2014年11月11日火曜日

同床異夢の日中首脳会談

APECで安倍首相と習近平主席との初会談が行われました。11月10日の12時頃から始まった首脳会談は25分程度で終わっていたようですから、対話の実質は15分程度だったのではないでしょうか。
完全にレームダックと化したオバマ大統領ですが、習政権は一大イベントとして迎え、長時間の会談など米中2大国の世界支配を匂わせたかったのでしょう。派手な演出付きで・・・
残されたオバマ・アメリカの2年間で中共はアメリカを中華思想配下に置こうとしているようにも見えますね。

安倍首相の「尖閣には領土問題など存在しない」という事に対して、習主席は「領土問題が在ると認めろ」というスタンスは全く変わっていません。
握手する両首脳の表情はこわばっていて、習氏は目を合わさず、国家意思としてはむしろ戦争状態にあることが再確認されたような会談でした。

事前に用意されていたであろう「戦略的互恵関係の原点」は、日本から見れば「相互利益の追求」ということでしょうが、中共は「自国利益と日本領海の占領」ですから話し合いなどにはなり得ません。まさに「同床異夢」の会談です。
ちょうど香港の「一国二制度」と同じようなものと考えた方が良いと思います。香港側は「共産主義を止めるまで」と考え、中共側は「共産主義体制の中での二制度」と考えていたわけですからね。

同じ要領で、「一国二制度」と言う言葉を使って台湾侵略を画策している中共ですが、香港も台湾も少なくとも学生は事態を理解して反対しています。インターネットによる情報把握が出来ているからではないでしょうか。

とりあえず、尖閣海域については「偶発的な衝突を避けるための海上連絡メカニズム」を作ろうと言うことになり、「実施に向けた具体的な事務的な作業に入ることになる」などとしておりますが、この裏側にはアメリカの意向があることは見え見えです。

核戦略で旧ソビエト連邦とアメリカが行った「ホットライン」のようなものを想定した「偶発的な衝突を避けるメカニズム」なのでしょうが、中共側には国家意思としての侵略工作しかありませんから、日本側から文句を言っても、中共側は「日本が悪い」と言うだけでしょう。
「ホットライン」のような偶発回避の発想は、軍事環境が拮抗している場合にのみ有効なもので、日本国憲法で武装解除させられている今の日本には、このようなメカニズムは作れません。
特に中共は、軍事力の強さしか問題にはしませんから、武装解除されたままの日本などとまともな交渉をする気はないでしょう。

まして日本の「防空識別圏」に重複させて中共側が設定した戦闘識別圏なのですから、初めから侵略のための戦争状態にすることを意図したものなのです。
日本の平和団体(九条の会)などはこのようなことを一切言いません。
両軍がスクランブルを掛けて、両首脳がホットラインで罵り合うような、そんな意味のないメカニズムなど作ってもしょうがないのではないでしょうか。

今回の首脳会談は日中両国がオバマ・アメリカの顔を立てた会談に過ぎず、アメリカは日中戦争に巻き込まれることが嫌なだけです。今後は日中両国ともに東シナ海の覇権を掛けた軍事競争に入ることは間違いないでしょう。

そして日本国憲法がある限り、航空自衛隊のパイロットは威嚇射撃も警告射撃も撃墜も出来ないことになりますから、戦闘になれば、相手の戦闘機パイロットの錯覚を利用して操縦ミスを招かせ、それによって撃墜するしか方法はないはずです。
まさに日本国憲法によって空自パイロットは手足を縛られたままでの特攻作戦を強いられているようなものですね。

中共側の戦闘機の性能とパイロットの訓練が今後どこまで成熟していくか判りませんが、それに負けずに空自パイロットの質的向上が期待されます。

ただ、問題なのは空自に入隊した若きパイロットが戦闘機に乗ることを拒むケースも出てきており、日教組教育の問題も噴出してきています。
今後は、日本もアメリカ並みの無人機による攪乱戦闘を考えるようにしないと、日本国憲法によって空自の犠牲者が出る可能性が高まっています。

来年の1月にテスト飛行する予定の「心神(ATD-X)」は、日本の純国産のジェット戦闘機です。小型でステルス性能に優れていて、何よりアメリカ軍のブラックボックスに悩まされずにすむ(?)という特徴を持っています。
三菱重工で期待が作られ、エンジンはIHIが担当しています。膨大なソフトウエアはどこが開発を行うか良く判りませんが、民間のようにアメリカ製ソフトを使うことは無いと思いますけど・・・。インターフェースとか日米同盟上必用な部分は判りませんけど、ここが最もナーバスなポイントです。

ここがクリアできれば、純国産の無人機は出来上がるでしょう。中共と東シナ海を巡って航空戦闘の時代になり、両国とも無人機によるスクランブルが当たり前になれば、あとはソフトウエアの勝負になります。
ここまでくればアメリカ軍もソフト開発に参加するでしょう。そうしないと今後日米戦争になった時、アメリカが負けてしまいますからね。

アメリカは「イスラム国」と名乗る国家なのか何なのか判らない相手と戦っております。日本も中共という訳のわからぬ相手と東シナ海を挟んで戦っております。
戦闘も無人機と言われる方式に変わってきています。即ちソフトウエアが勝敗を決する戦いです。

あの小笠原の違法サンゴ漁にも本当は小型ロボット風船機雷などで対処することが望ましいように思います。何しろこれからの戦争は、人命第一になるでしょうからね。
このような考えを持って、偶発戦闘回避のホットラインを結ぶと良いかも知れませんね。

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