2017年9月16日土曜日

北朝鮮のミサイル・常態化か?

9月15日金曜の朝6時57分、再びJアラート(全国瞬時警報システム)が12都道府県で鳴り響きました。北朝鮮からミサイルが発射されたからです。

ミサイルの飛距離は3700キロで襟裳岬の東約2200キロの太平洋上に落下したそうです。飛行時間は約19分間でした。

Jアラートが鳴っていますから、発射の瞬間は捕らえたものと思われます。自衛隊法に基づくミサイルへの破壊措置はとられませんでした。そして今回も日本の領域で落下物は確認されておらず、航空機や船舶への被害情報はないとのこと。

前回のミサイルより1000キロメートルも飛距離が伸びて、確実にグアムの米軍基地までは届く距離です。それをアメリカに見せつける挑発行為ですが、アメリカはすぐに反応しませんでした。

安倍首相はインド訪問から戻り、羽田から首相官邸に急ぎ、官邸で「先般の国連安全保障理事会決議で示された国際社会の一致した平和的解決への強い意思を踏みにじり、北朝鮮が再びこのような暴挙を行ったことは断じて容認できない」と述べるなど、これまでと同じ論調を繰り返しました。
現行憲法ではこれ以上のことが出来ないことは、日本国民は皆知っております。

北朝鮮を訪問して戻ったアントニオ猪木議員は、「北朝鮮のミサイルと核実験は、アメリカの挑発が続く限り続く」と述べておりますから、国際社会の北朝鮮制裁が続く限り、ミサイルを撃ち続け、核実験をやり続けるという訳ですね。

アメリカは「北朝鮮と取引のある国とはアメリカは取引しない」と述べましたから、メキシコ、ペルーなどの国家は北朝鮮大使を国外追放にしたりして、北朝鮮の蛮行を非難しております。
河野外相は、パラオのレメンゲサウ大統領と外務省で会談し、「国際的な脅威で看過できない。全ての国が圧力を強化すべきだ。」と述べて、大統領は「日本や韓国、米国の立場を支持する」と述べ、日米韓3カ国と緊密に連携する考えを表明したそうです。

北朝鮮との交易の最も多い国が中共であることはご存知の通りです。そして中共もまた北朝鮮との交易で利益を出している国家です。国連が経済制裁を課しても、中共が効果のある制裁を加えなければ北朝鮮にとってはなんの心配もないでしょう。
ロシアも北朝鮮とは交易国です。そのロシアも制裁には消極的です。しかし今回の核実験で、国連安全保障理事会が出した制裁案に中共もロシアも賛成しました。
内容が大幅に修正され、ほとんど制裁の意味のなくなった制裁案ですが、北朝鮮にとっては中共とロシアが賛成したことが問題だったのかも知れませんね。

アメリカはロシアに対してすでに経済制裁を掛けておりますから、今回はロシアが北朝鮮制裁になぜ賛同したのか判りません。安倍首相の説得効果でしょうか?
中共は表と裏を使いわけ、北朝鮮との交易を活発化しております。それを黙って見ているアメリカ。その理由は中共への制裁がアメリカは不可能だからだと言うことです。
つまり現在は中共に経済制裁を加えると、なぜかアメリカの方が損をする構造になってしまっているとか。これは間違いなくトランプ政権のジレンマでしょう。

裏取引であろうとどうであろうと、中共との交易が止まらなければ北朝鮮は核とミサイルの実験をやめることは無いでしょう。ですからアントニオ猪木議員の顔色を見るまでもなく、制裁がまったく効いていないことを実感しますね。

そしてこのミサイル発射は今後もさらに続くでしょう。もしかしたら日本国民は「またか!」という感覚になって、すぐにゆでガエル状態になるようにも思います。
そのようなことも熟知している北朝鮮なのです。

さて、北朝鮮がミサイルを発射するとすぐに日本のJアラートが鳴っています。これはミサイルの迎撃にとって一番難しい、そして不可能とされていた「敵国からの発射の認知」が出来ていることを伺わせます。
発射の認知が出来ていて、しかも飛来する方向も算出されているからこそ、今回の12地域へのJアラートの発信が可能になったとしか思えません。

ということは、迎撃ミサイルを撃つことも今後は可能になるということではないでしょうか。
現在の日本はパトリオット、PAC2の迎撃システムしかありませんからスカッドミサイル程度の物しか撃ち落とせません。しかし発射直後に発射の認知と方向・早さが確認されているのですからミサイルの軌跡はすぐに割り出され、飛距離のある、高度が高くても届く迎撃ミサイルさえ開発すれば迎撃可能になります。基礎技術はイプシロン・ロケットで実証済みですからね。(現在は日本国憲法によりそれが出来ませんが)

Jアラートはハイテクの空襲警報です。この情報の精度をさらに高めることが、今回の北朝鮮の、そして今後も続くミサイル発射で可能になります。(その開発は日本国憲法で可能だからです)
アメリカでの迎撃実験は、ミサイルがいつ撃たれるか判っていての実験ですから、迎撃が出来たとしても実際の戦闘では使えません。Jアラートはその欠点を補う最も重要なシステムと言えるのではないでしょうか。

こうして日米が協力していけば、やがてミサイル攻撃は不可能になり、そしてやがて核ミサイルの時代は終焉を迎えることになるように思います。

是非、北朝鮮には今後もミサイル発射を続けてほしいものですね。我が国のミサイル防衛システムの進化の為に・・・

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