2015年8月12日水曜日

21世紀構想懇談会報告はダメなのか?

8月6日に出された「21世紀構想懇談会」の報告書は、「大陸への侵略」と地域を限定した上で平成7年の村山談話の不正確な部分を指摘しておりますが、これを不服としたのが「新しい歴史教科書をつくる会」です。

つまり・・「満州事変以後の日本の行動を、『大陸への侵略を拡大』したと位置づけているが、今では実証的事実に基づく検証に(この解釈は)耐えられず、歴史の大きな文脈の解釈においても見直しが急速に進んでいる。少しでも歴史の評価を慎重に行おうとする歴史家は、安易に日本の戦争を『侵略戦争』と片付けるような見方はしていない。」・・と言うわけです。

懇談会の報告書には、「『侵略』と言う言葉についても、国際法上の定義が定まっていない」と書かれていますから、安易に侵略とか侵略戦争という文言は入れないでしょうが、そこに「要注意」をしたためた要望書が「新しい歴史教科書をつくる会」から安倍首相(官邸)に提出されたと言うことです。

この背景には、サヨク・マスコミと自民党議員も含めた親中派による安倍首相への圧力があったからではないかとも言われております。
つまりこれまでの村山談話を出来るだけ踏襲させようとする圧力ですね。どうせ自分たちの既得権を守ろうとする行為なのでしょうが、大義としての意味を持たせられますので、「官邸」がどのような戦後70年の談話の発表になるのか心配なのでしょう。

すでに「従軍慰安婦」の嘘もはっきりしていますし、「南京虐殺」もあり得ないことが判っています。さらに新しい証拠文書が多く見出されていることも確かですね。

今度の安倍談話は、村山談話後20年を経過して出されるものです。そして新しい事実も判ってきましたし、朝日新聞社の「30年前の記事取り消し」という事実もあります。
「新しい歴史教科書をつくる会」の言うことはもっともなことだと思います。

しかし、真実を書くべき・・とする教科書と、政治的発信となる「安倍談話」には、やはり若干の違いはあるのではないでしょうか。

例えば「南京大虐殺」が無かったことは判っております。「新しい歴史教科書をつくる会」も、なかったことは教科書には書かないとして、新しく出版された教科書からは南京の記述が消えております。
しかし、この南京大虐殺は東京裁判で公表されたものです。
しかもその理由は、アメリカ軍の日本本土爆撃(焼夷弾と原爆)で非戦闘員を30万人以上殺戮してしまったことがはっきりしていて、このままではアメリカ軍も悪者になってしまうという事情があったからです。

そこでねつ造されたのが「南京大虐殺」でした。提案したのは宋美齢かも知れませんよ、裏側から・・

気を付けなければいけない点は、逆にこのことを中共側から言われ始めることです。「この嘘でアメリカを助けてやったのだ」と。
中共側に残された証拠(ねつ造でしょうけど)が発見されたとして提出され、「初めて判ったが、我々は南京大虐殺という嘘を、アメリカの為にねつ造していた・・」と言いだしたら、日米はどうするのでしょうか。
南京虐殺と言う罪状で松井石根大将は絞首刑になっています。それが無実だったとしたら東京裁判史観が根底から覆ります。・・・

中共の目的は「日米離反」にあります。日本はアメリカに謝罪を求めざるを得なくなり、アメリカは日米同盟を見直し始めるかもしれません。
日本国内の親中派は急激に力を盛り返すかもしれません。そして日中が共にアメリカを断罪し始めるという図式が生まれてしまったとしたら・・・

そうすると日本の安全保障が土台から崩れてしまいます。アメリカの極東戦略も根本から考え直さなければならなくなるかもしれません。
ですから、真実だからと言って洗いざらいぶちまけることは、避けた方がよろしいように思います。敵の目的がどこにあるか、情報戦争では注意深く考える必要があるのではないでしょうか。

この問題は、先にアメリカ側が「東京裁判で南京虐殺事件を訴えたのは国民党だった」として、「それは再検証する必要がある」と言えばいいだけなのですけどね。
そうすれば「アメリカを助けてやった」などとは言えなくなりますからね。後手に回った方が負けです。

南京問題は東京裁判のあと歴史論戦の舞台から消えておりました。蒸し返されたのはアイリス・チャンが1997年に書いた「ザ・レイプ・オブ・南京」からでした。
ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに10週間掲載され、南京大虐殺の嘘が日本軍国主義の悪行として世界的に知れ渡ってしまったのです。

アイリス・チャンはその後「ザ・チャイニーズ・イン・アメリカ」と言う本を書き、中国系アメリカ人に対する迫害を告発したりしましたが、「歴史的証拠の裏付けが欠如した、軽薄な中華思想とロマン主義に陥った駄作」と酷評されたりして、「CIAのような米国の政府組織からつけ狙われていて逃げ場所がない」などと言う遺書を残して自殺してしまいました。(殺されたという噂もあります)

ともかく、この「ザ・レイプ・オブ・南京」という著作から、中共は日本の南京大虐殺を喧伝し始め、大虐殺記念館などを作っております。本に使われた写真などがキャプションとは全く異なっている写真であるにもかかわらず・・です。
アイリス・チャンの銅像まで建てて。

中共は「嘘」で日本を貶めるために「アメリカ」を使います。東京裁判での「貸し」を使っているのでしょうか。
新しい「安倍談話」では、アメリカに対してはどのような政治的発信がなされるのでしょうか。
・・・安倍談話は、8月14日に発表される予定です。

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