2020年6月25日木曜日

日の丸コンピュータ世界一!

理化学研究所と富士通が共同開発した新型スーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が、計算速度のレースで世界一に輝やきました。

今から9年前にやはり世界一を達成した日の丸コンピュータ「京(けい)」も富士通が開発したスーパーコンピュータでした。
しかしそれから、アメリカも頑張り中共も頑張って、日本のコンピュータは順位をかなり落としてきました。

アメリカも中共も、スピードの競争ならば力づくで早くすれば良く、莫大な電力を使ってスピードだけを追求したわけです。
計算スピードの速いコンピュータは、暗号解読とか顔認証システムなどに効果を発揮します。情報戦が戦争の中核となって来た21世紀、スーパーコンピュータは戦略的にも軍事的にも必要不可欠な存在になって行ったのです。

そうであっても、スーパーコンピュータを動かすために原子力発電所が専門に必要になるなど、あまりにも非現実的な状況になってきたことも確かです。
そこで出てきたのがGREEN500と言うスパコンの省エネ性能を競う、つまり電力効率の良い高性能計算の実現を評価するランキングでした。

2012年に日本のスーパーコンピュータがアメリカに抜かれ、2013年にそのアメリカが中共に抜かれるなどしていた時期、多数のスパコン関連会社を抱えるPEZYグループの齊藤元章(さいとう もとあき)氏が、2015年6月にPEZYコンピューチング社と文部科学省所管の理化学研究所とで共同研究契約を締結し、同年7月に理化学研究所へ設置した「菖蒲」がGREEN500で世界第1位になり、斎藤氏の青睡蓮が第2位・睡蓮が第3位となります。

斎藤氏はベンチャー企業ExaScaler社の研究で「暁光」などのスパコンを開発し、独特の冷却技術で小型で高性能なスパコンを設計してきました。
そして2017年1月、科学技術振興機構から「磁界結合DRAM・インタフェースを用いた大規模省電力スーパーコンピュータ」という新規課題で1億円~最大50億円の貸付を受け取ります。

その後8月になって、ブロックチェイン技術と暗号通貨技術に関連するシリコンチップの開発、暗号通貨のマイニング業務をする会社・株式会社ZettaHashの取締役会長になったあたりからおかしくなってきたようです。
12月になって、メモリーデバイスの開発に関する助成金を受け取った際に、水増し請求した詐欺容疑で東京地方検察庁特別捜査部に逮捕されてしまいます。

またも出てきた東京地検特捜部です。アメリカの指示で動くことの多い特捜ですから、対中情報漏洩の危険があったからかも知れませんね。

このような経緯があって、理化学研究所と富士通の研究が落ち着きを取り戻し、そして「富岳」が開発され、世界第一位を取り戻したようです。

世界で多くのスーパーコンピュータが開発されていますが、いずれも使うのにかなり手間がかかるようです。

「京」の場合もその操作は難しく、慣れたスタッフがいないと利用者はその扱いがうまく出来なかったようです。
メーカーが勝手に作ったスマホの様なもので、利用者の扱いやすさに対する考慮が欠けていて、ゆえに売れなかったようですね。
売れないと言う意味は、オンラインで各種研究機関からシミュレーションに利用するなどの応用顧客があまり増えなかったことが指摘されていたようです。

これではスピードで世界一になったとしても、営業的には失敗、宝の持ち腐れと言うことになります。
この「京」よりも100倍速い「富岳」ですから、何としてでも世の中に役立つ仕事をして欲しいとの思いも強かったようですね。

ハードウエアは富士通の技術で世界最高のスピードを出しても、使用しやすさはソフト技術で決まります。それを担当していたのは理化学研究所の方だったのでしょうか?

理化学研究所の松本紘理事長は、「世界のトップに立ったからといって慢心することなく、今後も富岳の力を引き出す努力をしていく」と記者会見で述べておりますが、使いやすさの中に使用料が安くなると言う点は入っているのでしょうか。

すでにこの「富岳」、武漢発症の新型コロナウイルス対策で利用が始まっていると聞きます。
クラスター解析のシミュレーション、あるいは遺伝子解析のシミュレーションなど、我々の為にすでに働いている「富岳」。

富岳とは富士山の別名であります。再び返り咲いた日の丸スーパーコンピューターが、人類の役に立ちますよう祈念いたします。

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