2013年3月15日金曜日

3月の月例経済報告、上方修正


民主党政権だった昨年の8月から、4ヶ月連続で景気は下方修正どんどん悪化していました。しかし、土壇場の12月、ついに野田首相が解散を決定し、総選挙の結果「安倍・自民党」が政権に返り咲くと、「アベノミクス」への期待が高まり、1月から2月までは常に上方修正となって、景気の持ち直し局面になってきました。

そして3月、円安株高の進行は継続し、企業の設備投資に改善の兆しが出ています。鉱工業生産指数も2カ月連続で上昇しているそうです。

このまま行けば日本経済と世界経済が逆転し、世界経済がデフレに陥り、日本経済が成長局面となることが期待されます。
日本にはまだ生産力が残っています。不況しか知らない若者が、好景気の忙しさにどのように対処していくかは見ものですね。

しかし、ちょっと不吉な記事もありました。
「はごろもフーズ」という会社が、「シーチキン」ブランドの缶詰計16品目を、2.2%~6.1%値上げすると発表したことです。

マグロの世界的な需要増と、絶滅を危惧する漁獲規制があることは計算済みだったようですが、急激な円安進行までは予測できず、キハダマグロなど原材料の輸入価格が大幅に上昇してしまったことが値上げの理由だとか。

ここで気になるのが、2.2%~6.1%の値上げになると言う点です。
アベノミクスでは、物価目標を2%上昇としております。我々は輸出競争力に気を取られ、1ドル100円で輸出産業は楽になるということは語られますが、それでは輸入原材料はどうなるのでしょうか?

3月に入って、1ドル95円になってきました。円安はまだ止まっていません。アベノミクスが動き出すと、円はさらに下がるのか、それとも落ち着くのか・・・まだ判りませんけど。
円安が止まらず、140円位になったらどういう現象が起きるのか・・・

シーチキンの値上げは、165グラム入りの缶詰が330円から345円に値上がりするだけですから、生活にはあまり影響はありません。
しかし、アベノミクスは物価上昇2%という制限を設けていますから、輸入原材料の値上がりで小売価格が平均2%を超えてしまうと、金融引き締めの局面に入ってしまいます。

シーチキンは原材料の価格がモロに価格に出てくる商品です。もっと高付加価値の商品なら原材料の値上がりは吸収できるかも知れませんが、油断は禁物です。
せっかく景気回復に向かう日本経済が、2%という物価高になって、すぐに引き締めになってしまうと再びデフレになってしまいますから。

物価の平均を2%上昇させるのに、どのくらいの公共投資が必要なのでしょうか? この算定を行う時は、その通貨発行によって原材料が値上がりすることも考慮しなければならないはずです。
そして、それは為替レートがどのくらい円安に振れるかということを意識するということに他なりません。為替は思惑で動きますし、巨大資本によって操作される部分もあります。

もし、為替操作で日本の原材料費を値上げし、物価上昇を2%越えに誘導することが出来れば、その操作によって再び日本をデフレ状態に戻そうとする陰謀も考えられるのではないでしょうか?

円安で韓国が悲鳴を上げ始めました。韓国といっても、ほとんどがアメリカ資本。韓国の悲鳴がアメリカに伝播すれば、さらなる円安誘導を行い我が国の物価を上げ、2%を超えさせ引き締めに持っていくことも可能かも知れません。

日本が引き締めに入った時点で、再び円高誘導を行えば、アメリカ経済を有利に導けます。
為替誘導は国家がそれを行えば非難されます。しかし民間企業が行うことは「市場の反応」として容認するのがアメリカ流です。
アメリカが「アベノミクス」を評価したとしても、それはアメリカにとって有利な場合のみで、為替によってコントロール可能だから評価したのかも知れません。

国際金融市場・・・安倍政権はそれと向かい合って戦わなければならないのですね。

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