2018年9月16日日曜日

米中経済戦争、その行方

近代の戦争がどのように展開するか、それが米中経済戦争ではっきりしました。ドル経済圏の異端児「人民元」、その人民元がドル経済圏から抜けて独自の経済圏を創ろうとしていることから、今回の経済戦争が勃発したわけです。

世界の工場と言われるまでに育った共産党の国家は、アジア、アフリカ、南米の途上国や経済劣等国に狙いを付けて、AIIBという高利貸を使った融資を行い、担保としての領土・港湾施設獲得で家根来の拡大を狙いました。
その上で、人民元による交易を活性化し、人民元の勢力を伸ばしてドルを駆逐しようと言う戦略であり戦術で、それをもって現実に動いたのです。

この戦争に、中共はアメリカのクリントン・オバマ政権に使った手口が「金銭的アプローチ」と、そして「中共は豊かになれば自由化する」という「幻想の目くらまし」でした。
これを成功させてきたのは、国際金融資本を握りアメリカの国政を牛耳るという戦争を仕掛けたからです。

アメリカ国民の反応は、トランプ政権の選択でした。

中共は、まさかと思ったトランプ政権の誕生に、これまで仕掛けてきた戦略を練り直し、トランプ政権にアプローチを掛けました。最初の1年はうまく行ったかに見えましたが、2年目から手のひらを返したトランプ政権の「経済戦争(中共潰し)」が始まった訳です。

考えてみれば、第二次世界大戦に日本を巻き込むことでナチス・ドイツと対峙したアメリカが、この時に最初に取った行動が日本の経済封じ込めでした。
どうにもならなくなった日本が真珠湾を攻撃すると、それをだまし討ちとしてアメリカ国民の有色人種差別意識に火を点け、ヨーロッパ戦線に多くのアメリカ兵を送り込みました。

今回の中共との経済戦争でも、「サイバー真珠湾に警戒せよ」という言葉が示す通り、あの時のアメリカの戦略を模していることがよく判ります。
最初に撃たせて、それから全面攻撃を行うアメリカの戦争のやり方が変わっていないということです。

習政権はまだアメリカと全面戦争など出来ないことは解っていますから、さまざまな方策を講じて来るでしょう。
その最初が「安倍首相との対話」です。何とか日本を中共側に引きずりこんで経済支援をさせて、トランプ政権が終わるまでの間を凌ごうという作戦かも知れません。

マハティール首相が誕生したマレーシアで、中共離れが起きそうです。一帯一路の鉄道計画をは白紙に戻したマハティール首相ですが、借金は残ります。
中共側は当然返済を求めてきます。この借金をどうするか、マハティール首相の腕の見せ所ですが、どうもいまいち戦略が出ていないようですね。

日本でも高利貸から借りて借金地獄に陥った方々が、過払い金の返還訴訟という手法で救われたことを思い出してほしいものです。
国家の借金はこれと同じ手法でできることはありませんが、「返済期間を延ばす」という交渉は可能ではないでしょうか。

中共は借金のカタに港湾の租借権を100年としてきましたから、返済期間を100年に延ばして土地等の租借は断るという戦略です。
国家は個人と違って寿命はありませんから、100年くらいの猶予は可能です。そしてその環に緩やかなインフレ策を取り、金利以上の経済成長を狙い、借金の相対価値を低める事も可能です。

国際間には民事訴訟はありませんから、この中共との交渉には味方をつけておかなければなりません。そして何と言っても軍事力が必要なのです。
軍事力と言えば何と言ってもアメリカです。軍事力を背景にして、返済期間の長期化(100年)を交渉するわけです。決して「借金の踏み倒し」を感じさせるような文言をつかってはいけません。

国家間には弁護士を使った法の元での交渉は出来ません。そんな法律は無いからです。そこで法律に変わって必要となるのが「軍事力」と言う訳です。
アメリカの軍事力が背後に付けば、AIIBとその元締めである中共は、返済の長期化を呑むか、それとも戦争に訴えるかの選択を迫られます。

戦争に訴えれば、アメリカはすぐに攻撃に移るでしょう。南シナ海の人工島の基地は絶好の標的と化すのではないでしょうか。海南島へもバンカーバスターが使えます。東シナ海では国土防衛ですから自衛隊の防衛出動は可能なはずです。そして人民解放軍は現状ではまだ全面戦争は出来ないでしょう。
核ミサイルを使うには相当の覚悟が必要となります。その覚悟が中共政府にあるでしょうか。

戦争に訴えられなければ、返済しないわけではなく、期間を延ばすだけの交渉に応じなければなりません。100年という期間に文句を言うならば「租借100年」を取った中共へ跳ね返ってくるでしょう。

もともと返済出来ないことを知りながら「過剰信用」で貸し出したお金です。その責任はAIIBに跳ね返り、そして中共政府にダメージを与えます。
こうして中国共産党は終焉を迎えるのではないでしょうか。期待しましょう。

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