2015年8月27日木曜日

自民党総裁選は9月20日か

自民党の総裁選挙について、谷垣禎一幹事長は「普通にいけば8日告示、20日投開票になる」と述べました。
選挙は当然候補者が複数いなければ成立しません。内閣支持率が40%を切った7月、石破茂地方創生担当相が総裁選挙への立候補をぽのめかしました。
また、野田聖子前総務会長も出馬を模索していることが明らかになりました。

しかし、8月に入って安倍首相が「戦後70年の談話」を発表すると、支持率が上がってきました。
現在は、読売新聞の調査(8月16日の調査)で、支持率は45%を回復し、不支持率も45%に低下、横並びの状態となっているそうです。

石破氏は総裁選不出馬を表明しました。まだ野田聖子前総務会長は「(自民党には)有望な議員がたくさんいる政党だと信じているので、無投票になることはおそらくないと思う」と述べるなど、出馬の意向を維持しておりますが、立候補に必要な推薦人20人を集められるかどうかは微妙な情勢だそうです。

安倍政権の支持率を挽回した「戦後70年の談話」は、総じて評判が良いようです。
中には「これでは英霊が浮かばれない」などという純粋な保守派の方々も居られるようですが、この談話が政治的意味合いの物であることを考えれば、非常によくできております。

欧米は絶賛しました。中共の「反国際法」的な活動を見ていれば、今回の安倍談話は国際法遵守の日本を謳い上げていますから絶賛せざるを得ない事情もあったでしょう。
そして中共の金融から見たメリットもすでに失われていますから、日本への投資期待も高まっているはずです。

一方、中共や韓国もこの安倍談話には反論がしにくいはずです。きちんとあの戦争が間違いだったことを認め謝罪していますし、慰安婦という言葉はなくても、間違いなくそのことに謝罪をしているからです。

「中国、東南アジア、太平洋の島々など、戦場となった地域では、戦闘のみならず、食糧難などにより、多くの無辜の民が苦しみ、犠牲となりました。」として、中国だけでないことを明言し、また「戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません。」という韓国の女性だけではないことで、中韓両国の口封じをしています。

そして日本が今日あるのは、「敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国をはじめ、本当にたくさんの国々から、恩讐を越えて、善意と支援の手が差しのべられたおかげであります。」などと、わざわざ中韓をその他にまとめたりして、感謝の念を述べております。

最後のダメ押しが、「私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し・・・『積極的平和主義』の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。」というところです。このくだりは、中共を非難し、中共に対する警告ともとれる表現だからです。

先に英文で作り、それを日本語訳してからさらに練っていった「70年談話」です。もちろん村山談話はこれで上書きされました。河野談話も影響力をかなり薄めることでしょう。
歴代首相が「村山談話を踏襲しますか?」などと聞かれ、雰囲気的に「踏襲します」としか答えられなかった時代は、これで終わったわけです。

マスコミは「村山談話、安倍談話、どちらを踏襲しますか」などとは聞けないでしょうし、まさか「安倍談話を踏襲しますか」などとサヨク・マスコミが聞けるはずもありません。
これが「上書きされた」と言う意味です。

中共も大きな声で非難が出来ません。この談話が「国際秩序への挑戦者となってしまった過去の日本」を謝罪しているからです。
へたに非難すると「国際秩序に挑戦している中共」が表面に出てきてしまうからで、そういう仕掛けの安倍談話になっているからです。

日本国民は、この談話をいわば「右脳」で感じ取ったのではないでしょうか。それから安倍政権の支持率が上がってきました。
この談話を「おおむね良好」とする論評はありますが、分析、解析する論評を、まだ私は見ていません。しかし国民には解ったようです。
そして分析すれば本当の大東亜戦争史を論じなければならなくなるように仕掛けられていますから、サヨクも黙っています。

この談話は政治的談話であり、中には政治的トラップがいっぱいです。サヨクは真正面から文句を言うことは出来ないでしょう。
そして総裁選挙に使うことも出来ません。野田議員はこの安倍談話を論戦には持ち込めないと思います。

国会を取り囲むサヨクの「戦争法案反対」に対して、日の丸を掲げる「安全保障関連法賛成」の国民たちです。(マスコミは「戦争法案反対」だけしか写しません)
安倍政権への支持と不支持が真っ二つに分かれているように、安全保障関連法の国民の賛否も真っ二つですね。

参議院での「安全保障関連法案」がどうなるのか、情勢は微妙なようです。その中での自民党総裁選挙ですが、野田議員が立候補するかどうか、20名が集まらなければ安倍首相の無投票での継続となるのですけどね。

0 件のコメント:

コメントを投稿