2015年8月5日水曜日

ビットコイン、CEOの逮捕

ビットコインは外部からの侵入に対しては安全・・ということが言えるのかどうか、渋谷のマウントゴックスの事件が、最高経営責任者が主犯だった疑いが出てきたようです。

平成23年に渋谷に設立されたビットコインの取引所、マウント社は平成26年2月に「ハッカー攻撃を受けた」として取引を停止し、東京地裁で破産手続きが進められておりました。
世界中の顧客12万人から集めた資金28億円が消失した上、約65万ビットコイン(7月31日現在で231億円相当)が流出という事件で、このブログでも取り上げました。

マウント社は顧客に対する賠償責任を持ちますが、現金が消失してしまったために払い戻しが出来ず、従って東京地裁に破産手続きを申し込んだわけです。

世間はビットコインに懐疑的でしたから、「そんなものに金を出したからだ」などと被害者への風当たりも強かったようです。
ビットコイン側は、マウント社だけがセキュリティが甘かったなどとして、世界に展開している他のビットコイン取引所は安全であると言うことで、現在も取引き活動が続けられております。

さて、インターネット犯罪にピリピリしている警視庁です。このようなお金に絡むハッキング行為が行われたとなれば徹底的に操作します。
マウント社で使われていたコンピューターがすべて押収され、徹底的に調べられたのでしょう。ハッカーよりも優れた技術者を使い、通常はセキュリティの問題で立ち入りが出来ないようなサイト(銀行の個人口座など)にも司法の許可を得た警視庁の捜査命令で入り込めますから、どのようにしてハッキング行為が行われたのか、その情報トレースは民間機関よりも半端でなく広範囲に行うことが出来るはずです。

その結果、約1年半かけて出てきたのが、ハッカー攻撃を装ったマウント社の最高経営責任者・フランス人のマルク・カルプレス氏による横領事件かも知れないことが判ってきたと言うことでしょう。

捜査によるとカルプレス容疑者は平成25年2月中旬、マウント社の社内システムを不正操作し、自身名義の口座残高を約1億2400万円(100万ドル)分水増ししたと言うことです。
捜査当局がカルプレス容疑者らのパソコンを解析したところ、現金の入金記録がないのに、カルプレス容疑者の口座残高が急激に増えていたことが発覚。残高の変更にはCEOのアクセス権限が使われた形跡が見つかったということです。

これが本当であれば、外部からハッキングされたわけではないことを意味します。つまり、ビットコインという管理不在のシステムが、犯罪者を取引所の管理人にしてしまったことが原因だったと言うことになります。
マルク・カルプレス氏の罪状は「私電磁的記録不正作出・同供用」と言うことですが、この意味がよく判らないことと、カルプレス容疑者は「納得できない」「ハッカーがやった」と容疑を否認しているそうですね。

銀行にある自分の口座がハッキングされて残高が増えることがあるのでしょうか。自分にしかわからないIDとパスワードを、ハッカーに盗まれて改竄されたとカルプレス氏は述べているわけです。
改竄が自分の口座であり、しかもそこの金額を増やしてくれるハッカーが居るでしょうか?

しかし、いないとも言いきれないところが面白いところで、ビットコイン企業に悪意を持つハッカーが、マウント社を陥れるつもりでCEOのパスワードを盗み出し、改竄したということが立証できれば無罪となるのかも知れませんけど。

失われた金額は現金で28億円、ビットコインにしたものが231億円です。そのうちカルプレス容疑者の口座で見つかった金額が約1億2400万円だということですから、あとの257億7600万円はどこに消えたのでしょうか。

今後の捜査は、そこが焦点になるでしょうが、30歳のフランス人・カルプレス氏の単独犯行とは考えにくいのでは・・とは、私の考えです。

フランスは他の欧州諸国と同じように、中東から移民を受け入れている国家です。カルプレス氏の友人に移民の方が居て、その人にIDとパスワードをうっかり教えてしまったか、何か書類を盗み見られた・・などのケースも考えられます。

この人がISILなどの組織に入っていて、不正操作を行ったということは無いでしょうか?
カルプレス氏の口座に約1億2400万円の改竄を行い、残りの257億7600万円を組織の資金に持っていった・・・などのケースはどうなんでしょうか?

ビットコインは通貨発行を国家から切り離した通貨です。そして政府通貨との交換も可能になっている電子マネーです。
日本の数学者が考案したとなっておりますが、真偽のほどは明らかではありません。経済犯罪に使われる懸念は払拭されておりませんが、それでもインターネットの中で生き続けています。

厳しい中共から資金を持ち出す手段として使われたとか、ISILへの送金がビットコインで行われている・・などの噂は飛び交っておりますが、いずれも事実かどうかは判りません。

今回のこの事件、マルク・カルプレス容疑者の単独犯行で幕引きになるのか、それとももっと奥を警視庁が追及するのか、不明の257億7600万円の行方はどうなっているのか・・など、まだまだ捜査は続くようです。

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