンスフィーを文句を言わずに支払いますし、日本の技術(職人技)で作ったすぐれたハードウエアが世界の自由主義国家に販売されれば、アメリカは大儲けが出来るという算段も出来ますね。

これまでのハイテク兵器はアメリカのソフトウエアの部分がブラックボックスになっていて、ゆえにアメリカ軍が協力しなければ自衛隊は戦えない状況にあることは確かです。
F35は、アメリカのすぐれた設計と、日本の職人技が合体して作られることには何の異存もありません。しかし、このソフトウエア・ブラックボックスだけが気にかかります。

F35が実戦配備になって、トラブルが発生した時が勝負。その時こそハードウエア側からソフトウエア側のミスを指摘して、ソフトウエアの全体像(ブラックボックス)を教えるようにアメリカに要求しましょう。
F35は、超短距離離陸と、垂直着陸の機能を持ち、しかも無人機にもなるという設計思想です。
ですから入力や出力点数が万の単位となっているであろうF35のプログラマブルコントローラーのプログラムは、そんなに簡単に完成するはずはありません。それもスピードが要求される回路ですからさらに大変でしょう。
開発期間が延びているのは、ひとえにこのプログラムの難しさが原因のはずです。機体に金属疲労が見つかったなどというのは、時間稼ぎの方便だと思います。
ですから、必ず日本側に有利なタイミングがあるはずです。国産でのソフトウエアの開発も考えましょう。

この複雑なF35戦闘機をマスターすると、今後の兵器開発に必要な基礎技術はほとんどマスターできるでしょう。
さらに日本には「はやぶさ」で見られたように宇宙兵器操縦技術も持っております。
武器輸出3原則とか、平和を守れない平和憲法などに邪魔されなければ、かなり高度な兵器開発が可能な土壌を、日本は持っています。

アメリカが作り上げるソフトウエア。 インターネットからネット通販の決済システムまで、他国の追従を許しません。アメリカの金融は欧州とは違って、電子マネーの世界、即ちソフトウエア・マネーと言っても良いはずです。
ネットに侵略するウイルスなどの防御プログラムも、そのほとんどがアメリカ製。アメリカがソフトウエアによって世界の金融と軍事を抑える算段であることは、TPPなどを考えなくても十分に判ります。

しかし、このソフトウエアの中核となるオブジェクト指向という概念は、どちらかというと日本人の思想体系に近いものです。
日本語の持つ優位性であって、意志を明確にしないで、結論を後にする構成は、最近のスマホなどに見る「マニュアルレスの操作」と似ています。何をしたいかではなく、何をすればどうなるか、経験によってマスターするという方向で(Experienceと呼ばれていますが)、世界的に認知されてきました。
これが日本語的アプローチであることを、もっと日本国民は知るべきです。

ここが判れば、日本のソフトウエア技術はもっと楽に進展するはずです。この発想の元はゲームプログラムから派生したとも言えますし、ゲームプログラムの老舗は日本ですから。

これからの軍事技術の基礎となるF35のソフトウエア、そして経済の基礎となるであろう電子マネーのソフトウエア、ともに日本語文化圏(日本だけですけど)に有利な方向なのではないでしょうか。

日米同盟は、日本が指導権を取ってこそさらに進化するような、そんな気がいたします。

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