2015年5月5日火曜日

憲法記念日と改憲

5月3日は憲法記念日でした。今から67年前、太平洋戦争に敗れ、進駐してきた駐留軍によって原案が作られ、それをほとんどそのまま日本文にした憲法でした。

進駐軍のトップはマッカーサー氏でアメリカ人です。マッカーサーは日本占領の統治で天皇の効果を利用し、日本政府を使った間接統治を考えていたわけです。
連合国側のソビエト連邦、中華民国は天皇制度の廃止を望んでいましたから、マッカーサーにしてみれば早急に憲法を作ってしまい、天皇制を残してゆっくり解体に向かわせる方策を取りたかったのです。

国際法違反であることを知っていたマッカーサーは、あくまでも日本国民が望んで作った憲法であるように見せようと、日本国政府(暫定政府)を使います。
昭和22年5月3日に施工された日本国憲法は、それでも一応形式的には明治憲法の改正手続きがとられたと言うことです。

この憲法に異議を唱える政治家・知識人は大勢いました。
「ひとまず英文でまとめて、それを日本文に訳したがごとき印象を与える。占領治下の暫定憲法ならいざ知らず、これをそのまま独立国家たる日本の憲法として子孫後代に伝えるに足る形式を持っているか説明を願いたい」とか、「日本政府が憲法改正に最後まで自主自律的に自らの責任をもって決行できなかったことを極めて遺憾に感じ、国民の不幸、国民の恥辱とさえ感じている」と言うものだったようです。(東大総長も務めていた南原繁)

しかし、天皇制護持を第一に考えていた日本政府は、ここで拗れて天皇制廃止に傾き、本当に日本が無くなってしまうことは絶対に避けなければなりません。
それにしても、自衛権も奪われることは阻止しなければなりませんでした。自衛権が無くなることは、生命体で言えば「免疫機能を失うこと」を意味します。病気で言えば「エイズ」ですね。

しかしマッカーサーは憲法第9条第2項を重視しておりました。「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」という文言です。
第1項で、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」としていますから、これで良いはずですが・・・そうとはならず、第2項にマッカーサーが絶対に入れなければならないとしていた「エイズウイルス」が入ってきたのです。

その時「芦田議員」は、この文言の削除ではなく、前に「前項の目的を達成するため」と言う文言の追加を求めたのです。
この連合軍側との交渉は、憲法第66条第2項を設けることと引き換えで採用されました。これを芦田修正と呼んでいます。これで日本は自衛権は放棄していないことになり、即ち「集団的自衛権」を行使できるし、領土了解に侵犯してくる国家意思を叩きのめすことが出来るわけです。
(憲法第66条第2項とは、「 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」と言うものです。)

こうして制定された日本国憲法は、それから67年間「芦田修正」は封印されてきました。アメリカの要望もあったようですが、それよりアメリカとの間の安全保障条約があり、またそのアメリカと日本が冷戦構造の中でうまくやってこられたという側面もあると思います。

しかし今、中共の日本領海侵犯とか、北朝鮮の日本国民拉致誘拐・殺人などの問題が発生し、それを解決することが出来ません。
そしてこれらの問題は、国権発動の戦争ではなく、国土と国民を守るための自衛戦争として戦うことで解決するはずです。
それは「芦田修正」の有効利用であり、同盟国アメリカを巻き込むこともなく、日本と中共、日本と北朝鮮の戦いであり、国家犯罪に対する警察権行使と見なすことが出来ます。(犯罪捜査と犯人逮捕の戦いです)
自衛隊を公務員ではなく軍隊・軍人とするように法改正が必要となりますが、このような脈絡で国民の意志(決意)を示すならば、中共と北朝鮮の日本に対する対応は変わってくるはずです。

北朝鮮の拉致された方々は未だに帰ってきておりません。日本政府は圧力をかけているそうですが、最初から「戦争はしない。話し合いで解決」などという態度を見せますから、相手は交渉内容すら反故にしてきます。また、朝鮮総連のビルなども、結局北朝鮮事務所が残ってしまう結果になることを見ても、国内にある種の権力を持った日本人が手引きしているとしか思えません。(だから拉致も解決しないのではないでしょうか)

中共のサラミ・スライス侵略も、「これ以上侵略すると戦争になる」ことを感じるまでは続くでしょう。日本側がいくら「歴史的に見て日本領」などと言っても、最初から「戦争放棄」では聞く耳など持ちません。

憲法改正が叫ばれておりますが、それはそれとして、現憲法のままでも国土と国民を守るための戦争は可能であるとする「芦田修正」の解釈を、世界中に喧伝し「常識だ」とする同意を取る必要があるでしょう。
議論ではなく、「それは現行憲法に明記されている」ということで・・・

憲法改正の議論は、こうして「現行憲法でも戦争可能」とすれば、「九条の会」なども改憲に応じて来るのではないでしょうか。そうすれば第96条の改正はすぐに出来ると思います。
96条の改正が出来たら、あとは「国土と国民を守るための戦争は可能」とする解釈のままでいいはずです。サヨクの方から憲法改正を言って来るまではね。

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